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志波兄弟の日常 feat.KAZE
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まゆの助言のおかげで気持ちが固まり、拓郎は無事に買い出しを終えることができた。
(温かくて消化にいいもの、水分補給は冷たすぎないもの……。えっと、汗もかくだろうから、拭けるものや着替え……それから)
買い物袋から覗く品々を横目で確認し、買い忘れがないことを『緊急時の看病マニュアル』に沿って再確認する。そこには、必要物資やいざというときに相談できる救急窓口の電話番号、それから拓郎でも作れそうな病人食のレシピがまとめられていた。
葱たっぷりのおかゆ、生姜をきかせたトロミのある野菜スープ。どれもが料理に不慣れな拓郎でも挑戦できそうなレシピだし、今の武道には必要な料理だと思う。でも、作ってあげたいかと言われると、何かが違った。
(風邪ひいたとき……って)
明確な記憶が蘇ってきたわけではない。けれど、思わず拓郎は立ち止まって、買い物袋の中身を改める。
あれでもない、これでもなくてと選別するように食材を手にしては、微かな記憶を探っていった。
(これはスポドリの粉、のど飴……そうじゃなくて)
ドラッグストアの袋を半分ほどひっくり返したところで、思い出したようにポケットに突っ込んでいた長いレシートを取り出す。これを見れば、買い物内容は一目瞭然だ。
(ええと、確か……買った、よな?)
パンや牛乳といった手軽に食べられる物から、卵や冷凍食品といった簡単な調理が必要な物まで。武道が元気になった時、しっかりと食べさせなければと買い込んだ食料の中から、目的のものを探し出す。
(……これならなんとかなる、な)
胸を撫で下ろした拓郎は、ひっくり返してしまった荷物を慌てて詰め直すと、急ぎ足でアパートへ戻った。
玄関の鍵をそっと回し、ドアを開ける。
しんっと静まりかえった部屋に、拓郎は僅かに安堵した。
(……寝てる、よな?)
それでもどこかで、掃除の途中で倒れ込んでいるのではないか、はたまた「来ちゃった☆」などと言って、荷物持ちに馳せ参じようとした武道とすれ違ったのでは……と疑念を抱いて、ベッドの様子を確認する。
やはり熱が高いのか、心地よい寝息を立てているとは言い難い。それでも武道は、小さく丸くなって大人しく眠っていた。
(まあ……病人、だもんな……)
当然と言えば、当然の姿なのだけど――そんな弱さを、これまで簡単に見せてはくれなかった。
年の近い兄と弟。互いをコンプレックスとするには十分で、本人的には……そんな簡単なことでも、なくて。
「……よし」
言い訳をするのは後でいい。気を取り直して、拓郎は台所に立った。
冷蔵庫に食材をしまい、これは今使うんだと引っ張りだし、でもまだ寝てるかと再びしまって。何度も扉を開け閉めしたせいで、もしかしたら中の冷気は逃げてしまったかもしれないが、そんなことを気にする余裕など、拓郎にあるわけがなく。
大量の買い物を仕分けし、なんとかしまい込むことに成功した拓郎は、次にゴミを纏め始めた。
といっても、数日使用した形跡のないシンクにはゴミなど溜まっておらず、ここ数日のメイン食料だったのだろうゼリー飲料もいくつかはゴミ箱に入ってある。
(机のほうは……)
念のためとばかりに覗くと、歩くことが億劫になりつつあったのか、散乱する書類に混じって飲みかけのペットボトルやゼリー飲料の空袋が置かれているのが見えた。重い息を吐きながら、それらを片付けていく。
(……こっちのことは、ウザイくらい……世話をやくのに)
どうして自分のことになると、こうなんだ。そんな悪態をつきたくても、今はその時ではないし……そうせざるを得なかった理由も、拓郎は知ってしまった。
双子かと見まがうほどの似た容姿で、変なこだわりなんかも似ている。切っても切れない兄弟なのは明らかなのに、ずっと互いを理解しきれなくてすれ違ってしまった。
そこに申し訳なさがあるとか、取り戻してまで埋めたい隙間があるでもないけれど。
(今日はせめて……自分にも、できること……するか)
散らかっている机上の書類に手を伸ばしかけて、手を引っ込める。気にはなるが、こういう物には触れられたくないはずだ。拓郎は呆れるに留めて、明確にゴミだと分かる物だけ下げることにする。
そうして机から追う形で床へと目をやれば、そこにも書類は散乱していた。机の上なら調べ物の途中であろうとわかるが、なぜ床に散らばっているのだろう。
……確か最初に様子を見に来たときは、ここまで散らかっていたようには思わないのだが。
「う゛、うぅ……」
疑念とともに武道を睨み据えれば、代わりにその枕元にいたカワウソのぬいぐるみが、きゅるきゅるした瞳で訴えてくる。彼の伊達メガネをつけているせいか、妙に癪に障る顔で、拓郎の眉間に皺が寄った。
(…………今回は、大人しく寝てたし)
次はないと言いたげに怒りを飲み込み、拓郎は部屋の掃除をそこそこに台所へ戻る。
そうして――1度閉じ込めたはずの怒りを、盛大な溜息と共に吐き出した。
先程は冷蔵庫や戸棚との格闘で気付かなかったが、台所のあちこちにはご丁寧なメモが並んでいる。
調味料や調理器具の場所、買い置きの場所。それから包丁で怪我をしたら、火を使って火傷をしたらと救急箱の場所を示したメモには心配の言葉まで綴られて……これでは、どちらが看病されているのかわからない。
風邪をひいていようが、武道は武道。ウザイくらいにブラコンを発揮する兄なのだと痛感し、拓郎はもう怒っているのか呆れているのかすらわからなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月08日
参加申し込みの期限
2024年11月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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