this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 富士編
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
紅美はベッドから飛び出すと、この季節一度も袖を通していない赤い外套を手さぐりでつかんだ。コートの感触は冷たく、体温を吸い取るようだった。
けれども立ち上がった瞬間、鈍い眩暈(めまい)を覚えてぐらりと身体をゆらした。
「っ……!」
手近な壁にしがみつきながら、紅美は奥歯を噛みしめた。
体調はすぐれない。わかっている。病弱な自分の身で、この雪の中に飛び出すのがどれほど危険なのかも。凍てつく風は肌を刺し、寒さは骨の髄まで到達するだろう。病状が悪化すればどうなるか……そんなことは考えるまでもない。
それでも。
あの子を黙って行かせるなんて――それだけは許せなかった。
迷ってなどいられない。震える指先で赤いダッフルコートのボタンをひとつひとつ留めていく。止まりそうな心臓に鞭打つように、紅美は気持ちを奮い立たせていた。
そのときだ。不意に扉をノックする音が響いたのだ。二回。
軽やかな、それでいて意志を感じる音だった。
紅美は顔を上げた。
あの子だ!
確信がとともに紅美はドアノブに手を伸ばした。思うように力が入らない。それでも、期待に胸を躍らせながらぐいと扉を引いた。
期待が裏切られることはなかった。
紅美の目の前には、窓の外にいた少女が立っていた。裸に近い薄着のまま。冷たい冬の空気をまとった姿は、雪景色が具現化したようだ。
「こんにちは、紅美」
少女は言った。
「なんで……あたしの名前を知ってんの?」
胸の奥が跳ねるように高鳴るのを感じながら、紅美は眉をひそめた。わざと冷たい声を出したのは、自分の動揺を隠したかったからだ。
「そもそもあんた、誰よ」
意思に反して突っ張ってしまう。損な性分なのは自覚しているが、紅美は強がることをやめられなかった。
真白は少し困ったような目をしたが、ほほえみを崩さなかった。
「私の名前は真白。
白 真白
。ずっと、あなたを見ていたの」
どこか遠い記憶にふれるような、不思議な懐かしさのある口調だった。
「ずっとって……どういう意味?」
紅美は問い詰めるように言葉を重ねたが、その声音にはビブラートがかかっていた。
紅美は目の前の少女の瞳を見つめながら、かすかにあごを上げる。本当は嬉しい。あの子が自分に会いに来てくれた、その事実が。けれどそれを表に出すのはどうしても恥ずかしかった。
「ずっとは、『ずっと』って意味だよ」
真白の白銀の髪が北風にひるがえった。
「とりあえず入れば? こんな寒いところで立ってられないでしょ」
紅美は真白を部屋に招き入れた。
温かな部屋の中には、山奥の湖畔のような静けさがあった。けれども同時に、どこか甘やかな緊張が張りつめていた。
紅美は自分のベッドサイドに腰かけ、真白をじっと見つめている。
真白はそんな紅美の視線を避けるように丸椅子に座って、小さな両手でマグカップを握っていた。ホットミルク、紅美がいれたものだ。真白の白い指がカップの縁をなぞる仕草は、誘うように意識的なものが感じられ、紅美の胸を乱す。
紅美は、内側から湧き上がる感覚に戸惑っていた。この部屋の暖かさが、ただの室温のせいではないことをもう理解している。
「さっきの、なんだったの?」
ようやく紅美が口を開いたのは、数分もすぎたころだったろうか。
「何が?」
真白はにこりと、まるで問いの意味をはぐらかすように答える。
「遠ざかっていったはずなのに、どうやってここに来たの?」
真白はゆっくりと顔を上げ、紅美の目を見つめた。瞳の奥には、夜空の星がまたたくような光がやどっている。
紅美は気がついた。
真白の眸(め)って、左右の色がちがうんだ。
左目の焦点はたしかに紅美に合ってはいるが、右目はちがう。薄い膜のようなものがかかっていて、ここではないどこかを見ているように思えた。
「私はね」と真白は言った。「夢みたいなものなの」
紅美の眉が動く。けれど紅美は、真白に問い返すことはしなかった。問いを飲みこんだのは、真白の表情があまりにも儚(はかな)げだったからだ。
「じゃあ、いまここにいるのも夢ってこと?」
「そうだったら、紅美はどうする?」
「どうするって……」
紅美の頬には、かすかな赤みがさしていた。
真白はカップを置き、立って紅美の隣に腰を下ろした。手をほんの少し伸ばせばふれあえるほどの距離だ。
「ところで紅美はまだ、私に訊きたいことがあるんじゃない?」
真白の言葉は、耳元で囁くようにひびいた。
「訊きたい、こと?」
「そう」
わかっているくせに――と告げたい気持ちを紅美はおさえた。どうしても、あたしに言わせたいんだね。
だが数秒の逡巡のすえ、素直になろう、と決めて紅美は言った。
「寒くないの? その格好」
「寒いよ」
だから、と真白は言った。
「暖めてほしい」
言葉とともに、真白は紅美の頬にふれた。ひやりとした指先が、紅美の火照った肌をなでる。紅美は驚いて顔をそむけようとしたが、真白の指は優しくそれを妨げた。
「紅美、私のこと、嫌い?」
真白は、禁断の果実をすすめるような微笑で紅美を見つめる。
「……嫌いじゃないよ」
紅美は視線をそらしながら答えた。言葉を聞いた真白の笑みは、よりやわらかく、より深いものになった。
「だったら――」
と言いかけた真白の唇を、紅美の唇がふさいでいる。
甘くて長い口づけだった。舌と舌が、二匹の蛇のようにからみあった。
唇をはなした真白が言った最初の言葉は、
「ごめんね紅ちゃん、病弱って設定だったのにこんなことさせて」
だった。
設定?
……なんだよもー、ダイナシだよそういうメタなセリフはー。
頭をかきながら真白は目ざめた。抱きしめた感触があるのは紅美の体ではなく枕だ。
自分の体を見てぎょっとする。
「え、なんで夢の中と同じ格好――!?」
真白は慌てて布団をかぶった。
ああそうか、新しい下着を通販で買って……。
試着してはしゃいでたのに、いつの間にか寝落ちしたということか。
夢だったというわけだ。
「……もうちょっと寝ててもよかったかな」
真白は枕を抱きしめながらごろごろする。しかしどれだけ期待しても、都合よく夢のつづきがおとずれたりはしなかった。
夢は逃げ足が速い。追いつくには、もう一眠りくらいじゃ足りないらしい。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
にょろっと巳(み)ラクル!新春☆初夢フェア2025 富士編
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月01日
参加申し込みの期限
2025年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!