「……ここは?」
気が付くと
八神 修は館の中に立っていた。物語に登場するような、落ち着いた雰囲気の白い邸宅だ。外観もさぞ美しいことだろう。
いつの間に迷い込んでしまったのか。寝子島では良くあることなので、修もふむ、と冷静にあたりを見回す。
邸宅の廊下、部屋の中、広間、いたるところに鉢やプランターがあり、花が咲いていた。色とりどりで、見たこともない花ばかりだ。
光る花、歌う花、身体を揺らし踊る花……不思議な花たちが館には咲き乱れていた。
邸宅は奇妙な構造をしていた。くねくねと曲がる廊下が続いたかと思えば、急な階段が上へいったり下へ降りたり。大きな広間や小さな書斎、厨房、寝室と多様な部屋があるが、いずれにも花々が飾られていた。
まるで魔法使いの作った、華やかな迷路だ。
「おや。あれは、
あの時の」
花たちの世話をしているのは、人ではなかった。犬か猫のようにとことこと歩くが、生き物でもない。
四本の足がついた花瓶、あるいはティーポットのようなものが歩いていた。おなかの部分は透明のガラスとなっていて、中には水や茶、あるいは花や植物の種などで満たされている。
マジックポット、とでも呼ぼうか。
水をおなかに満たしたポットは鉢植えの前へ小走りにやってくると、それを鉢の中へと注ぐ。いつか見た不思議な庭と同様、この邸宅の中もそうして成り立っているらしい。
愛らしいその姿に見とれ、目を細めた……その時だった。
「相変わらず頑張っているようだ……、何っ!?」
黒い影が風のように現れたかと思うと、歩くポットに襲いかかり、ひっくり返してしまった。
こぼれた水や茶、花の種などを吸い上げ自らの腹に満たしたのは、
黒いマジックポットだった。
「敵がいるのか? この館には」
慌てて駆け寄ると、黒いポットは壁を這い、姿を消した。
ひっくり返ったポットは中身を失い、力なくよろめきながらも立ち上がる。再び補給をしにいくのだろうか。
「ふむ。奇妙な館だが……」
マジックポットたちは、修や、迷い込んだ者たちの力を必要としているのかもしれない。
立ち上がったポットはどこか切なく見上げるように、注ぎ口を修へ向かって掲げた。
天音まなです、よろしくお願いします。
八神 修さん、ガイドへご登場いただきありがとうございます。
概要
迷宮のような不思議な洋館で、探索したり、ガーデニングのお手伝いをしたり、お茶会をしたり。
美しい花たちに和んだり、イタズラな敵を追いかけたり、バトルしたり? といったシナリオです。
洋館はいかにも魔法使いが暮らす館といった雰囲気で、
中ではひとりでに動くホウキが埃を掃いていたり、動く絵が飾られていたり、
多種多様な薬草や花弁や、それらから作られたと思われる、
魔法のポーションが満たされたフラスコが並んでいたりします。
館はまるで迷宮のようで、入り組んでいますが、
あちこちには鉢植えやプランターに花が飾られていて、非常に明るく華やかです。
館の住人は不在のようで、花々の世話をしているのは、
四本足がついたティーポットや花瓶のような、マジックポットたちです。
マジックポットはたくさんいて、形はいろいろ。
おなかが透明なガラスで、中に水やポーション、花弁や種が詰まっているのが見えます。
それらを運び、花たちに与えることで、庭を維持しているようです。
マジックポットたちは働き者ですが、小さな身体ですので、一度にこなせる仕事は限られています。
手伝ってあげるのも良いでしょう。お礼にお茶やクッキーをご馳走してくれるかも。
ただ、館にはイタズラ者の敵がいるようです。
ブラックマジックポットは、他のマジックポットから中身を奪い取ってしまいます。
数体のブラックマジックポットがおり、館のあちこちでマジックポットを襲っています。
遭遇したら、助けてあげましょう。
ブラックマジックポットの正体や出どころは、今のところ不明です。
皆さんの調査によっては、どこからやってきたのか、誰かに操られているのか……など、
明かされることがあるかもしれません。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、
PCとXキャラの2人あわせて「1人分」の描写なので、無関係の行動などはお控えください。
※Xキャラだけで1人分の描写とすることも可能です。
その場合は、PCさん自身は描写がなく、Xキャラだけが描写されます。
Xキャラのみの描写をご希望である旨を、アクションにわかるようにご記入ください。
※Xキャラをご希望の場合は、口調などのキャラ設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
以上です。
ご参加をお待ちしております!