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にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 富士編
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●妖精の国
無人の図書館を歩いている。
学校の図書館だと思う。たぶん。
しかし学校の図書館ではないのだ。いくら歩いても行き止まりはなく、左右に延々と壁のような書架がつづくのみだった。
恵御納 夏朝
はひとりきり、ひたすらに図書館を歩いている。
ほこりが落ちる音すら、聞こえそうなほどの静寂のなかを歩いている。
書架の影は薄暗い天井の灯りを受けてゆがみ、何かが這い出そうとするかのようにゆらめいていた。沈殿した空気が濃密に感じられ、自身の心音が耳の奥に異様に響いた。
……?
沈黙を破るものがあった。
どこからともなく、かすかな音が聞こえたのだ。
最初は自分の足音かと思ったが、歩調は微妙にずれていた。誰もいないはずのこの場所で、何かがじっと見つめているような気配が背筋を撫でる。
でも僕は。
夏朝は唇を結んだ。
歩みを止めるわけには、いかないよ。
やがて夏朝の行く手に、小さな書架があらわれた。万里の長城ほどもあるこれまでの書架とはちがう、せいぜい腰あたりまでの高さしかなかった。収まっている本も一冊だけだ。
夏朝は迷わず本を手にした。
無地、太陽のようなオレンジ色の表紙。しかし裏表紙は、黒に近い濃紺だ。背表紙もそのふたつの色がグラデーションをなしている。
そっと本を開く。ぱらぱらとページがめくられる音が、館内に鈍く谺(こだま)した。
だが中身を見ようとした瞬間、ページ全体がざらりと黒い砂のように崩れ落ちた。文字は蛇のようにうねりながら、砂となって消えていく。
……え?
砂の粒子が指先を滑り落ち、足元に溜まっていった。両手にあるのは本の残骸にすぎなかったが、それすら砂へと変化していき、やがてなくなった。
しかしそれで終わりではなかった。こぼれ落ちた砂が宙を舞いはじめたのだ。粒子が絡み合い、闇の中で螺旋を描きながら膨れ上がっていく。意思を持つようにざわめき、巨大な渦となって夏朝の周囲をつつみこんだ。
渦の中心から冷たい風が吹き荒れた。風は夏朝の髪を吹き上げ、砂の残骸を絡め取りながら図書館全体へ拡大する。部屋全体がぐにゃりとたわみ、書架が遠ざかるように視界から消えていった。
そして世界は、音もなく崩壊した。
――!
気がついたとき、すさまじい音と風はやんでいた。
目を開いた夏朝は、周囲の光景が一変したことを知った。
ここは?
足元は沈黙する湖の水面だった。夏朝はそのただなかに佇立していた。水は浅く、せいぜい足首のあたりまでしかない。闇のような空に星は見あたらず、ぼうっと白い月だけが浮かんでいた。
「ここって、どこ……?」
問いかける声は反響し、足元の水面に淡い波紋を描いた。波紋が広がるたび、湖全体が応えるように低く震え、どこからか囁き声のような音が聞えてきた。実際には言葉ではなく、金管楽器の低音なのだろうか。無数の者たちが何かを伝えようとするようであり、同時にどこか怯えているようにも感じられた。
じゃぶじゃぶと水を跳ねながら夏朝は進んだ。どこを目指しているわけでもないのに、足はためらいなく前へと動いた。
水面に揺れる月の光が、彼女の影を分かつように伸びていく。空気は冷たく湿っていたが、不思議と心は静かだった。
ふと、湖の中央に一筋の光が立ち上るのが見えた。糸のように細い光だったが、近づくにつれ大きくなっていった。
やがて光の中から現れたのは、ひとりの妖精だった。
彼女の細い腕は新雪を思わせ、トンボのような半透明の羽は、夜露をまとった蜘蛛の糸のように揺れている。月光を吸ったのか淡く輝いており、どこか温かな安らぎを感じさせた。背丈は夏朝の三分の一もない。
妖精は薄く笑みを浮かべ、夏朝に向かって腕をひろげた。
「ようこそ、影の底へ。あなたを待っていました」
「え? 僕を?」
「はい」
妖精がうなずいたので、夏朝の肩の力は抜けた。直感的にだが、信じていい相手だと思った。
「いらっしゃい。あなたに見せたいものがあるのです」
妖精が手招きすると、湖面がざわりと揺れた。水は波を立てながら、いつの間にか細い小道をかたちづくっていた。
道の先に、ぽつんと浮かぶ小さな孤島が見える。
妖精はすうっと浮かび上がり、夏朝を導くように進んでいった。妖精は進むたびに淡い光をふりまき、周囲の闇を少しずつ溶かしていく。
道の終わりにたどり着くと、孤島の空気は湖の冷たさとは異なり、やわらかな温もりが満ちていた。
妖精が振り返る。月光がその姿を縁取るように照らしている。
「さあ、こちらへ」
孤島は小さく見えたが、上陸するとそのひろがりは予想以上で、果てが見えないように感じられた。
湿った草木の香りとやわらかな土の匂いにつつまれる。妖精の案内を受け、夏朝は目前の森へと足を踏み入れた。
目の前に立ちはだかる木々は、年老いた巨人のように曲がりくねり、苔むした幹に象形文字のような模様を浮かびあがらせている。枝葉は空を覆い隠し、わずかな月明かりを無情にも砕いていた。こうなっては妖精の輝きだけが頼りだ。
しかし目標に近づいているという予感があったためか、怖いとは思わなかった。
「妖精さん、ここには何があるのかな?」
夏朝が問いかけると、妖精は浮かびあがって答えた。
「あなたが探しているものがあります」
「僕が探しているもの? なんだろう?」
妖精は小さく笑みを浮かべただけで、それ以上は語らなかった。ただ前方の闇を指さすと、すうっと光の尾を残して飛び去っていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月01日
参加申し込みの期限
2025年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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