マジックポットたちと、不思議な館の冒険｜リアクション

マジックポットたちと、不思議な館の冒険

◆ポット解決編

　想花は書斎に向かう道中で、同じく館に迷い込んだ柚春達と合流する。
　そして――

「これって……」

　書斎にたどり着いた想花は、視界に飛び込んできた光景に目が釘付けになった。
　目の前に佇む黒い霧の固まりは、『嫌な気配』が充満している。
　まるで、悪意の吹き溜まりみたいだ。

「この悪意の吹き溜まりに影響されたのが、黒いポットみたいね」

　智依子があの時、感じた言い知れないその予感は、今はもはや確信に近い。

「ふむ。どうやら、黒いポット達は、この霧によって操られていたようだねぇ」

　香りで正気に戻ったブラックマジックポットから伝えられた情報を視野に入れて、ウォルターはそう推測する。

「他の黒いポット達も香りを奪ったら、もとに戻るはずだ」
「よし、ワット、助けてあげよう！」

　柚春はウォルターの手を引いて、館を駆けていく。
　修達の情報をもとに、作戦を立てて、他のブラックマジックポット達を元に戻すために尽力していった。

「回復できるかい？」
「もう大丈夫だよ！」

　修とあおいが、救出したブラックマジックポットに声をかける。
　ブラックマジックポット達は汚れを拭き取ったことで、完全に元のマジックポット達に戻ったようだった。
　しかし、マジックポット達から奪った中身はどこにも見当たらなかった。

　不思議な館には、もしかしたらマジックポット達以外にも誰かいるのかもしれない。

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