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木天蓼大学法学部法律学科。自分がその学徒となろうとは、
朝鳥 さゆる
も思ってもみなかったことだ。今はその三年生となったが、自分でも意外な程生真面目に、真剣に勉学へ打ち込んでいる。講義は欠かさず出席し、ボンクラ学生のごとく代返を頼むなんてこともない。ゼミにだって所属し、専攻の民法について他の学生たちと共に議論を交わしたりもするのだ。
「あ~っ、疲れた! 頭がパンクする~」
「民法総則だけでも174条まであるって? 覚えきれねぇって……」
「まぁやるしかないよね~。あれっ朝鳥さん、帰るの? 今日はもう上がり?」
「ええ、教授の都合でゼミが臨時休講になったの。悪いけどお先に失礼するわね」
「は~い、お疲れ~! あ、今度一緒にご飯行く話、覚えてるよね!? 約束、忘れないでよ~朝鳥さん!」
「はいはい。忘れてないわ」
「なら良しっ。お疲れ様、また明日ね~」
学びが深まるにつれて、さゆるが身に染みるのはかつての己の振る舞いだ。夜の街を闊歩し、行きずりの相手と気ままに身体を重ねた。未成年のさゆるの自暴自棄は今思っても犯罪的であったように思う。自分も夜を共にした誰も彼も、振り返ればいくつも法を犯していたことだろう。顧みることも無かった過去が今でも時折さゆるの胸を苛んだ。
そんなさゆるでも、受け入れてくれる恋人がいる。償いはこれからの行いで示せばいいのだと、いささかちゃらんぽらんな彼女は言ったものだ。その軽い言葉に日々、どれほどさゆるが救われていることか。
「! 風が強いわね、今日は」
木天蓼市にあるキャンパスから、寝子電に乗って寝子島へ戻る。駅前には春の嵐が吹き荒れていた。髪とスカートの裾をおさえて駅構内へと駆け込む。前髪の合間にはひとひらの花弁が混ざり込んでいた。つまんで取り上げてみると、淡い桃色が何とも可憐だ。一つくすりと笑んでホームへ歩き出す……かつては、あの頃は笑みなど浮かべもしなかったかもしれない。さゆるの凍り付いた時も今では少しずつ溶けてきた。いずれは剥き出しの自分を取り戻すことだろう。
そんなことを取り止めなく考えていたら、寝子電はいつの間にか島へと舞い戻りシーサイドタウン駅へと到着していた。
「降りないと……!」
スカート翻し慌てて駆けるさゆるの姿など、あの頃の誰が想像しただろうか。そう思うと何だか笑いがこみ上げてきて、緩んだ口元を認めた通りすがりの寝子高生たちに怪訝な顔をされた。
今日は店へ出る日だ。キャバクラ「プロムナード」の「さゆみ」が可憐に咲くが如く舞い下りる夜なのだ。
一日の講義が終わると一度帰宅し、準備をしつつ心を落ちつけてから改めて出勤、というのがさゆるのいつものやり方となっていた。ちなみに今もってあまり愛想の無いさゆるであるが、店ではダウナー系の嬢として一定の需要がある、どころかなかなかの人気を誇っている。
シーサイドタウンの街並みを歩く。買い物でもしていこうか。そういえば明日の朝食のパンが切れていたかも。同棲する彼女が買っておいてくれるかとも思いつつ、あまり細かいことにこだわらない大ざっぱな彼女はきっと気づかないだろう。そんなところも魅力の一つであるとさゆるは思うのだが。
彼女のことを考えながら半ばぼんやりと歩いていたら、ショウウィンドウの前に見知った顔を見つけた。何とこれが、当の恋人ではないか。
「……じゅん?」
「ん? あら、さゆる? 早いわね、午後の講義は?」
「臨時休講。早めに戻ってきたから、買い物でもって思って……」
強い風が吹いた。春の嵐の逆巻く風が一瞬で通り抜け、
姫木 じゅん
は舞う花びらの中に微笑みを浮かべ、さゆるを出迎えた。
二人で一つの袋を持ち歩く。エコバッグの中身は食パン。卵。じゅんが欲しがった女児向けアニメの食玩付き菓子。牛乳が一本。
「今日の学校はどうだった? さゆる」
「別に……普通かな。講義は分かりやすかったし、トラブルも無かったし」
「ちゃんと友達できた? この前言ってた子とはどう? ガッコで友達作りなさいっていつも言ってるよね、あたし」
「それは、まぁ……今度一緒に外食することになったわ」
「お、いいじゃんいいじゃん。青春だね~」
マンションへ戻る道を歩みながら、さゆるはふと夢の中へと迷い込んだような錯覚を覚える。良くあることだ。少しずつ色褪せてきた夜の記憶がそうさせるのだろう。自分がこの年上の恋人と並んで道を歩み、日々の暮らしについて他愛もない話を交わすことに違和感を覚える瞬間があった。
「ん? どーかした? 眉毛がきゅーっと寄ってるわよ」
「……ううん。何でも」
それでも隣を見れば、今この時の現実がさゆるの過去を上書きしてくれる。じゅんの笑顔がさゆるの内側へと定着してゆく。
「何でもない。今日もお仕事、頑張りましょう」
「おーっ」
ただ、歩いてゆく。それだけでさゆるの胸は満たされ、わだかまる黒い霧は晴れてゆくのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年04月03日
参加申し込みの期限
2025年04月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年04月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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