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にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 富士編
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夏朝は妖精の指し示した方向へ進んだ。自然に早足になり、ほどなくして駆け足になっている。
どこからか光が漏れているのに気づいたのは、まもなくのことだった。
月光とはちがう。不思議な温かみをもつ光だった。誘われるように足を進めると、森の中央にそびえる巨大な樹の根元に、不思議な鏡が据えられていた。鏡のそばに妖精が待っている。
鏡は他のどこかから切り取られてきたかのように見えた。鏡の周辺だけ、空間が異なる気配を放っている。金張りの縁には古い蔦が幾重にも絡みつき、長い年月の痕跡を物語っていた。蔦には小さな花が咲き、かすかに発光している。
鏡面は水銀のようになめらかで、周囲の木々や葉の影を吸いこむように反射している。だが、よく見るとその奥に、わずかな波紋がひろがっているのがわかった。波紋は見つめるほどにゆらめき、鏡が呼吸をしているかのような錯覚さえおぼえる。
「これが……?」
鏡の前に立つ夏朝は、自分が何か大きな存在に見つめられている感覚にとらわれた。
夏朝は鏡に近づき、のぞきこんだ。しかし鏡には、森のほかは何も映っていなかった。夏朝が存在していないかのように。
「妖精さん、これってどういうことなの?」
問いかけに応じて妖精が言う。
「見えませんか? あなたの双子の姉がいます」
「姉!?」
夏朝は驚いて鏡を見直し言葉を失った。何も映っていなかった鏡面に、自分と瓜二つの少女がいるではないか。
だが鏡のなかにいるのは鏡像ではない。
夏朝を見つめ返す『彼女』は、目に生気がなかった。そればかりか、こちらがどんな動きを見せても肖像画のように動かない。
「僕に見えるけど……僕じゃ、ないんだね」
夏朝がようやく口に出すと妖精は一瞬視線を揺らしたが、これまでとは異なる、書き物を読むような口調で答えた。
「そう。彼女は幼いころに妖精の世界に迷い込み、そのまま戻れなくなったんだ」
夏朝は目を見開き、じっと妖精の顔を見つめた。
「どうしてそんなことが起きたのかな?」
妖精はわずかに眉をひそめた。その仕草は、夏朝とどこか似ている。
「……話せば長くなるよ。でも、いまは理由を気にしている時間はない。君がここに来たのは偶然じゃないんだ」
妖精は鏡を差し、かすかに震える声で続けた。
「鏡の中の彼女を解放するには、妖精王の許しが必要だ」
夏朝は息を整え、深呼吸をひとつした。
「わかったよ。僕、姉を連れて帰るために、妖精王に会いに行く!」
森を抜けると光が濃密になった。
やがて夏朝の目の前に、またもや異なる世界がひろがった。空気は透き通り、鮮やかな花々が風に揺れている。空には虹色の鳥が舞い、遠くから聞こえる川のせせらぎはハープの調べのようだった。
「これが……妖精の世界?」
「そう。だけど気をつけて。ここではすべてにルールがあるんだ」
妖精は肩ごしに振り返り、夏朝を見つめた。
最初の試練は迷宮だった。ただの迷路ではない。行く先々で壁に文字があらわれ、謎が次々と出題される。たとえば、『ここを抜ける鍵は心にある。心とは何か?』という問いかけに、夏朝は悩みながらも答えを出した。
「心って、誰かを思いやる気持ちだよね」
答えた瞬間、壁が動いて次の道を示した。妖精は夏朝の言葉に控えめながら賞賛を送った。
「君らしい答えだね」
迷宮を抜けると、猛獣を思わせる巨大な影が夏朝の前にたちはだかった。これがふたつ目の試練だ。影はうなり声をあげながら夏朝に迫った。
夏朝は体を震わせながらも、姉を助けるという一心で影に立ち向かった。
虎かあるいはライオンか。影は猫科の獣のようだった。
……猫科?
ねこか。
夏朝は頬をゆるめた。
「ねこは好きだよ」
これを聞くなり影はみるみる小さくなり、本当の猫ほどの大きさになって「にゃあ」と鳴くと退散してしまった。
「ねこちゃん、行っちゃった」
夏朝は残念がったが、妖精はこらえきれず小さな笑い声を漏らしていた。
いつしか夏朝と妖精は、森のなかの鏡の前に戻ってきている。
「最後の試練は簡単だよ」
妖精が告げた。その声はどこか冷たく、静寂に溶け込むようだった。
「鏡を割れば、君の姉を解放できる。でもね、その代わり君は、あの鏡の中に留まらなくてはいけない」
「僕が、ここに?」
夏朝は、鏡と妖精を交互に見た。
妖精は小さくうなずき、鏡の波打つ表面を指した。
「そうだよ。君が鏡に閉じこめられることで、彼女は自由になれるんだ。彼女がいなくなるのであれば、誰かが彼女の代わりをしなくちゃいけないから」
夏朝は鏡をじっと見つめた。鏡面のなかの『姉』はやはり肖像画のように動かない。
「もし君が選ばなければ、彼女は閉じ込められたままだ。永遠に」
妖精の声は、静かだが確実に夏朝の胸を貫いた。
「……うん」
夏朝は左手のパペットを外した。いつも持ち歩いていた小さな相棒をポエシェットにしまい、両手で拳を作る。
「僕の力で割れるかわからないけど――」
夏朝は息をととのえ、両腕を振り上げた。
その瞬間――森全体が蜃気楼のように揺らめき、鏡も妖精も消え去っていく。
気がついたとき夏朝は、水晶でできた荘厳な宮殿の中央に立っていた。
宮殿の大広間は、夜空を閉じ込めたかのような空間だった。天井には無数の星が輝き、壁面には微細な模様が彫られ、月光のような淡い光が満ちている。
「よくここまで来た、人間の娘よ」
重厚な声が広間を満たすと、玉座から一人の人物がゆっくりと立ち上がった。
「予(よ)は妖精王オーベロン、この世界を治める者だ」
妖精王オーベロンは貴公子然とした姿をしていた。長い銀髪が肩に垂れ、青白い肌は彫刻のように滑らかで冷たい輝きを放っている。背にはアゲハチョウの翅(はね)がひろがり、頭には冠がある。美しいが、近づくことをためらわせるほど峻厳な気配をまとってもいた。
オーベロンはしばらく夏朝を観察していたが、だしぬけにふっと相好を崩した。
「そなたは見事に三つの試練を乗り越えた。特別に許そう。姉を連れて人間界に帰るがよい」
夏朝は、思わず肩の力が抜けそうになったが踏みとどまった。
「妖精王さま、ありがとう。でも……どうして?」
オーベロンはゆるやかに玉座に戻り、背後の翅を揺らめかせた。虹色の光が周囲を満たす。
「われら妖精の世界は、たしかに秩序と規則を重んじる。しかしながら、そなたの純粋な意志と無私の行動は、われらの理(ことわり)を超越したのだ。そなたが鏡に向かい、ためらいもせずに覚悟を示した瞬間、予は理解した。そなたの心の純粋さは、人間界と妖精界の隔たりを埋める鍵となり得る、と」
オーベロンがパチンと指を鳴らすと、小鬼たちがあの鏡を運んできた。
鏡は砕けている。少し遅れて、ずっと夏朝と道中をともにしてきた妖精――いや、夏朝の『姉』が姿を見せた。もう光ってはいない。背丈は夏朝と同じ、顔も生き写しのようだ。それはそうだろう、双子なのだから。
「君だったんだね」
夏朝が問いかけると、少女はうなずいた。
「そうだよ、夏朝」
「姉妹よ、手を取り合うのだ」
オーベロンは告げた。
「さすれば元の世界に戻れよう」
「うん」
夏朝が手を伸ばすと姉も応じた。
光が一気に広間をつつみこんだ――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月01日
参加申し込みの期限
2025年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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