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続・『ねこのしま』にて
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「あらためて、梅のこと、本当にありがとうございました。」
座ったまま幸次は頭を下げる。できるだけ深く。
梅のことで冱子に連絡を取った
とき
、冱子は理由や状況を訊くより先に「わかった。連れてきて」と了承した。一も二もなく受け入れてくれたのだ。感謝しかない。
「生まれてすぐの子猫を人間の手で育てるなら、やることはたくさんありますよね。数時間おきにミルクをあげるとか、病院での診察とか……」
「私は慣れているから」と何でもないことのように冱子は言うのだが、それで納得できる幸次ではない。
「自分で保護しておいて、それができないからと鈴木さんたちに押し付けてしまった、厚意に甘えてしまった――そう思っています」
冱子が何か言う前に、幸次はジャケットに手を伸ばし内ポケットから茶封筒を取り出した。ずっと持ち歩いていたせいか、封筒にはしわがよっている。
「それで、あの、少ないかもしれないですけど猫のミルク代とかタオル代とか色々のお金持ってきました。受け取ってもらえませんか?」
ラブレターを渡す中学生のように、両手で封筒を冱子に差し出した。
幸次がバイトして作った金銭だ。親の助けは借りていない。
しばらく冱子は、黙って封筒を見つめていた。
だが、ややあって、
「……いただくわ」
と封筒を受け取ったのである。
「本当はね、幸次君。『必要ない』と断ることも考えた。でもそれは、さっき私があなたに言った『覚悟』を鈍らせてしまうかもしれないと思った。正直、経営状態も良くないの。だからありがたく受け取ることにします」
中身を確認することなく、冱子は封筒をエプロンのポケットにしまった。
それを聞いて幸次が安堵したのは事実だ。常識的な金額にしたつもりだが、冱子が受けてくれた苦労を考えればこれでも少ないくらいだとは思う。
梅についてはひと段落ついたと言えよう。
いよいよ、もうひとつの話題に入るべきタイミングのようだ。
「さっき聞いたんですけど」と幸次は切り出した。「百瀬さん、近いうちにやめられるそうですね」
「そうなの。ほがらかでいい人だし、立ち上げ当時からのメンバーでもあって残念に思ってる。とても」
「だから……ってわけじゃないんですけど」
立つなと言われたってここで立たないわけにはいかない。幸次はほとんど無意識のうちに立ち上がっていた。
「アルバイトの申し込みできませんか? 俺が」
冱子は、驚いたように幸次を見た。予期せぬ発言だったのだろう。つづいて冱子の目はやわらかくなったがわずか一瞬のことで、すぐに幻(まぼろし)のように消え失せた。
勝算、とまでは言わないまでも、百瀬の言葉もあったから、幸次は否定的な回答を想像していなかった。
それゆえ冱子が、「残念だけど……」と切り出したことには心底驚いた。まるで、きらびやかなリボンのついた箱を開けたら、中身はただの包装紙だったかのように。
「百瀬さんが故郷に帰るのは本当。人手に困るのもまちがいない」
だったら俺に問題が……、と問いかけた幸次を制するように冱子はつづけた。
「もちろん、万条君なら歓迎したいところ。むしろあなたなら、こちらからバイトに来てってお願いしたいくらい」
「だったらどうして……」
冱子がこたえる前にドアが開いた。
「ご案内します」
成子 瑛美
(なるこ・えいみ)に導かれて、客が入ってきたのだった。一人だ。中年男性。あきらかにオーバーサイズでぶかぶかのスーツ、それも長年の疲れが染みこんだようなものを着ており、小柄で猫背のせいか、少し頼りなげに見える。
「お世話になります」
分厚い眼鏡の奥から男は愛想笑いを浮かべたが、どこか骸骨めいていた。
常連の人だ。
幸次は彼に見覚えがあった。『ねこのしま』が好きで、よく来ているらしい。たしか名前は――。
「根積さん」冱子が呼びかけた。「いらっしゃいませ」
あれ?
幸次の眉がわずかに動いた。
根積の登場と同時に、冱子の表情が光を取りもどしたかのように明るくなったのだ。
まさか鈴木さんの恋人? いやいや、ふたまわりくらい年上の人じゃない。それはないよ、ナイスミドルっていうのならまだしもあんなくたびれたおじさんだし……って、失礼すぎるか。恋にルールはないし、決めつけもよくない! 反省!
と幸次の脳裏にはつぎつぎと言葉が浮かんだり消えたりしているわけだが、よく見るとそういう、色っぽい雰囲気でもないように思う。
なんていうか、親子っぽいというか。
もしかしてあの人、鈴木さんのお父さんだったりするのかな……?
「また来てしまいました。コーラでお願いします」
「はい」
さっと冱子は冷蔵庫に向かう。そのやりとりにも、恋愛関係ではなくアットホームなものを幸次は感じている。
「小倉さん、いますか?」
「ええ、たぶん奥の部屋に」
「だったらきっと手すりの上だ。あそこがお気に入りみたいですからねえ」
冱子の手から冷えたグラスを受け取ると、ひょうひょうと根積は視界から消えた。黒猫の小倉に挨拶しに行くのだろう。猫好きの人に悪い人はいないと幸次は思う。なのできっと、あの寝積さんという人も悪い人ではあるまい。
「ごゆっくり」
根積を見送ると、冱子は元の席にもどった。
「成子さんも来て」瑛美を呼び止める。「いい機会だから話しておきたい」
「えっ、なんのことですか?」
瑛美はきょとんとした顔で冱子のそばに立った。
「いま、万条君に話すところだったんだけど」
一秒ほど、間をおいてから冱子は言った。
「店を閉める考えよ。法人ごと」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月08日
参加申し込みの期限
2025年02月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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