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◆
朝鳥 さゆる
『手作り甘味処』と書かれた赤のれんを無言で見つめて、さゆるは、どうしてここにいるのかしら? と考えていた。
確か昨夜はバレンタインで。恋人のじゅんと部屋に2人っきり、チョコを口移しで食べ合うなど、熱帯の夜にとろけるチョコよりアツくて甘い夜を過ごしたのは覚えている。
そのあと、2人で抱き合ったままベッドへもつれ込んで――……。
「ここにこうしている、ということは、やっぱりこれは夢、でいいのかしら」
ふと周りを見回してみたが、じゅんの姿はなかった。
夢でも一緒にいられたら良かったのに。
少しがっかりしつつ店に入る。
「いらっしゃいませ、お客さま!」
元気のいい女店員たちの声と笑顔で出迎えられて、少し気分が浮上した。
「1名さまですか。お好きなお席へどうぞ」
一番近くにいた店員が、にこやかに言ってくる。
活気のある店内を見渡して、さあどこに座ろうかと思案したときだ。
突然何かあたたかなもので後ろから両目をふさがれた。
え!? と驚くさゆりの耳元近くで
「だーれだ?」
との声がする。
笑いを含んだいたずらっぽい声。とても聞き慣れた、耳になじんだ声。
――まさか。
「じゅん!?」
目を覆っていた手が外れる。
その手を握って振り向くとやはりじゅんがいて。くすくす笑いをしながら「あたり」と答えた。
じゅんはあざやかな鳥の模様が入った和服にフリルのついた和エプロンと、店員の服を着ている。
「どうして……あなた、その格好」
「あたしもなんか分かんないけど、気が付いたらこの格好でここにいてさー。わけ分かんない、って思ってたら、メニュー取りにいってって言われて。まあ、みんな忙しいみたいだし? ほかの店員のまねごとしてたら、結構うまくいっちゃってさ。なんか、面白いじゃん? ってなってるとこ」
笑って、じゅんはこほっと空咳をすると楽しそうに目を輝かせて
「それではお客さま、お席にご案内いたしますね」
と、さゆりを先導して歩きだした。
「ご注文は、何になさいますか? お客さま」
なぜこうなっているのかは脇に置いて。
店員とお客。じゅんはこの、いわゆるなりきりロールプレイを楽しんでいるようだ。
そうと見抜いたさゆりも、乗ることにする。
「そうね。あたしはこの店は初めてだから……何かおすすめはあるかしら?」
「おすすめですか。でしたら、こちらなどはいかがでしょう?」
じゅんが指したのは、メニューの1ページを丸々使ったものだった。
「こちら、この店の看板メニューにもなっていまして、店長が厳選した、その日一番良い品をお出しする商品となっております」
つまり、それが何かはテーブルに運ばれてくるまで分からない、闇鍋企画商品ということだ。
「面白そうね。
じゃあ、これにするわ」
「承りました。すぐにお持ちしますので、少々お待ちください、お客さま」
店員であることを楽しそうに演じているじゅんの後ろ姿に、見ているだけでさゆりも楽しくなってくる。
愛しいじゅんが楽しそうだとさゆりも楽しい。
そうして、ほかのテーブルに運んだり、テーブルを片付けたりと、忙しくも楽しげに働くじゅんの姿を眺める。
『まねごとだけど結構うまくいっている』との言葉どおり、じゅんは手際よくこの店の店員としての仕事をこなしていた。
ちょっとした、取るに足らない小さなポカもたまにあるが、そうしたときも常ににこにこと笑顔で愛嬌のあるチャーミングなじゅんの対応に、そんなじゅんの楽しさが伝染したようにほかの店員やお客たちも笑顔で返していた。
店員も、お客も、みんな優しい。ふんわりとして穏やかな空気が、にぎやかで活気のある店内に広がっている。
(ああ、ここはとてもいいお店だわ)
店の雰囲気に浸るように、さゆりは目を閉じてくつろぐ。
「お客さま、お待たせしました」
やがてじゅんの声がして目を開くと、テーブルに黒と山吹色の羊羹とアイスの乗った皿が置かれていた。
「これは?」
「チョコと百合の練り羊羹です」
黒いほうがチョコで、山吹色のものが百合だろう。
「……百合?」
百合といえばぱっと浮かぶのが白。次点で山百合や鬼百合だ。山吹色のイメージはない。
じゅんはさゆりのつぶやきに「はい」とうなずき、説明を始める。
「こちらには百合の根が使われています。百合根には疲労回復の効能があります。そのほかにも、その独特の香りや口あたりのまろやかさを好まれるお客さまが大勢いらっしゃいまして、当店でも人気の品となっております」
立板に水のごとき口上だった。それだけ何度も口にしてきたのだろう。
「そう。それは楽しみね」
「はい。どうぞご賞味くださいませ」
ちょうど、ほかのテーブルからじゅんを呼ぶ声がかかった。
じゅんはさゆりに頭を下げて、去っていく。
もう少しいてほしいような、向かいに座って一緒に食べてほしいような、そんな思いにかられながらじゅんを見送る。
呼び戻したい。けれど、じゅんが楽しそうにしている姿も眺めていたいのだ。
「ぜいたくかしら」
竹串を取り上げて羊羹を切り分ける。最初に食べたのはチョコの羊羹だ。
とても濃厚で舌触りも良く、上品なチョコの味がする。おいしい。
そして百合羊羹は、じゅんが言ったとおり口あたりが良く、舌触りもなめらかで口溶けが抜群に良かった。
口直しも兼ねて添えられているバニラアイスもひんやりとしておいしい。
やはりじゅんにも食べてほしい、このおいしい気持ちを共有したい、と思う。
でも、今は無理だから。あとで、じゅんが休憩に入ったときにでも、じゅんに食べてもらおう。
そのときにじゅんが見せる反応――目をきらきらさせて、「おいしい!」を連発するに違いない――を想像するだけで、口元がほころぶ。
そのときを楽しみに、さゆりはじゅんを目で追いながら、羊羹を口元へ運んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月16日
参加申し込みの期限
2025年02月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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