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桜井 ラッセル
は出会いを大切にする。ことさら意識したことはないがどうやらそういうたちであるようだ。
「いやぁ悪ぃね兄ちゃん。忙しかったんじゃないかい? わざわざこんなじじいにこうやって付き合ってくれてよ、いい男だなぁ兄ちゃん」
「んなことねぇッスよ、当然のことをしたまでッス!」
重そうな荷物に難儀する老爺を見かねて手を貸したのが縁だった。彼の住む集合住宅の一室へたどりつくまでの間に話は弾み、多様な会話のラリーが続いた。
老爺はことにサウナがお気に入りだそうである。
「サウナッスか。俺、行ったことねぇなー」
「そうかい。最近じゃサウナブームなんつって、あちこちに新しい店ができてるだろう。店ごとに違ったサービスがあったりしてな、楽しいんだよ。そうだ兄ちゃん、これから行ってみっか? 案内してやるよ!」
「いや、はは。俺は熱いのはちょっと……」
といってその時は丁重に辞退したのだが、ラッセルはそれを少しばかり後悔していた。
人生は一期一会だ。雑談に散りばめられた彼の含蓄ある言葉をいつか思い出して救われるかもしれないし、ちょっと見栄っ張りで気取った爺さんの人を食った笑みにくすりときて、落ち込んだ気分が払拭されることだってあるかもしれない。彼が一心に勧めてくれたサウナだってそうだ。熱いのが苦手なのは本当だが知りもせず無下に断ってしまったのは良くなかった。何だってそうだ、試してみれば存外性に合って楽しいかもしれないのに。
というわけで。
「こ、ここがサウナか……」
旧市街の『ほっこりスパ・またたび』へ足を運んでみた。あの爺さんがことに熱心に勧めてくれた店だ。外観は実に近代的な施設で、掲げられた謳い文句によれば通常のサウナに加え、フィンランド式サウナ、熱した岩盤に水をかける岩サウナもございます。その他マッサージのサービスやラウンジには各種ソフトドリンクの飲み放題、漫画の読み放題、レストランでお食事も。だそうだ。爺さんがいかにも楽しそうに語っていたあれこれの片鱗が伝わってきて、ラッセルの胸はときめいた。
その隙を突かれた。などというといささか語弊もあろうが、少なくともまだ入るとも入らぬとも決めないうちから不意のコンタクトだった。
「おはようございます! 『ほっこりスパ・またたび』、本日もほっこり営業中です! いかがですかー?」
「あ、えっと。俺、サウナって入ったことなくて……」
「大丈夫ですよー、スタッフもいますし分からないことは何でもお尋ねくださいね。はーい、一名様ご案内でーす」
「いやっ、まだ入るとは……!」
とまぁ若干軽薄そうなおじさんスタッフの強引な招致に少しばかり拒否する姿勢も見せたが、結局のところ今日サウナを初体験してみよう、というのはラッセルの中で半ば決定事項のようなものだった。それに人生は一期一会、目の前でにこやかに笑むおじさんの手引きが無ければ踏ん切りがつかなかったか、あるいは別の店を探して街をうろめいていたかもしれない。
「じゃ、じゃあ……よろしくお願いしまッス!」
「ははは、リラックスしてどうぞ! ごゆっくりー」
自分の押しの弱さに一つため息をつきつつも、店の敷居をまたぐその一歩を偉大な前進と位置づけることにした。
「あっつぅぅぅ!?」
サウナ室が擁する膨大な熱にいささか腰が引ける。何とも凄まじい、凄まじいがこれも試練だ、試練を乗り越えた先には新しい世界が待っているのだと熱に浮かされた頭で考えながらにおっかなびっくり入室する。
「……おぉ」
得心した。確かに慣れてくるとこの熱気が心地良い、気がしてくる。
「なるほどなぁ」
スタッフの説明によればサウナ室で無理のないよう身体を温めてから水風呂へ入浴、の流れを数度繰り返した後に外気浴。水分補給をしゆっくりと身体を休めることで、良く聞くところの「ととのう」状態になるのだという。二回目のサウナ室においてはラッセルにもいくらか実感が生まれ、熱気にさらされながら思考にふける余裕ができた。
「…………」
こんな時、ふと思い浮かぶのは
風の精 晴月
の飾らぬ笑みだ。恋人の微笑は何物にも代えがたいが、二人の付き合いには問題もいくつか横たわる。それがいつもラッセルを惑わせる。壁とも障害とも思わぬ気概を持ちたいと常に願っているがままならぬことも無きにしも非ずだ。
例えば晴月が人間ではないこと。導手なるものには何やら成さねばならぬ使命があるらしい……がそれはどちらかといえば些末な事とラッセルは考える。浮世離れした彼女へ人としての価値観、愛やら感情の機微やら教えることにやぶさかではない。むしろ導いてやるべきはラッセルのほうだ。
しかしながら例えばラッセルも遠ざけられぬ問題を抱えていると思えばどうだろう。
「俺は……」
己は誰かを幸せにすることができるのか? 避けられぬ前提として、ラッセルは一度「それ」に失敗している。いや詳しくは言及すまい、悲しくなってくる。しかしながら「それ」は厳然たる事実でありラッセルを惑わせた。
惑うあまりしばし時間を忘れた。
「お客様、そろそろ一度出られたほうが……」
「あ、す、すんませんッス!!」
茹った頭を水風呂で冷やし外気にさらされ涼んでいたら、思考も冴えてきた。どのみち一朝一夕で導かれる答えでもあるまい。きっと長い時間をかけて、何より彼女自身と向き合いながらに突き詰めていくことなのだろう。
頭ではそうと理解しながら心はまだ迷いがわだかまるが、少しは前向きになれた気がしなくもない。これもサウナの効用だろうか。
「っし! マッサージにも挑戦してみるかー」
爽やかな熱気を振り払い、ラッセルは澄んだ心地で歩き出した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月06日
参加申し込みの期限
2024年11月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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