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大切にクラッチバッグへ入れられていた恋人宣誓書は、いくつか空欄が残っているものの、大事な項目は丁寧な文字で埋められていた。
名前を筆頭に、相手のすきなところ、自分の知ってほしいところ……知りたいと思っていた珪の心の一片が、綾花が先にしたためていた心の隣に記されている。
字の端々に滲む思慮深さや、少し照れたような冗談交じりの表現。至る所に滲む彼らしさが、こうして自身の文字や想いと並ぶことで、いっそう大人の格好良さを際立たせていた。
(探しておくね、なんて言ってたのに……)
余計な折れ目もない宣誓書は、大事に預かってくれていた証拠。
恋人としてちゃんと考えてくれているから、こうして書いてきてくれて……本当に大切に想ってくれているからこそ、これを出すのはほんの少しだけ先延ばし。
「今度は、『やっぱり……』なんて、なしですからね!」
もう待たされてはあげないと、綾花はしっかり珪に言い聞かせる。これには珪も、苦笑いを浮かべながら短く謝るしかない。
けれど、綾花は首を横に振った。欲しい言葉はそれではないと、強く、念を押すように珪を見据えて。
「謝るんじゃなくて、ちゃんと約束してください」
どこか子どもっぽく意地を張るような声音だったけれど、その奥にある気持ちは切実だった。
この先もずっと一緒にいたいなら、そう願うなら……言葉よりも覚悟が必要になるのはわかってる。けれど、それでも――珪と、恋人でありたい気持ちに変わりない。
お互いがそうだと認識し、ささやかな祝福のスタンプをこの宣誓書に受け取って、幸せを分かち合う。その想いは1人で宣誓書を書いたあの日から、いや……きっと珪を好きだと真に自覚したときには決まっていた。
そんな綾花の覚悟を感じ取ってか、珪はふっと真顔に戻って顔を近づけてくる。
「……5月には、出しに来よう。必ず……2人で」
額を合わせるようにして、瞳を覗き込まれた。鼻先が触れる距離は、そのままキスでもしそうな瞬間だけど、綾花はぐっと堪えて流されずに確認する。
「らっ、来年のじゃないですからね? 来月の5月ですからね!」
「ははっ、もちろんだよ」
ふたりで顔を見合わせて笑った頃には、雨もすっかり止んでいたようだ。
しっとり濡れた土や花から立ち上る香りにつられて空をみると、薄く明るい光が雲間から差している。
「それで……鐘は、鳴らしにいく?」
晴れていく天気と打って変わって、珪はばつが悪そうな顔をして綾花の様子を窺っていた。確かに思っていたデートプラントは違ってしまったけれど、彼の気持ちを知った今、もう拗ねてなどいないのに。
「もちろんです! これからも、珪さんと一緒に居られますようにってお願いするんですから」
今日の鐘は、どんな音色がするだろう。
以前と違う音? それとも、恋人宣誓書を出していないからまだ変わらない?
そんな小さな疑問が綾花の胸に浮かぶけれど、2人で奏でた音が互いの中で同じように響いていたらいい。
どちらからともなく手を重ね、再び丘をゆるりと歩き出す。足元の小道も心なしか輝いて見えるくらいには、綾花の不安は払拭されていた。
少し早めに丘を下りたけれど、不思議と心は軽い。
2人で「5月に出そう」と決めた今、胸の内に残るのは晴れやかな期待だけ。だって、少なくとも夏の旅行前には――にこにこと微笑む綾花は、期待を込めて珪の横顔を見上げる。
「夕食、私はワインに合う料理が作ってみたくて……珪さんは今日、どんなワインの気分ですか?」
今日はまだ、デートは終わらない。
スーパーで一緒に買い物して、一緒に夕飯を食べて。ちょっとだけ夫婦みたいな時間に、綾花はドキドキしながらも真剣だ。
まだお酒の飲めない綾花にとって、彼の好きなワインに合うおつまみというのはやっぱり難しい。けれども、彼を喜ばせたいという気持ちから素直に教えを請うことにした。
「僕だけ口にするのも……それなら」
押し問答になりそうな空気を察してか、珪が手に取ったのは黒ブドウ100%のジュース。これならワインに近しい口当たりで、2人で楽しめると微笑む顔は、綾花の心をぐっと掴んだ。
「ノンアルコールタイプでも、ワインはまだ綾花さんに早いからね」
そんな気遣いが優しくて、自然体なのに格好良くて。
こぼれそうになる思いを胸の奥でそっと掬いあげながら、綾花は前を向く。
「それじゃあ、これに合うメニュー、ちゃんと考えないとですね」
スーパーの蛍光灯の下。食材を選びながら、あれこれ会話を交わす平凡な時間。
華やかなものは何もないけれど、こうして彼と一緒にいられることに、特別感が生まれていく。
なぜなら――。
「綾花さん?」
ほら、いまだって。名字じゃなく名前で呼ばれることが、恋人になったと実感できる。
その音の響きが胸の奥でふわりと弾いて、そこから静かに、でも確かに熱が広がっていくような。
とても嬉しく幸せで、綾花はひとつひとつ噛み締めるように微笑んだ。
けれど珪は、そんな綾花の表情に甘えることなく、変わらず誠実な眼差しを向けてくれる。
その真っ直ぐなまなざしに、またひとつ、心が満たされて。
この喜びの風船は、2人で空を旅していけそうなくらい膨らんでいく。
綾花はそんな想像に、ふふっと小さく笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月09日
参加申し込みの期限
2025年05月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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