this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ウェディング・フェスティバルへようこそ!
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
さてその日、
城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
は久々に――正確にはおよそ2ヵ月ぶりに、寝子島へと足を踏み入れた。ねこでんから降りた刹那の空気感はまだどこか日常の延長にも思えるが、感じている懐かしさも本物だ。
そう、しみじみ考える水樹の傍らから、ヒューが言った。
「シーサイドアウトレットだっけ?」
「そう。多分、催事コーナーとかその辺りじゃない?」
それに水樹は頷きながら、ヒューの腕を取り、勝手知ったる足取りでシーサイドアウトレットへと歩き出す。くす、と小さく笑みを零したヒューが、そんな水樹をエスコートするように半歩先に立った。
――この春に大学を卒業した水樹は、住まいを木天蓼市へと移した。というのも、それまでは恋人同士であったヒューと、結婚前提に同棲をする事になったからだ。
と言って、婚約者同士となった2人の同棲生活が、甘やかなそれであるかと言うと大いに疑問がある。大学生という身分から解き放たれ、専業モデルになった水樹に所属事務所は、ここぞとばかりに『これでもか』と言わんばかりの仕事を詰め込んで来たし、ヒューの方もまたフォトグラファーとしての仕事が忙しく、あちこち飛び回っていたからだ。
下手をすれば、一緒に暮らしているのに互いの顔を見る事すらない日もある、そんな暮らし。――だが、奇遇にも2人共にオフとなった今日、2人はシーサイドアウトレットへとやって来たのだった。
というのも――
「ウェディング・フェスティバル自体はあちこちでやってるけど、試着し放題っていうのは珍しいよね」
「でしょ。面白そうだと思ったのよね」
道すがら、呟いたヒューの言葉に水樹が、どこか自慢するような響きで笑う。寝子島のアウトレットでウェディング・フェスティバルが催されるので行ってみないかと、誘ったのは水樹の方だからだ。
そんな水樹に目を細めつつ、ヒューはその時のことを思い出す。
(水樹、『予行演習に良いでしょ』って言ってたけど)
何の予行演習か、と水樹は言わなかったけれども、結婚式のことだろうとは簡単に予想がついた。だから微笑むヒューの眼差しに、取り立てて隠したつもりもない水樹も微笑みを返す。
元より、結婚を前提に同棲しているのだから、その先には当然『結婚式』というイベントを想定して然るべきだし。――とはいえ、試着し放題という言葉も大いに魅力的ではあって。
楽しげな足取りでアウトレットに辿り着いた刹那、水樹はつ、と目を細めた。同時に、傍らのヒューが居心地悪そうにそっと辺りを伺うのを、感じる。
――まだ慣れないわよね、と水樹は内心で苦笑した。モデルである水樹は、知らない人から視線を向けられることに、否応なしに慣れている――というか、それこそが仕事という面もあるのですっかり慣れてしまったのだが、一般人(?)のヒューはそうもいかないだろう。
ゆえに水樹は慣れた仕草で「ほら、行きましょ」とヒューの手を引き、堂々とした足取りでアウトレットを奥へ、奥へと進み。凄いね、と感嘆ともため息ともつかぬ息を漏らしたヒューも、水樹の背を追うように進むとやがて、賑やかな催事コーナーへと辿り着く。
そこには、ウェディング・フェスティバルの名に恥じぬ、イベントスペースを見渡す限り様々な色や形のドレスとタキシードが並んでいた。さすがにここにやって来ているものは、モデルの水樹よりも目の前のドレスの方が気になるのか、先ほどまで感じていた視線もあまり感じない。
水樹とヒューはそのまま、スタッフに断ってイベントスペースへと足を踏み入れ――その光景に、圧倒されるように足を止めた。
「凄い……」
水樹の唇から、先程のヒューと同じような感嘆の息が漏れる。ヒューも、そんな水樹に同意するようにただ、無言で首肯した――それほどに、ここに並べられている衣装の数々は、圧巻の一言であった。
モデルとして、またはカメラマンとして、こういった華やかな衣装を目にする機会がないわけではない。それでも、ここに在るのは『本物』だからなのか、仕事の時とは異なる感慨が2人の胸を満たしていく。
しばしそうして見惚れていた2人だったが、彼らはただ衣装を眺めに此処にやって来たわけではない。どうにかそれを思い出した2人は、じゃあ後でね、と手を振り合い――ドレスコーナーへと消えて行った水樹の背を見送って、ヒューもタキシードコーナーへと足を向け。
(――やっぱり、ドレスよりは数が少ないのかな)
一通り歩き回ったヒューは、そんな感想を抱く。もちろん、それでもここに並んでいるフォーマルウェアは、前述の通りのタキシード以外にも様々なものがあり、色も形もかなり豊富ではあったのだが。
ドレスコーナーの広さに比べれば、些か手狭に感じられるのは、仕方のない事なのだろうか。そう考えつつヒューは幾つかのタキシードをピックアップして、試着の末にかなりスタンダードな形の、黒のテイルコートに治まった。
(うん、こんな感じかな)
それはどちらかと言えば、しっくり収まっている、という感想に似た感情。そうしてあっさり衣装を決めてしまったヒューが、待ち合わせ場所に戻った時には予想通りというべきか、まだ水樹の姿はどこにもない。
――そうだろうな、と胸中で1つ頷いた。古来、女性の着替えとは往々にして長くかかるものだ――ましてドレスの試着となれば尚更だろう。
ゆえにヒューはのんびりと、お姫様の登場を待ち始めた。
◆
ずらりと並んだドレスに水樹は、ほぅ……と幾度目とも知れぬ溜息を吐く。
(あのデザインも気になるし、こっちは絶対に可愛い……あっ、あのドレスのデザインもしかして、有名デザイナーのじゃないかしら?)
似通ったデザインに見えても、細部を見ればデザイナーの創意工夫が感じられるドレスは、ただ見て回るだけでも楽しい。中には水樹もモデルの仕事の関係で顔を合わせた事のあるデザイナーの物らしきドレスもあって、さらに気になってしまう。
ましてそれがカラードレスになれば、それこそ使ってない色などないのではないか、と思えるくらい様々な色やデザインに溢れていて。チョコレート色なんかも意外と人気なんですよ、とスタッフが説明するのには、へぇ~、としか言いようがなかった。
「お嬢様はお好みのお色などございますか?」
「えー……ッと、そうね、私が好きな色は赤かな。もちろん緑色も好きだし……」
いつしか接客スタッフに「お嬢様」と呼ばれる事にもすっかり慣れた、水樹はうーんと考えながら応える。とはいえ今日は『予行演習』のつもりで来たのだ、どうせ着るなら実際に結婚式で着るようなドレスを選びたい――否、カラードレスだって実際に結婚式で着るドレスなのは解ってるけど。
やっぱり純白のドレスかしら、と呟けばスタッフがここまで水樹が興味を惹かれたドレスの型なども考慮して、幾つかの白系ウェディングドレスを提案する。白と言ってもアイボリー、シャンパンゴールドなんかも広義の意味で白系に含まれるようなのだが、今回はそちらは省いたとのこと。
ゆえに並べられたのは、ホワイト~オフホワイト系のドレス。Aラインとプリンセスラインの中間のようなデザインは、単純なようでいてフリルの場所などで驚くほど個性が出る。
それらを試しに全部試着した――何しろ試着し放題なのだ――水樹は、鏡の中の自分を見て少し、気恥ずかしさに苦笑いした。
「こうして着てみると、なんだか恥ずかしいな……」
よくお似合いですよとスタッフは微笑むし、似合っていると自分でも自負するけれど、ウェディングドレス姿の自分を改めて見てみると――やはり恥ずかしい。この恥ずかしさがどこから来るのか、解らないままどんどん募る気恥ずかしさに知らず、頬がほんのり染まっていく。
それでもどうにか1着を決め終えて、水樹はスタッフに簡単なヘアセットと無料のお飾りも施され、『ザ・お嫁さん』姿で試着室を後にした。そうして気持ち、足早に待ち合わせ場所へと向かい――そこで待っているヒューの、キリッと決まったテイルコート姿にはっと息を飲む。
同時に、ヒューもまたやって来た水樹の姿に気付き、そのまま言葉を失った。――本当にこれは水樹だろうかと、失礼ながら一瞬疑ったほどにそれは、ひどく美しく、この上なく水樹を引き立てているように思われたのだ。
ゆえに、言葉を失い見つめ続けるヒューの眼差しに。ついに居心地の悪さを覚え始めた水樹が、テイルコートから視線を逸らしつつ、努めていつも通りの口調で言った。
「ヒュー、なにポカンとしてるの?」
「いや……君が余りにも美しすぎて」
だが、それに返されたヒューの言葉はどこまでも真面目な響きで、それゆえにますます気恥ずかしさが募る。ようやく落ち着いてきた所なのに、またあの気恥ずかしさがぶり返してきたようで水樹は、プイ、と顔を背けながら「落ち着け」と自分に何度も言い聞かせた。
その――可愛らしい姿にクス、とヒューの唇から笑みが零れる。すっと片手を出してエスコートを申し出れば、ほんのり頬を染めた水樹の手がそっと重ねられ。
2人手を取り合って、向かったのは模擬結婚式を出来るというコーナーだ。――だって今日は『予行演習』なのだから。
けれども、そこに敷かれた赤い絨毯を見た途端、水樹の中に確かな緊張が膨れ上がった。たった5m、ランウェイを歩く時よりも遥かに短い上に観客も殆ど居ないのに、どうかすればそれ以上の緊張感が、水樹の全身を支配する。
繋いだ手から、それをヒューも察した。察し、案じるように彼女の顔を、そっと覗き込んだ。
「――水樹」
「――行けるわよ」
大丈夫だよと、力づける様に見つめるヒューと自分に言い聞かせるように、水樹は力強く言い切った。――初めてランウェイを歩いた時だって、こんなに口の中がカラカラにならなかった気がする。
これは模擬、なのに。――でも、結婚式ではある、から。
たった5mの道のりを、水樹はこの上なく緊張し、ちゃんと出来ているかとハラハラしながらも、傍からはそうと悟らせぬほど堂々と歩き切った。ただ1人、エスコートしていたヒューだけが彼女の緊張に気付き、眼差しと、繋いだ手のぬくもりで励まし続けた。
そうして辿り着いた絨毯の端で、スタンバイしていたスタッフが笑顔で口を開く。
「病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、互いを愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」
「誓います」
「誓います」
イベントの模擬挙式らしいというべきか、見事に簡略化された、けれども多くの人が1度は聞いた事があるだろうフレーズを唱えたスタッフに、ヒューと水樹は堂々と、力強く誓いを述べた。――これが本当に本当の結婚式であるかのように、厳かに。
自然と、2人は向き合って誓いの口付けを交わす。
如何にも本物の結婚式らしいカップルの姿に、おめでとうございます、と周囲のスタッフや参加者から拍手が生まれた。その祝福の中、ヒューと水樹はゆっくりと唇を離し――クス、とどちらからともなく笑みを零す。
だが、いつまでもこの場を占領している訳にはいかない。記念撮影のため、別の場所に移動を促された水樹はそこで、はた、と気付いてカメラマンを振り返った。
「あの! カラードレスでも撮ってくれない!?」
「水樹?」
「緑のドレスと、赤のドレスも素敵なのがあったの。折角だし、試着し放題なんだから良いでしょ?」
追加料金が必要なら払うわよ、と。胸を張って言い切った水樹に、カメラマンは笑いながら快諾してくれる。
そんな水樹の誇らしげな姿もまた可愛いと、ヒューは静かに微笑み――最終的に、水樹の2度のお色直しを経て、2人は3枚の記念写真を撮ったのだった。
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ウェディング・フェスティバルへようこそ!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月05日
参加申し込みの期限
2025年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!