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寒い日が続きますが、ホットなチョコなどいかがでしょう?
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◆
綾辻 綾花
それは、恋人の
早川 珪
と2人だけの甘いバレンタインを過ごして、珪のぬくもりに包まれながら眠りについた夜のことだった。
ガヤガヤと、大勢の人間が好き勝手に話しているような、騒々しくも活気ある周囲の雑音に揺り起こされるように、綾花は意識を浮上させる。ぱちり、目を開くと、そこは和風カフェの中だった。
「え? どうして……?」
ここへ来た記憶がない。最後に覚えているのは、珪の腕の中で満足感に浸ってうっとりと目を閉じたこと。
だけどちゃんと服を着て、テーブルに座って、メニューを開いているということは、自分でここまでやって来たということだろう。
まったく覚えがない。
頭の中が疑問符だらけで硬直していると。
「お客さま、お決まりでしょうか」
耳になじんだ珪の声がして、ほっとした思いで急ぎ振り仰ぐ。
「珪さ……ん……?」
名を呼ぶ声は、珪の姿を見た瞬間、語尾が疑問形になった。
珪はエンジ色をした作務衣風の服を着て、濃茶の腰エプロンを巻いていた。頭には髪を押さえるバンダナキャップ。
珪が普段着るような、スタイリッシュな服ではない。いかにもこの和風カフェに合った、店員の服装だ。
珪がしそうにない、見慣れない格好に言葉を失い、思わず見入ってしまった。
「珪さん、ですよね?」
「そうだよ。何? 僕を忘れた?」
「そんな! そんなことないです! ただ、そのう……」何と言えばいいか、綾花は必死に言葉を探す。「とても新鮮だなと思ったんです。珪さん、そういう服は着ないでしょう?」
「ああ。まあ、そうだね」
珪もざっと自分の服を見回して、首を傾けた。
「変かな?」
綾花はぶんぶんと音がするくらい、勢いよく首を振る。
「とってもすてきです! エプロンも似合ってます! 家でもぜひその服装で給仕してもらいたいくらい!」
力説する綾花に、珪はくすりと笑った。
目が、いたずらっ子のそれのようだ。
「じゃあ今度、そうしようか。きみのために。
それでお客さま、ご注文はお決まりですか?」
「あ、はいっ」
珪の浮かべた表情に、つい、見とれていた綾花は、あわてて手元のメニューに目を落とす。
写真と説明に目を通すが、どれもおいしそうで選べそうにない。
「あの……、珪さんのおすすめは何でしょうか?」
「僕の? そうだね……」
綾花に覆いかぶさるようにして、珪がメニューをのぞき込んできた。
ソファの背もたれをつかんだ腕が肩に触れて、ドキドキする。
恋人同士になって、親密な関係になっても、やっぱりまだ珪の何気ない仕草やふれ合いに胸がきゅうっとなって、動悸が止まらない。きっと、一生こうなんだろうなと思う。
「……がいいかな」
「えっ? あっ、何です?」
珪の横顔に見とれて、聞き逃してしまった。
顔を赤くしてあわてて聞き返してくる綾花のかわいらしさに珪はほほ笑み。「これ」と指さした。
それは抹茶アイスの入った漆器、ショートケーキ、一口サイズの抹茶ときなこのおもちが2つ、それに黒みつのかかわったわらびもちのような物が入ったミニパフェが乗った、横長のプレートだった。
おいしい物が全部詰まって、それでいて白と黒のチョコレートソースで植物のようなとてもきれいな装飾が描かれた逸品だ。
「抹茶が濃くておいしいよ」
「……もしかしてこれ、珪さんが作られたんですか?」
料理が苦手な珪は、残念そうに首を振って身を起こした。
「さすがにお客に出すほどの品は作れないからね。僕がしたのは装飾くらいだよ」
「それでもすごいです! これをください」
「ありがとう。じゃあ、少し待ってね」
メモを取り、テーブルから離れようとする珪の動きに、思わず袖端をつまんでしまう。
「……それと……店員さんも、お願いできますか……?」
ためらいがちな言葉が、口をついた。
きっと、離れがたい思いが表情にも出てしまったのだろう。珪は目を丸くして綾花を見返し、そして深みを増した目でほほ笑むと頭をくしゃりと撫でてきた。
「少し待っていなさい」
優しい手つきで、袖端をつまんだ手を外される。
珪は去り、戻ってきたとき、ケーキのプレートとスプーン、フォークを綾花の前に置くとバンダナキャップを脱ぎながらどさりと向かいのソファに腰掛けた。長い足を組む。
「……大丈夫ですか? お仕事」
「ん? 僕を注文したのはきみだろう?」
「それは、そうですけど……」
「ちゃんと店長の許可はとっているから。食べなさい。溶けてしまうよ」
さらりと、何気ない仕草で前髪に触れられて、綾花はカッとほおが熱くなるのを感じる。隠すようにさっと下を向き、急いで抹茶アイスをすくって口に入れた。
冷たさが気持ちいい。
「甘くて、おいしいです」
「そう。良かったね」
笑いを含んだような言葉の響きに、また一つ胸がときめく。
なかなか面が上げられないまま、食べることに集中しているようなふりをして、前髪の隙間からのぞくように珪を見ると、珪は机にほおづえをついて微笑を浮かべたまま綾花を見つめていた。
「……なんですか? 何か、顔についてます?」
「ん? きみの食べる姿を見ているのが楽しいんだ。とてもおいしそうに食べるから」
「だって、本当においしいんですもの。それに、このチョコレートソースの装飾、とっても繊細できれいで……目で食べるって言いますよね。見ているだけで、おなかいっぱいになりそう」
珪の作品だと思うと、それだけで愛しくて。崩せない。
ソースのかかったおもちを、そっと持ち上げて、できるだけソースの装飾を崩さないで食べた。
「おや? じゃあこれは余計なことだったかな?」
「え?」
顔を上げると、他の店員が運んできた物を珪が受け取っているところだった。
皿の上でぷるんぷるんと揺れているのは、かわいい猫の形をした黒ごまプリンだ。生クリームと真っ赤なサクランボが横に乗っている。
「わあ。かわいい」
こんなのメニューにあったっけ? と思う。
もしかするとまかないメニューか、一般には出さない試作スイーツなのかもしれない。
「甘さ控えめに作ったから、甘い物を食べたあとでも食べやすいと思うよ。
それとも、もうおなかいっぱいかな? いらなかった?」
さりげなく言われた言葉に、これが珪の手作りと知った綾花は、とびつくように皿の片側をしっかり両手でつかんだ。
「いります! 入ります!」
綾花の剣幕に、珪がくすくすと笑う。
「では、召し上がれ」
これは夢だと、今では分かっているけれど、夢の中でも珪は、ちょっと意地悪で、ものすごく優しい。
料理まで、料理人に似るのだろうか。口に入れた瞬間、カラメルのほろ苦さと黒ごまの甘みが広がってとろける、このプリンのようだと綾花は思う。
「このプリン、意外とワインにも合いそうですね」
そう、感想を述べながら、綾花はこの幸せな時間を堪能したのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月16日
参加申し込みの期限
2025年02月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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