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君と旅して。ふたりの春は、最果ての白波にほどける
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草むらに揺れる鮮やかな花、小さな石垣。誰もいない一本道に流れる時間は、どこまでもゆるやかだ。
時折ごうっと音を立てて吹き抜ける潮風に流されないよう、ハンドルをしっかり握る。島をぐるりと囲む道路を半周する頃には、次の目的地が現れた。
「……あった、最南端自販機!」
「ほんとにあるんだ!? しかも意外と、普通のラインナップ!」
もっとこう、沖縄限定のジュースだとか、よくわからないお茶だとかを想像していたけれど。自販機自体も大手メーカーだし、よくある『謎に安いけどブランドがわからない』という怪しい物は並んでいなかった。
喉の渇いた状態では、それがありがたいような、もっと攻めて欲しかったような、断言しがたい気持ちがあるけれど。
「それじゃあ、さっそく。ここまでの旅が安全に終わったことに感謝と……」
「ここれからの旅が楽しいものであるように願って!」
国際通りで買った、琉球ガラスのロックグラスに炭酸を注ぎ乾杯する。
キラキラと輝くグラスから、しゅわしゅわと弾ける泡まで虹色に見えて、なんだか特別な飲み物みたいだ。
……本当は、どこでも買える炭酸なのに。
「この自販機とも写真撮っとく?」
「撮るの!? ……まあ、ネタにはなるけど」
青々と茂る畑の中にある、ぽつんとした自販機は、果たして何人に伝わるだろう。
そうは思えど、『最南端だし』とか『グラスもいい感じだし』とか。なんだかんだ言って、自販機の前に並んで記念撮影までしていた。
笑って、歩いて、風に吹かれて――話しているうちに、再び目の前が大きく開ける。ペムチ浜だ。
先に訪れたニシ浜より野性味のある静けさがあって、足下の砂も貝殻や小石が多く砂利に近い。
「珊瑚の欠片とかもあるから、触るときは気をつけてね」
潮の流れも速く遊泳できないことから、観光客も比較的少なめの海岸。海の向こうには島が見えず、水平線しか広がっていないのも圧巻だし、ここまで来たという達成感もあるけれど、ここには捕まえられる星がいる。
「……これが、そう?」
よく小瓶に入ったものは目にしても、自分で拾い上げると同じ物に見えない。
まるで小さな星そのものみたいな、不思議な形。
手のひらにいくつかの粒を載せて、じっと眺めると、宇宙が一粒ずつ降り積もったようにも見えた。
「そう、星の砂。残念ながら、持ち帰りは禁止されているけどね」
「じゃあ願い事、しとこっか!」
小さな星を潰さぬように、両手でそっと包み、願いを込める。
さて、このあとはどうしようか――ふと顔を見合わせた2人は同じ考えだったのか、笑い合って海へ投げた。
波がそれを受け取って、きらめきながら静かにさらっていくのは、小舟や灯籠を川に流すのと似ているかもしれない。
「あおいのことを願ったよ。無理せず、楽しめますようにって」
「え……」
「頑張り屋だから、頑張りすぎて倒れないように。……ほら、新しいことってさ、つい夢中にならない?」
砂浜の端を目指すように歩きながら、修はぽつぽつと話し出す。
家庭教師のバイトを始めたこと。自分の理解力や伝達力を試せるだけでなく、生徒と向き合うのが楽しくて、つい課題作りに夢中になってしまったこと。
「そういうとき、あおいと楽しい話ができて俺は癒やされてるけど……やっぱりさ、格好も付けたいし」
薄々は気付いてる。彼女がバイトをしていることも、そのためにちょっと無理をしていることも。
でも、それを正面から伝えられてないと言うことは――まだ己は、甘えられる存在じゃないのかもしれない。
「あのね、修君」
空と海の境目が曖昧になって、風が少し強くなった。
ただの夕暮れの気配なのに、何かが変わる予感がする。
「私、修君に甘えっぱなしのままでいたくない」
「うん……俺も、『八神』の名前に甘えて着られるような……そんな俺で、いたくない」
覚悟を決めた顔をしていたはずのあおいは、すぐさまハッとした。
修がいつも気にかけてくれて、何でもスマートにこなして、自分とはまるで違う世界で生きていたのだと……だから、それに見合う自分でいなければと思ってしまっていた。
そうじゃないって知っていたのに。彼はただの1人の学生で、ちゃんと自分の足で立っているのに。
「ごめんね、修君。私、そんなつもりで言ったんじゃなくて」
「わかってるよ。だからさ、一緒に頑張ろう……時には、互いを頼って甘えてさ」
それが難しいのは、わかってる。ずっと家族のためにと頑張って、進路まで方向を妥協せず最高の形で選択した姿を見れば、甘えてる自分が許せないのかもしれない。
「今すぐにとは言わないよ。俺が一人前になって、あおいが甘えてもいいって思えたら――」
「ありがとう……」
胸に飛び込んできたあおいは、ちょっと涙ぐんでいるようにも思えた。
張り詰めたようなものがほどけて、今日を楽しんでくれるだけで良かったのに、欲張りすぎてしまっただろうか。
抱き返そうか迷った手は、彼女の背中近くを右往左往して、結局優しく叩くだけにする。
「見えてきたよ、最南端の碑」
できるだけ空気を壊さず、それでも話題を変えるように。優しく声をかけることが、出来ただろうか。
ちょっとだけ照れくさい思いは風に乗せて。それでも心は近づいていると、手を繋いだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月03日
参加申し込みの期限
2025年06月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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