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寝子島高校
運命の歯車が回り出す
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道を取り囲む桜の蕾がふっくらと膨らみ始める。卒業や入学、または就職と気忙しい季節を間近に控えた週末、マンションの一室では
綾辻 綾花
が荷造りを始めていた。
参考資料となる雑誌をビニール紐で一括りにして纏めた。四十五リットルの袋には不要となった品々を手早く入れていく。時に名残惜しそうに目を落とし、踏ん切りを付けるように投げ込んだ。
別のところでは
早川 珪
が四つん這いの姿となっていた。奥に突っ込まれた物に手を伸ばす。端を掴むと素早く引き寄せた。
取り出した一冊のアルバムを見て珪は胡坐を掻いた。頁を開こうとした、その時、綾花がふわりと腰を下ろす。
珪の胸に背中を預けて弾むような声を出した。
「私達の過去を一緒に振り返りましょう」
「そうだね。ここには二人の大切な思い出が、たくさん詰まっている」
珪は綾花を包み込むような姿勢で最初の頁を捲った。写真に切り取られた一場面は頭の中で色鮮やかに再現されてゆく。
放課後を迎えた。にわかに第一グラウンドが賑やかになる。周回を重ねる度に発破を掛ける声が聞こえてきた。
図書委員として活動していた綾花は受付に座って代わる代わる来る生徒の対応に追われた。途絶えると寄贈された書籍をジャンル毎に並べてゆく。
高い位置では手が届かず、司書教諭の珪が率先して行った。
「ありがとうございます」
「他にはある?」
「この五冊をお願いします」
「わかった。ここは僕に任せて受付を頼んだよ」
「……はい」
その甘い微笑みに見惚れて声が僅かに遅れた。自覚した瞬間、踵を返す。赤い顔を隠すようにして足早に持ち場へ戻っていった。
たった一枚の写真が当時の緊張と胸の高鳴りを引き起こす。綾花は珪の手の甲に掌を重ねた。
「この時のドキドキが戻ってきたようです。少し汗ばんでいると思いませんか」
「確かめてみようか」
珪は手を裏返して掌を合わせた。指を絡めた状態で軽く握る。
「僕の手も少し汗ばんているよ」
「このように握っていると昔のデートの時を思い出します」
二人の目は笑う綾花の写真に向けられた。珪はふんわりとした髪に頬を寄せた。
「この時と違って今は髪が伸びたね」
「肩くらいになりました。切った方がいいですか?」
「今のままでいい。素敵な女性になったね、綾花」
「……珪さんは昔から格好いい男性でした」
二人の握る手が強くなる。目に見える絆のようだった。
珪が後ろから抱き締める写真もあった。綾花はスマートフォンを鏡に向けて最高の一枚を写真に収めた。
頁を捲る程に愛情が高まり、二人の心を高揚させた。荷造りの手は完全に止まってしまった。
ようやく最後の頁を開き、じっくり眺めて閉じた。甘い余韻に浸る中、綾花が夢見心地の様子で口にした。
「春から一緒の部屋ですね……」
「僕と生活することになる」
「不思議な気分です。今までもお互いの部屋を行き来していましたが、同棲は初めてで……胸が高まって、その先のことまで考えてしまいます。気が早いと言われそうですが」
先細りとなる声で綾花は俯いた。珪は繋いでいた手を離し、背後から抱き締めた。
「……珪さん」
両腕を伸ばし、珪の首に回す。その姿で顔を横に向けた。何も言わず、唇を合わせた。どちらともなく離れて見つめる。
珪は右腕を引いてスーツのポケットに入れた。
「気が早いのは僕の方だ」
「どういう意味ですか?」
ポケットから右手を出し、綾花の目の前で開いて見せた。掌には丸みのある青い箱があった。
「珪さん、この箱は」
震える声に珪は優しく語り掛けるように、そうだよ、と耳元で囁いた。
左手で箱の上部を摘まみ、蓋を開けた。白い輝きを放つダイヤモンドの指輪が収まっていた。
「綾花の左手の薬指に嵌めてもいいかい?」
「……本当に私で、いいのですか」
「綾花でないと困る」
首に回していた手を解き、綾花は左手を前へ差し出す。珪は下に手を添えて指輪を薬指に嵌めた。
「僕と結婚してください」
「……はい、末永くお願いします」
綾花は笑いながら泣いた。溢れる涙が止められない。珪は抱き締めて頬を合わせた。
「涙で、濡れますよ」
「いいよ。これも良い思い出になる。これからは夫婦のアルバムを作っていこう」
「想像もしませんでした。でも、少し、欲が出ました」
綾花は手の甲で頬を拭い、煌めくような笑顔を見せた。
「家族のアルバムです」
「そうか」
珪の目にも光る物があった。綾花には見えていない。
「楽しみが増えたよ」
「私は胸が一杯で、少し震えています」
「大丈夫、僕がしっかり抱き締めているよ」
「……珪さん」
切ない声を受けて二人は再び唇を合わせた。
白い雲に覆われていた太陽の一部が現れ、窓から陽光が差し込む。神々しい光は綾花の薬指の指輪を輝かせた。
その姿は教会で永遠の愛を誓う、口付けのようだった。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
各PCの現在と過去を書きました。
参考にしたものも多く、ギュウギュウに詰め込んでみました。
それでも入り切れない要素を泣く泣く削った箇所もありましたが。
最後までシルバーシナリオの意識を強く持ち、書き上げた次第であります!
作品は私の手元を離れ、PCさんの歴史の一頁に加わりました。
長く心に留まることを願っています。
改めて今回のご参加、ありがとうございました。
様々な人間模様に没入して楽しい時間が過ごせました。
皆さんの素晴らしいアクションの賜物です。
また、別のシナリオでお会いできることを願っています。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年03月08日
参加申し込みの期限
2025年03月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年03月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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