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志波兄弟の日常 feat.KAZE
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兄弟揃ってお世話になった先生。それも、身体を資本とする体育科担当だ。
右も左も分からず途方に暮れていた拓郎にとって、まゆの存在は救世主でありヒーローと呼べるほど、心強いものに違いなかった。……まあ、女神と呼ぶのに相応しいのは、もちろん心に決めた彼女1人だけれども。
「う゛っ……お願いだから、無駄にハードル上げないで」
頭上30cmから降ってくる羨望の眼差しに、まゆは居たたまれないような気持ちで制止の声を上げる。
こんなに期待されては、たかだか風邪の看病方法と気を緩められないではないか――そう言いたいのは山々だけれど、今現在も武道が寝込んでいるなら、一刻を争う状況だろう。
まゆは拓郎にスマホを準備させると、すぐに『緊急時の看病マニュアル』を口頭で説明してくれた。
なんなら売り場まで付き添ってくれて、どこに何があるか、ここではなくドラッグストアで買い求めた方が良い物まで、的確に指示をくれる。
「冷蔵庫が空っぽなんて……。ブドーくん、っと、お兄さんの『自分のことは後回し』な所は健在ね」
学校でも遺憾なく爆発させていた、武道のブラコンっぷり。知らぬ者はいないくらいに有名な話は、拓郎を照れと困惑とで閉口させてしまったようだ。
それでも、拓郎は文句を口にしない。今までのように「鬱陶しい」なんて切り捨てることもせず、武道を看病するつもりなのは、まゆにも十分伝わった。この変化は、武道が拓郎を思いやって距離の取り方を改めた……というよりも、きっと拓郎の心境が大きく関わっているのだろう。
2人を担任として見てきたまゆだからわかる、些細な成長。生徒が良い方向に変わっていくのは、いつだって嬉しくも誇らしいと喜んでいる様子が見て取れた。
「……これからも、頑張んなさい!」
見た目だけは幼い顔立ちをしているのに、その微笑みはしっかりと教師の顔で。拓郎も1人の大人として武道の看病を任されたと思って、真剣な顔で頷き返す。
「さて、ちゃんとメモは取れてる? 水分補給と食欲ないときの命綱だから、ゼリーは買っておくこと。それから部屋が近いなら、タオルの予備も持ってく。汗かくし。あとは氷嚢……じゃなくて、冷却ジェルシートかな」
「……? それ、一緒じゃあ……」
要領を得ないという顔で問われ、まゆは苦笑するしかない。
本来は、大人しく氷嚢を頭に置かせてくれればいいのだけれど、きっと武道には無理だろう。
「だってブドーくん、熱あるときに気合で掃除とかしそうだし……」
半分は冗談のつもりで言ったのだけれど、拓郎の顔が段々と渋くなるのを見て、まゆは声をすぼめる。
もしかしたら今日も、体調不良の身体を酷使して所用を済ませたりしていたのだろうか。
「寝かせます。……俺が、絶対……寝かしつけます」
「そ、そう?」
穏便な寝かしつけになるだろうか――まゆの心の中で、一抹の不安が掠めた。
そんな弟の圧、はたまた自身の風邪による悪寒で身震いした武道は、自分の手を見つめ震えていた。
いつもだったら余裕を浮かべている口元も、妙に緊張が滲んで、なんとも言えない微笑みを形作っている。
(……あー、だめだ)
自分の無力さに、絶望しそうだ。
いくら拓郎を思って部屋の換気をしたり、手料理を期待して台所にメモを用意しても、最終的には『拓郎に迷惑をかける』ことは変わりない。その事実は兄として不甲斐なく、甘えることができない……のではなくて。
(……どぉしよっかなぁ、コレ)
ダラダラと内心で滝汗を流しながら、武道は現状を把握する。
・風邪をひいたら換気しなきゃNE☆ → たー坊的に、きっと
○
!
・調味料のメモも必要でしょ?? → たー坊的に、きっと……△寄りの、
○
!
・病気と言えば清潔な環境、お部屋の掃除は必須だよNE☆ → たー坊的に……絶対、確実に
×
!
そこまで弾き出したところで、ようやっと武道は観念した。
(もうこれ何やっても迷惑かけちゃいそうだな)
あとは資料整理で酷く散らかった机を、少しでも綺麗にできればと思っていたのに。盛大に取り落としたファイルからは、せっかく纏めていた書類が飛び出してしまい、パーティ会場を机から床上に鞍替えしたかのように盛り上がっている。
(たー坊は触らないだろうし見てもわかんないだろうけど)
それでも、片付けようとしたのはバレるだろうか。ただでさえ頭が痛いのだから、怒られるのは勘弁してほしいなと思いながら、少ない気力でファイルだけでも拾い上げる。
後ほどの自分へ向けて、進捗を簡潔にメモへ残すと、軽く汗を拭きつつ部屋着から寝巻きに着替えた。
(きつい。……結構しんどいし、さむいし)
病は気からというけれど、そうであれば薬など処方されていないわけで。拓郎にだって、心配もかけてないわけで。
「風邪かぁ」
掠れた声に苦笑いをしながら、武道は氷枕の準備をした。念のため、くらいの気持ちで体温を測ってみると、思いも寄らない数字が出て顔をしかめてしまう。
(こんなに身体弱かったっけ……)
違うと言って欲しい。そう願いを込めて、枕元のカワウソのぬいぐるみをみやるけれど、きゅるるんとした愛くるしい瞳は肯定も否定もせず、「寝るの? 寝るの?」と催促しているように見えた。
だから武道は、今日も付けていた伊達メガネをぬいぐるみにかけてやり、ぽふぽふと撫でる。
(今寝たら……いや、拓郎が帰ってくる頃には、起きよう)
そうすれば、きっと悪夢は見ないはず。
小さな希望をぬいぐるみに託して、武道は丸まって目を瞑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月08日
参加申し込みの期限
2024年11月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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