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にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 富士編
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●白い静寂
しんしんと雪が降りつづけている。
棘をもつ綿毛のように、雪が。
冷えた結晶が空から舞いおりるたび、人出の絶えた街は静けさをましていく。
まるで世界が息をひそめて、白銀の幕に怯えているかのように。
芋煮 紅美
は窓辺に肘をついている。霜のおりた窓ごしに、感情を欠いた目で外を見ていた。寒さに覆われた世界はどこか現実ばなれしていて、この世のものとは思えなかった。
紅美は小さな町に住んでいる。齢はまだ十四歳、つやのある漆黒の髪をひとつにたばね、赤いリボンで結んでいた。瞳は青みを帯びた黒だ。紅美はしばしば無意識に、ときに意識して勝ち気な笑みを浮かべるようにしているが、それは誰かの視線を意識したときに限られた。今日のようにひとり、ベッドから身を起したまま外を眺めているとき、紅美の瞳には脆い色しかない。
紅美は幼いころから病弱で、外出はほとんどかなわなかった。日々を窓辺ですごし、外の世界を眺めることで想像をふくらませるのが彼女のささやかな楽しみだった。
その日、紅美はいつものように窓辺で、凍てつく世界を見つめていた。
特別寒い日で、朝からずっと降りやまない。窓枠を額縁に見立てれば、降雪以外のすべてが静止画に思えた。
しかし、
あれ……誰?
紅美は目をこらした。
遠くに見える。ぽつんと、ひとりの少女が雪の中に立っていた。長く白い髪は風に遊ばれ、降り積もる雪と溶け合うようにゆれている。肌は白く、ととのった顔立ちは大人と幼子の中間のよう。背は高くない。いや、低いといったほうがより適切だ。
紅美を驚かせたのは、少女の美しさよりもその服装だった。
薄着、というよりはほとんど下着姿ではないか。胸元には、フリルがあしらわれたやわらかなベージュのトップス、その生地の下からのぞくブラジャーが、双つの果実さながらのふくらみを強調している。ブラジャーは淡いブルーを基調としたハーフカップタイプで、繊細なレースの模様がほどこされていた。下半身には、同じくレースがあしらわれたショーツを身につけており、その上からかろやかな、ペチコートのような薄手の素材がふんわりとのぞいている。ショーツの中心にはさりげなくリボンがかざられており、全体をほんのり甘い印象にまとめていた。半透明のスリップこそかけてはいるが、ほぼ裸であることに変わりはない。当然のように素足だ。
見まちがいではないかと思い、紅美は少女を凝視した。冷たい風の中でその身体が感じるはずの冷たさを、自分の肌で追体験するかのような錯覚があった。
「……寒くないの?」
紅美は思わず口にしていた。ガラス窓は分厚く、彼女の立つ場所には距離がある。きっと声は届いていまい。
凍てついた空気の中でも、少女の瞳は燃えるように鮮やかだった。冬空にも似たその輝きが、一瞬、紅美の目をとらえた。
聞えたの? あたしの声が?
息を呑む。少女がこちらを見ているのか、それともただ遠くを眺めているのかも分からない。ただ、その視線の先に自分がいるという可能性を想うだけで、紅美は心がふるえるのを感じた。
もう紅美には彼女しか見えなかった。
陶器のように白い肌は、ふれれば溶けてしまいそうなほどだ。ブラジャーのレースは星座のように複雑かつ完璧に配置され、細いストラップが華奢な肩をかすめるたび、紅美の胸を高鳴らせる。
紅美の指先に触れる窓ガラスが冷たい。でも目をそらせない。彼女の薄い衣装が、風に吹かれて身体によりそうたび、隠された秘密がほんの少しだけ漏れ出すようで、紅美の胸はきゅっと締めつけられた。
美しいという言葉では足りない。目の前の少女には、もっと別の何か――もっと深く、もっと危ういものが宿っていると思った。
――!
少女がほほえんだように見えた。
ほんの一瞬のことだった。なのに、それだけで紅美の頬は熱く染まった。
誰なの?
なぜこんな場所にいるのか。どこから来たのか。問いがつぎつぎに湧き起こる。
わかることは、ふたつだけだ。
ひとつは、あの少女がこの世界に属さない『何か』であるということ。
そしてもうひとつは、その存在が、紅美の心を音もなく、けれど確実にかき乱しているということ。
行ってしまう。
直感が、紅美の中に生まれた。
まさか心を読んだわけでもあるまいに、白い髪の少女はふいに身をひるがえし、雪の中を歩き出す。
一歩、また一歩、羽毛のように軽やかな足取りは、雪にほとんど痕跡を残さない。少女はまるで、この世界に触れらることを拒んでいるかのようだった。
待って。
紅美の心が叫ぶ。言葉にならない願いが、胸の奥で蛇のようにのたうつ。
「待って!」
想いが声となって飛び出した。
けれど、少女は何もこたえなかった。振り返ることもなく、ただ静かに歩みを進めていく。
紅美は窓ガラスに手を押し当てていた。無機質なガラスの感触が、熱をおびた指先にしみこむ。だがそれが紅美の胸の内の嵐を鎮(しず)めることはなかった。
少女の背中は次第に遠ざかっていく。
だしぬけに強い風が吹いた。ぱっ、と雪が粉を吹いたように舞い上がった。
紅美は目を細め、手を広げて窓を叩いた。
視界が晴れたとき、少女の姿はもうどこにもなかった。
窓の外には、白い静寂だけが残されていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月01日
参加申し込みの期限
2025年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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