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[TOS] 戦蘭の世紀
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サツキの声は小さかったが、まるで雷鳴のように轟いた。
喉奥から漏れたうなり声は、人間よりも狼や熊に近い。華奢な身体から洩れたものとは思えなかった。
サツキの瞳が、月光の下で異様に光る。
リオは直感した。サツキも確信していた。
あのときの……あれだ。
体が焼けつくように熱くなり、同時に脳の奥が氷のように冷える。両極端な感覚が交錯し、サツキの意識が、すっと沈んでいった。
殞脈《完殺(エグゼキューション)》がふたたび発動したのだ。かつてガーナックH(エータ)との戦いで目覚めた力が、いま、完全に開花した。サツキは手のブラスターを、まるで棍棒のように逆手で握った。
「サツキ!?」
やめてとリオは声を上げる。だが、もう彼女に届く言葉はない。
サツキは野獣そのものだった。ガーナックに跳びかかり、ブラスターを頭部に叩きつける。
殴る。殴る。殴る!
灰色の金属がぐにゃりと曲がり、飴細工のように崩れ落ちた。だがサツキはやめない。敵の腕を引きちぎり、丸太のように振り回す。巻き込まれた量産型ガーナックたちは、音を上げる間もなく粉砕され、破片となって爆散した。
破片がイプシロンにも飛ぶ。風の渦で受け止めた彼女は、嬉しそうに目を輝かせた。
「すごーい! やっぱりキミ、特別な子だったんだ!」
イプシロンのその言葉に反応したのは、サツキ自身ではなく、リオだった。
……『特別な子』? 『やっぱり』?
理解は追いつかない。けれど、直感がざわめく。何かを知っている。何かを、見落としている……。
凶獣と化したサツキが、戦場の均衡を力ずくでくつがえした
量産型ガーナックたちの電子音はもはや悲鳴だった。追いすがる敵を無慈悲に殲滅し、サツキは跳躍するたび、複数の敵を吹き飛ばす。壁に叩きつけられた金属の体が火花を散らし、地に落ちて砕けた。
「みんな下がって!」
英二が叫び、即座に魔法陣を収束させる。もはや、サツキの周囲十メートルは戦闘空間ではなく“禁域”だった。巻き込まれれば、味方とてただでは済まない。
「ふふ、こっわぁ。でもキミ、面白い~」
イプシロンが嬉々として言う。だが風の渦が一段と強まり、彼女のまとう気配もまた鋭さを増していた。
「じゃ、こっちも本気出していいんだね?」
彼女の言葉と同時に、大気が爆ぜた。
耳をつんざく轟音。イプシロンの背から風の蛇のような気流が四方へ奔り出す。これは風ではない。圧力そのものが具現化し、殺意を持って迫ってくる。
「ぐッ……!」
強化されたサツキの肉体でさえも膝を折った。鉈のような一撃が背中を裂き、赤黒い血が空中に噴き上がる。
「サツキっ!」
リオが叫ぶ。英二が再び障壁を展開するが、間に合わない。イプシロンはすでに空を自在に舞い、サツキの死角へと回り込んでいた。
「特別な子、持って帰らなくちゃ」
にこりと笑い、手を振り下ろそうとする──そのとき。
地を砕き、跳ね上がった影があった。
楓。
「
イプシロンッ!
」
彼女の声が戦場を打った。
イプシロンの笑顔が、はじめて消えた。
楓のブレードが連撃を放つ。
初撃、回避。二撃、受け止められる。
だが三撃目、ついにイプシロンの膝をとらえた。白いワンピースを着た体が沈んだ。
これが楓の殞脈、『死の舞踏(ダンス・マカブル)』、踊るような、流れるような殺意の連鎖。
イプシロンの風をものともしない。いや、風すらも乗りこなす。
「なにこれ──ッ」
その一瞬を、楓は見逃さなかった。
「ママの仇っ!!!」
ブレードを突き立てる。
イプシロンの肩口に──!
火花。爆音。光が爆ぜた。純白のワンピースが血に染まり、イプシロンの腕がちぎれる。青い光がスパークし、皮膚下の回路が焼き切れていく。
ぼとり、とイプシロンの右腕が落ちた。そこにリオは見覚えのある輝きを見ていた。
青い光……!
Y.E.S.S.I.R.!
英二も見た。地面に落ちたイプシロンの動きが変だ。
「うわ、なにこれ、うわ、なにここ?」
片腕が肩から落ちたという凄惨な姿ながら、イプシロンは興味津々の様子で周囲を見渡している。服従回路から解放されたため、記憶と判断が分断されていた。
「なんだかすごーい。ねえねえ、みんな、何やってるの?」
彼女、もう元のガーナックじゃないよ!
英二がいち早く気づいた。
助けたい。反射的に駆けだした。だが楓の表情を見た瞬間、言葉を失う。
リオは殞脈を発動させようと瞼を閉じかける。けれど──条件は『十秒』。長すぎる。足が震え、カウントすら忘れてしまう。
ただ一人、ミオだけが動かなかった。
沈黙のなかでミオはすべてを見ていた。復讐という名の執行を。
そして──その必要性を。
「これで……終わらせる!」
楓は、最後の一閃を叩き込んだ。
首筋に。
イプシロンの笑顔が、夜空に儚い弧を描いた。
白い首がくるくると舞い、闇のとばりへと吸い込まれる。
残された躯は力を失い、膝から音もなく崩れ落ちた。
このとき、サツキにもう一度異変が生じた。
あやつり人形の糸が切れたように、サツキは倒れたのだ。
「サツキ!」
リオが叫び、駆け寄って彼女を抱きとめる。力を失ったサツキは、リオの腕の中で静かに沈むばかりだ。
「サツキ、しっかりして!」
サツキの瞼は閉じたままだった。浅い呼吸だけが、眠りに落ちた彼女の命をつないでいる。ターヤが支え、英二が回復魔法の準備をはじめた。
ラムはじっと耳を澄ませている。何かを待つように。
爆心地に、ようやく静寂が戻りつつあった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
ゲーム
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月12日
参加申し込みの期限
2025年05月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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