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野菜を切り、肉を炒め。
水色のエプロンをつけて、手際よく調理する綾花を補佐するように、珪も立ち回った。
ちょっとしたテーブルクロスを敷いて、テーブルに食器をセッティングして。ときにはサラダ用の野菜を水切りなど簡単な作業を手伝い、台所とダイニングを行き来する。
そうやって並ぶ2人の姿は、まるで家族のようだから。まな板の上でトントンとリズムを刻む包丁の音も、綾花には心なしか跳ねて聞こえる。
鍋のふたを開けるとふわりと立ちのぼる湯気、その香りに交じる幸せの予感。
泡立つ鍋の中を覗き込むと、綾花の心にも何かがふつふつと沸き立っている気がした。
「珪さん。あーん」
味加減がどうかのチェックをしてもらったり、閃けば追加で1品作ったりして。
彼に手料理を食べてもらえるのが嬉しくて、綾花の手は止まらない。
(もっと、もっと知ってもらいたい)
料理に込めた想いも、日々の努力も――全部。
それを彼に食べてもらって、少しでも幸せな気持ちにできたらいい。
……そんな溢れる思いも、仕上げをする頃には冷静さを取り戻す。すでにテーブルはいっぱいだ。
「ちょっと、やりすぎましたけど……珪さんに美味しいって言ってもらえたら嬉しいです」
「嬉しいよ。これだけの気持ち、ちゃんと受け取る」
彼の「美味しい」のひと言を想像するだけで、胸がぽかぽかする。
でも、きっと彼が心の底から美味しいと思い安堵するのは、やっぱり生まれ育った家の味だろう。
「いつか、早川家の家庭の味も覚えたいって思ってます」
ぽつりとこぼれた綾花の言葉は、願いのようでいて、少し照れているようでもあった。
これはただの好奇心なんかじゃなくて、珪の人生の一部にもっと触れてみたい、という気持ちであることは、その声音から十分伝わっているようだ。だから珪は、優しく訂正を入れる。
「うん。僕は料理ができないから、それも嬉しいけど……綾花さんの味が、何より嬉しいよ」
彼女が育ってきた綾辻家はもちろん、これから2人で作っていく新しい家庭の味を。
……そんな意味まで含めたかはわからないが、珪はどことなく照れくさそうに笑って、「食べようか」と綾花に席を勧めるのだった。
洗い物を片付けながら、綾花はもうすぐ終わってしまうデートを名残惜しむように、次の提案をする。
「今度は私の部屋も来てくださいね。近いのでふらっと来てくれてもいいんですよ?」
こうして並んで、食器を洗って拭いて。それだけでも嬉しいのだから、これっきりなんてもったいない。綾花は満面の笑みでこう続ける。
「お風呂に入っててもチャイムは聞こえますから……珪さんならいつでも大歓迎です!」
思わず、先の誘いに快諾しようとしていた珪は、大きく咳き込み視線を逸らした。
聞こえたとして、慌ててタオル一枚で応答されたら大変だ――とは、言えない。
かといって、玄関扉越しに「すぐ着替えます!」なんて言われても、その……なんと言えばいいだろう。
「滑ったりしたら危ないから……そのときは、落ち着いてね」
ここで慌てて訂正をいれたら、何を想像したと勘ぐられそうで、珪はふぅっと息を整えて笑うにとどめた。
どうにも綾花はしっかり者に見えて、時折とんでもなく無防備だ。子供っぽい素直さは彼女の良さであり、庇護欲をそそるのも確かなのだけれど、ゆっくりとでも『大人の男と接している』ことを自覚してほしい。
そんな珪の願いは、すぐに届かなくたっていい。この恋が、まだ柔らかな温度を保ったまま、きちんと育っていくくらいの時間は……理性を保っていられる、はずだ。
洗い物も終わって、シンクもダイニングもピカピカにした頃には、そこそこにいい時間だった。
もう綾花が大学生で、家も近所だということを加味すれば、急ぎ帰宅させる時間でもないが、まだ帰路につく人があるうちに帰らせるべきだろう。
けれど、彼女は帰りがたいのか、思い出したと言わんばかりに話題をだす。
「夏のお泊り旅行も楽しみにしてるんですよ。これから、予定立てたりとか……!」
まだ行き先も決まってないし、せめてどんなことをするのかだけでも決めておければと、ここに残れる時間を長引かせようと考える綾花の健気さが、愛おしかった。
でも、これ以上は……まだ。それでも、もう少しだけと珪の中でもせめぎ合う。
「夏まではまだ余裕があるし、今日のところは――」
聞きたくない言葉を紡がれると察してか、綾花はぎゅっと珪に抱きついた。
素直に行動できる彼女が羨ましくもあり、次に飛び出す言葉に少しだけ身構える。
「帰りたくないな……」
高校時代にはもっと会えたのに、今ではそれも叶わない。次のデートまで会えないなら、もっと一緒に居たいと思う気持ちは理解できる。
綾花がついもれた心の声を訂正しないまま、珪も同じ気持ちであれと願う傍らで、珪もまた、腕の中にある愛しい体温へ、去りがたい未練を抱えていた。
理性では区切りをつけるべきと理解している。けれど、強く抱きしめ返してしまったら――それはもう、ただの恋人じゃなくて。『一緒にいたいと決めた、大人』としての覚悟になってしまう。
だから、珪は優しく背中に手を置くことにした。
言葉にはできない気持ちを、ぬくもりの中に忍ばせながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月09日
参加申し込みの期限
2025年05月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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