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走って、探して、気をつけて!? ハッピー・イースター☆
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人混みは嫌いじゃない。
けれど、常に巻かれた首元の包帯や黒いマスクと、色違いのクールな瞳は近寄りがたさがあるのだろう。
それを十二分にわかっている
緋埜 伊吹
は、楽しむ人で溢れるエノコロ岬を日陰から眺めていた。
(……みんな、幸せそうだな)
花畑を駆け回る子供たちに、寄り添って写真を撮る恋人たち。老夫婦も少し歩いては花を愛でるために足を止め、愛犬と散歩に来ている人もいることから、イベントだから賑わっているのではなく、ここが地元の皆に愛された場所なのだと察するのはそう難しくなかった。
時折響く鐘の音は猫恋の鐘と言うそうで、ここの別名が恋人達の丘ということも、はしゃぐ皆々から聞こえてくる。こういうとき、神経質だとイライラするのかもしれないが、伊吹は自分が地獄耳であることを、そう悪いことには感じていない。自己肯定感の低さから人付き合いを避ける面があるものの、その輪の中で雰囲気を楽しむのは、どちらかというと。……マスクの下で、僅かに口元が弧を描く程度には嫌ってなどいないのだ。
場所を変えなくても、人が移り変わるので飽きが来ない。そうしてどれくらい眺めていたのだろう。遠くの方で、今にも破裂する前の風船のような危うさを秘めた小さな呟きが聞こえてきた。
「おとーさん……おかーさん?」
すぐにそちらを見てみれば、幼稚園くらいの男の子が1人で周囲を窺っている。少し距離があるので表情まではわからないが、声の調子から察するに逸れてしまって泣きそうになっているに違いない。
急いで駆け寄ろうとした伊吹は、一瞬躊躇った。助けてあげたいのは山々だが、怯えさせることになっては申し訳ない。それなら、スタッフに迷子がいるようだと伝える方が良いのではないか。
ただでさえ1人で心細いだろうに、こんな――子供から見れば背も高く、クラスメイトからさえも勘違いされやすいくらいスキンシップが苦手な自分が声をかけても、余計怖がられてしまうに違いない。
けれど、スタッフはひっきりなしにやってくる客への対応に追われているし、誰も子供の様子に気付かずにいる。
(…………っ!)
それならば、もう己が助けるしかないと伊吹は覚悟を決める。
声をかけ泣き叫ばれても、お前がうちの子を泣かしたのかと親が戻ってくるなら、万々歳ではないか。
「おい、1人なのか?」
逆光を浴びて威圧感の増した伊吹に、子供は一瞬たじろいだ。けれど、しっかりと目が合うや否や、子供は抱きしめていた怪獣の人形と伊吹を見比べだす。
「すごい! お兄ちゃん、怪獣みたいっ!!」
キラキラとした眼で見上げられるのは初めてな気がして、伊吹は屈んで子供と目線を合わせると、嬉しそうに差し出された人形を見て、ほぼ納得をし、少し困惑した。
(……今日はろっこん、使ってないよな?)
黒い表皮にアイスグレーの瞳、そして赤い炎を吐く怪獣の人形は、伊吹を構成する色合いと似ていた。きっと黒い髪色と、右のアイスグレーの瞳、そして左の赤い瞳が炎のように見えたのだろう。
ここで炎を吐き出せると知れたなら、大問題になりそうな気がして、伊吹は「そうか」とだけ短く答えた。
「あのね、次はたまご探ししようねって言ってたのにね、おとーさんたちが迷子になっちゃってね」
さっきまで、あんなに泣きそうだったというのに。子供というものは、こうも切り替えが早いものかと感心しながら、ひとまず伊吹は機嫌を損ねないように相づちを返す。
「だから怪獣のお兄ちゃん、いっしょにやろっ!」
「うん…………え?」
何がどうなったのかはわからない。気付けば伊吹は子供に手を引かれ、エッグハントの受付に連れて行かれてしまった。編み籠を渡され、お2人で15個までですよと注意事項を聞き――。
「もう、お兄ちゃん真剣に探してる?」
何故か、子供に叱られていた。
(おかしいな……俺は、迷子の子供を助けるために、声をかけたはず……)
探すべきは、この子の親でイースターエッグではない。だから伊吹は周囲を窺い、耳を澄ませ、子供を探している親がいないかと真剣に取り組んでいたのだが。
「ぼく、もう5個も見つけたんだよ! お兄ちゃんはゼロじゃんか!」
「すみません……?」
腑に落ちないが、それはきっと子供も同じなのだろう。折角遊んでくれるのだと思った相手が、ずっと上の空では確かに面白くない。癇癪を起こすのは当然のことだとは思うけれど、なんとなく理不尽に感じるのは気のせいだろうか。
「いーい? たまごはねぇ、上から見てるだけじゃダメなんだよ!」
得意げになって教えてくれる子供を見守りながら、卵探しにも興じてみる。きっと、子供を探す声ならば、余程夢中にならない限り、この耳は拾ってくれるはずだ。
2人で協力すれば早いもので、卵はすぐに15個集まった。これ以上は探せないので受付に戻ろうと促すと、子供は少し落ち込んだように怪獣の人形を抱きしめる。
「卵探ししようって、約束してたんだろ?」
迷子を見ていませんかとスタッフに問い合わせている男女の声が聞こえる。着ている服装の特徴から言って、この子で間違いないだろう。
ほら、と受付を指し示してやると、満面の笑みを浮かべて駆けていく。両親と思しき2人に抱きしめられた子供は、「怪獣のお兄ちゃんと遊んでもらってた!」と嬉しそうに話し出す。
軽く会釈をし、イースターエッグを全て子供が持って帰れるように袋を貰って。それを差し出しながら事情を話せば、両親の不安や警戒心も解けたようだ。
「いっしょに遊んでくれて、ありがとう! 怪獣のお兄ちゃんっ!」
いつまでも大きく手を振ってくれる子供に、小さく手を振り返す伊吹は、端から見れば面倒な子守から解放されたかのように見えていたのかもしれない。
けれど、彼の心の中では――良かったなと笑顔で見送っていたようだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年10月06日
参加申し込みの期限
2024年10月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年10月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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