ねこねこ記者と、ののこがいる未来｜リアクション

ねこねこ記者と、ののこがいる未来

ねこねこ記者と、グラドルの理緒ちゃん紗月ちゃん

「はいっおじさん。これで全部拾ったよ」
「トラックからオレンジが転がり出ちゃうなんて災難でしたね」
　理緒ちゃんと紗月ちゃんが運転手のおじさんに声をかけてるにゃ。
　みんなで盛大に転がったオレンジを拾って、トラックに積みなおすのオレンジをを手伝っているうち、ののこちゃんたちのひよこかすてらで膨れたおなかが、もとに戻ってきたようにゃ。
　運転手さんは何度も頭を下げてお詫びを言ってから、お礼にとオレンジをひとつずつくれて、さようならと去って行ったにゃ。
　そうしてようやく、理緒ちゃんはののこに声をかけたにゃ。
「ののこ、おひさー。ほかのみんなもののこの同級生だよね。こんにちはー」
「うわー！　今日はなんていい日なんだろう！　こんなところで会えるなんての連続だよ！」
　ののこは理緒ちゃんと紗月ちゃんに物怖じなく抱きついて、それからみんなに紹介したにゃ。
「このふたりは理緒センパイと紗月センパイ！　木天蓼大学に通いながら『グラドル』ってお仕事をしててねー、このまえ写真集も出たんだよー！」
　ほほう、すごいなあ、とうなずいている修くんと英二くん。ふたりとも一途な相手がいるからか、意外に冷静にゃけど、あおいちゃんはポっと頬を染めているにゃ。
「初瀬川理緒さんと佐和崎紗月さんてたしかニュースに……」

「そ。あたしたち付き合ってるの」
「それをウリにしているわけじゃないけれど……隠しているわけでもないわ」

　恋人つなぎで手をつなぎ、肩を寄せ合う理緒ちゃんと紗月ちゃんはとっても幸せそうにゃ。
　紗月ちゃんファンの吾輩としては嬉しいような複雑なような……。
「気持ち悪かったりする？」
「いいえ、むしろ素敵だなって」
　あおいちゃんは憧れのまなざしでふたりを見てるにゃ。
　ありがと、と理緒ちゃんがほほ笑むと、ののこちゃんがあおいちゃんに言ったにゃ。
「ふたりの写真集も、とーっても素敵なんだよー」
「ののこちゃん、見てくれたの？」
　紗月ちゃんがびっくりして聞くと、ののこちゃんはドヤ顔で答えたにゃ。
「もちろん！　同じ学校の先輩が写真集を出したなんてすごいもん！　記念に、ちゃーんと発売日に買ったんだから！」
「そうなのね。少し恥ずかしいけど、ありがとう」
「ののこはリップサービスできるような子じゃないもんね。ちなみに、どれが良かった？」
　理緒ちゃんが聞くと、ののこちゃんはしばらく「んー」と記憶をたどってから言ったにゃ。
「二人で波打ち際で抱き合ってるところ！」
　理緒ちゃんと紗月ちゃんは顔を見合わせ、あの写真ね、と手を打ち合わせて――

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