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今はまだ。それでも今は。
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寝子ヶ浜海岸の見える踏切近くで待ち合わせた2人は、そのまま緩やかに西へと歩き出した。
どこまでも広がる海、光を跳ね返す水面。そして――遠くから聞こえる、波の音や静かに走る電車の音。
日常に溶け込んでいた全ての風景が違って見えるのは、綾花だけだろうか。きっと他人にはわからないし、珪に確認するのも気恥ずかしい。けれど、この気持ちは……彼と寄り添い歩くだけで、全てが特別なものに感じる気持ちには、間違いなんてないと綾花は確信していた。
(こんな時間が、永遠に続けばいいのに)
声には出さない。
ただ微笑んで、珪の手をきゅっと引いてみるだけ。
それでも珪は微笑みを返してくれるから、まだ目的地にも着いていないのに、綾花の胸はいっぱいになる。
少しでも伝わったのかと思うと、また幸せがじわじわと積み重ねられて。
こんな調子の2人に嫉妬してか、時折吹きつける海風はとても強くて。
髪やジャケットを押さえる場面もあったけれど、それすらも2人には笑い合うきっかけとなって、綾花はいつまでたっても緩んだ頬を戻せずにいた。
2人の弾む声は途切れることなく、気づけばもうエノコロ岬。
いつからか恋人たちの丘とも呼ばれるようになっていた一角では、今日も仲睦まじい人たちで溢れている。
(……あのときは、恋人じゃなかったけど)
今は違う。そう思うと嬉しくて、それでいて……ほんの少しだけ、怖い。
思わず綾花は、繋いだ珪の手を握り直し、その腕にきゅっと身体を寄せた。
もう高校生じゃないのに。こんなに満たされているし、ペアリングだって買ったのに。
そうして不安が過ってしまうのは、恋人宣誓書の行方が気になっているのかもしれない。
珪がどんなメッセージを書いてきたのか。忘れずに持ってきてくれたのか、そもそも……書いてくれたのか。
聞きたいことはいくつもある。でも、どれもが上手く言葉にならなくて、喉元で立ち止まったままだ。
「……あのさ」
落ち着きなく様子を伺う綾花を前にして、珪は足を止める。
じろじろと見すぎただろうかと反省をする前に、彼の表情は引き締まっていた。
「大事なことを、伝えたいんだけど」
いつも柔らかな彼の声が、静かに空気を変えていく。
何らかの決意を感じ取った綾花にも一瞬の緊張が走り、世界が無音になりかけた。
けれど――彼は照れくさそうに笑って、でもしっかりと告げる。
「今日の服も、かわいいね」
意外な言葉だった。
身構えていたのが嘘のように、肩の力が抜けていく。
「……珪さんも、素敵ですね!」
いつも本の世界を語る彼には、もっと洒落た言葉で返したいのに。こういうときに限って語彙が追いつかなくて、ただ笑顔を返すことしかできない。
(でも……きっと、これで大丈夫)
素直でシンプルな、自分の気持ち。それが彼に伝われば、十分な気がした。
これからも、何度だって珪のことを好きになる。見つめるたび、言葉を交わすたびに、新しい一面を知って、そのたびに惹かれていく。それでも、伝えたい言葉はきっと変わらない。
この気持ちを言い表すなら、綺麗で難しい言葉を使わなくとも、たった2文字だけでいいはずだから。
微笑み合う2人を包むように、柔らかな風がそよぐ。
近くにあった花々が揺れ、ほんのりと甘い香りが心を落ち着かせてくれた。
「少し、歩こうか。せっかく……デートに来たんだし」
足を止めたことを詫び、珪は再び綾花の手を引いて歩き出す。
何の花だろうねと植え込みを覗き、昼寝中の猫を見つけては目配せをして。そうして丘を巡る綾花は、ふと彼との未来を考えた。
いつかはドキドキしてばかりじゃなく、安心してそばにいられる関係に――そんな未来も、2人なら描けるかもしれない。
(それって、珪さんと……)
家族になる、ということ。
決して今まで考えたことがなかったわけではないが、改めて『恋人』となった今考えると現実味が違う。
まだ付き合ったばかりなのにと首を振り、でもでもと拳に力をいれて。急いては彼だって困るとわかっていても、芽生えた気持ちを否定はできない。
学業が落ち着き、自立をしたら……ちゃんと、珪を支え合えるパートナーになれた、そのときには。
――カラーン、コロロン。
綺麗に鳴れば、良いことが起こるという猫恋の鐘。
主に縁結びのような謂れを持つその鐘は、いつかと同じように透き通った音色を丘に響かせていた。
「今日も鳴らしましょうね!」
無邪気に綾花が微笑むと、珪も優しく頷いて鐘の方へと足を向ける。
けれど――珪の歩みは綾花によって阻まれた。
「先に、恋人宣誓書を出しませんか?」
繋いだ手の指先にこめたその力は、遠慮がちでありながらも切実で、真剣な想いを伝えているようだ。
恥ずかしそうに、でも心の底から幸せそうに微笑む綾花は、コスモスの揺れていたあの日を思い返しながら、改めて珪を真っ直ぐに見つめる。
「私は、『珪さんを幸せにしたい』って気持ちは変わらないです」
あのときは、まだ恋人ではなかったけれど。
あのときは、1人で書くことになったけれど。
迷いのない綾花の瞳に、珪はいつものように優しいまなざしで微笑んでくれた。
――けれど、ほんの少しだけ。どこか苦しげな色を滲ませているように見えたのは、気のせいだろうか?
見逃しそうな一瞬だけ、視線が揺れていた気がする。
「……ごめんね」
ぽつりと、でもしっかりと。
彼が口にしたのは、思ってもみない言葉だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月09日
参加申し込みの期限
2025年05月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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