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眼前の光景に、虚を突かれて
万条 幸次
は、しばし呆然と立ち尽くした。どう見てもそれは、星幽塔のもの――ねこぴょんの日から来れない事が続いていた、来たくてたまらなかった場所。
だが――自分は確かに、自室に居たはずなのに――?
なぜ自分がいきなり星幽塔にやって来たのか、判らずただ瞬いていた幸次はだが、はっと我に返ると急いで相棒を呼び出そうとする。
「ブロゥ!」
――ガゥ!
果たして、幸次の相棒ブロゥ――ブロケイドはその呼び声に応え、姿を現し。その、変わらぬ姿に泣きたいほどの安堵を覚え、幸次は全力でブロゥの頭をわしゃわしゃ撫で回した。
◆
その日、幸次は自室で愛猫・花遊と転がりながら、星幽塔へと想いを馳せていた。
(今日も行けなかったな……)
ごろん、ごろんと転がる幸次の横で、花遊はのんびりとお昼寝中。その毛並みをぼんやり眺めてまた、細く、深いため息を吐く。
――ねこぴょんの日以降、神魂が失われた影響だろうか、星幽塔や霊界に行けない事が続いていた。冷静に考えてみれば当たり前なのかもしれないが、幸次にとってそれは、酷く悲しい。
(ブロゥ……)
星幽塔に居る、幸次の星の力を実体化させた相棒を、想う。今の幸次にとって、星幽塔に行きたい気持ちの中の大半を、相棒ブロゥに会いたい想いが大半を占めていた。
初めましては――正直な所、あまり良くはなかったけれども。星幽塔では星の力を実体化させ、チビドラゴンやペガサスにして乗りこなせるらしい! と聞けばそりゃあ、期待するのが少年心というものだったから。
まして幸次の星幽塔での力は『騎士の光(桃)』、これはさぞかしかっこいい生き物が出て来るのではないかと、わくわく呼び出してみたのがブロゥ――立派なたてがみの雄ライオンであった。
「……え、これ乗れる?」
思わずそう零したのは、許して欲しい。だが、考えてみればライオンと言っても星の力が関わっているのだし、何より自身の対猫テクニックであれば手名付けられるに違いない。
そう、半ばは自分に言い聞かせながら幸次は、まずは挨拶から、とライオンへそっと手を伸ばし。
「えーっと初めまして、俺は万条幸次。これからよろしく……」
――ガウッ!
とても元気の良いお返事に、目を丸くする余裕すらなくなった。――え、なんか頭、痛いんだけど?
そう、幸次の頭はぱっくりと大きく口を開けたライオンに、ガジガジと咥えられていた。ガジガジ、ガジガジ、と咥えられる刺激がとても、痛い。
たらり、視界に赤黒いものが流れてくるに至って、あの、と幸次はライオンへと訴えた。
「もうちょっと優しく……いや体大きいんだから子猫のノリで乗ってくるなって……ぎゃあああああ!?」
――グルルルルッ!
だが、そんな幸次の訴えも空しくライオンは、ご機嫌に唸りながら――そう、あれは後から思い返せば猫が喉を鳴らすアレと同じ、ご機嫌な唸り声だった――幸次の頭を噛み噛みし続けたのだった。
◆
「あれは……正直痛かったぞ……」
当時の事を思い出し、幸次は知らず遠い瞳になった。グル? と手の中のブロゥが愛らしい素振りで首を傾げたが、口元の鋭い牙は悲しいかな、肉食獣のそれである。
くすっ、と笑って幸次はまた、わしゃわしゃとブロゥの頭を撫でまわした。ようやくやって来れた星幽塔、ようやく再会出来た相棒――その事実に知らず知らず、ブロゥとの思い出が走馬灯のように蘇って来てしまう。
見た目こそ立派な成獣のブロゥは、だが幸次のろっこんで話してみれば中身はまだまだ子供で、初対面のアレだって仔猫の甘噛みのようなものだった。が、やっぱり身体は成獣のそれなので、毎回甘えられるたびに幸次は血だるまになったりならなかったりするのが困りもの。
今も幸次の手の下で、スリスリと仔猫のように甘えて来るブロゥはだが、ひとたび戦闘となれば頼もしい相棒で。ちゃんと幸次の指示も理解するし、その通りに行動してくれるし、時には別行動で雑魚を蹴散らしたりもしてくれる、心強い存在だった。
(一緒に強くなろうって、約束したのに、な)
星幽塔で1番のライオンとライオン乗りになろうと約束したのは、いつの事だったか。あの約束はまだちゃんと幸次の胸に、しっかりと刻まれているのに。
――ブロゥ、と申し訳なさで胸をいっぱいにしながら、呟いた。
「ごめん、俺もう来られなくなりそうなんだ」
懐かしい思い出が募れば募るほど、申し訳なさに胸が潰されそうになった幸次に。ブロゥが不思議そうに瞬いた刹那、いつの間にか朱く染まっていた日差しに美しい毛並みが輝いて、金色に輝いた。
ブロゥ――ブロケイド、という名はこの色合いに由来する。英語のBrocade、錦という単語を由来とした名は、相棒を得た幸次が次に会う時までにと必死に考えたものだ。
夕日に当たった毛並みが、高級な織物の如き煌めきで美しかったから。――『故郷に錦を飾る』という故事のように、2人で大成功を収めたいという願いも込めて。
嗚呼、けれども幸次はもう、その願いを――2人の確かな約束を果たす事は出来ないのだ。
「星幽塔で1番になるって約束したのに、守れなくてごめん。……実体化できなければ、君はずっと存在の無いままで、1人ぼっちで……なのに何もできなくてごめん……」
わしゃわしゃと、頭を撫でながら紡ぐ言葉は懺悔であった。ずっとずっと、この言葉を紡ぐためだけに幸次は星幽塔に来て、ブロゥに会いたいと願っていた。
知らず、眼差しが落ちる。そのまま、伏せた瞳を上げられずにいる幸次の脳裏に、不意に声が響いた。
『そんなことないよ』
「――え?」
『星の力は星幽塔じゃないと使えないだけで、その人の中にはずっとあるんだ。ぼくはずっとコージといっしょ。今までもこれからもずっと変わらないから心配しないで』
「――ブロゥ?」
それは確かに、眼前の相棒のもので。呆然と呟いた幸次に、ブロゥがグルルと誇らしげに鳴いた。
◆
「――あれ」
ふと気付がつくと、幸次は自室の床の上に居た。――どうやら眠ってしまっていたらしい。
ゆっくりと身を起こせば、身体中のあちこちが痛い。花遊はどこかに行ってしまったのか、きょろきょろと見回しても姿は見えなかった。
――ブロゥ、と呟けば先ほどまでこの手で撫でていた、あの毛並みが蘇る。否、もしかしたらあまりにも星幽塔に行きた過ぎて、本当に行った夢を見ただけなのかもしれない。
どちらとも、つかなかった。――どちらでも、良かった。
そっと胸に手を当てれば、ブロゥの最後の言葉が蘇る。――うん、と淡く微笑んだ。
(たとえライオンの姿じゃなくても、声が聞こえなくなっても……ブロゥ……君は、ここにいるんだね)
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
4人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月12日
参加申し込みの期限
2024年11月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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