家族がたり　春風｜リアクション

家族がたり　春風

●俺のにーちゃんの話を聞いて！

　寝子高時代の友人にばったり会った志波武道は、立ち話もなんだからと友人にファミレスに誘われた。
　ピザやポテトをつまんだり、ドリンクバーの飲み物を飲んだりして、いろいろな話で盛り上がる。
　その時、友人が武道の家族はどういった人なのか？　ということを聞いた。
「地元にいるお父さんとお母さん、にーちゃんと弟がいるけど。そういうことを聞きたいということは……聞きたいか俺の弟愛！」
　にーちゃんのことが聞きたい、というので、兄のことを話すことに。
「……うーん、ちょっとだけ思うところもあるんだよね」
　あ、本人には内緒だぜぃ☆　いやホント、言わないでね！？　と釘を刺す。

　コーヒーを一口飲んでから、兄のことを語り始めた。
「うーん、にーちゃんは頼りになるけど、ちょっと苦手意識あるんだよな」
　兄の志波高久とは年齢が離れているのもあるが、苦手な父に似ているので少し構えるところがある。
「あと、俺と違ってにーちゃん強いし凄いしな……。あ、たかにーちゃん競輪選手なんだぜぃ！　太ももはもちろん、鍛えてるからそりゃもうナイスマッスル☆」
　寝子高時代、武道が水泳部に所属していたこと。
　陸上部所属の弟がいるのを知っていたのでアスリート兄弟かと友人は感心する。
「で、にーちゃんが凄かったから、なんだけど……地元の中学、高校に入学したときセンセからなんて言われたと思う？」
　なんて言われてたんだ？　と友人が聞くと
「あの志波の弟か！　だよ？　笑っちゃうよな。にーちゃんの印象強すぎぃ！　んで、よく聞けば裏番長としてヤンチャしてたとかねー！」
　喧嘩売られたり、イザコザを見逃せなかった結果らしいけど、と肩をすくめる武道。
「あと……あー、モテてたなぁ、性別問わず。誰かがトラブル巻き込まれたら助けに行ったり、プレゼントにはお返しをきちんとするし……タラシだよなぁにーちゃん！」
　困っている誰かを助ける優しさとお返しする律儀さがモテる理由なんだろうな、と友人は更に感心。

「あと、俺と弟の喧嘩を拳骨でとめるのはホント勘弁！　暴力いやーん！」
　お父さんに拳骨されたこともあったけど、にーちゃんのほうが回数多かった気がすると言いつつ、武道は頭を撫でる。
　あの時は痛かったなあ、ということを言いたいらしい。
「あー……色々ぶちまけた気がするけど、にーちゃんのこともちゃんと好きだよ。俺の様子が変なときとか気づくし！　隠してても気づくから、見透かされてるようでピェッとなるよ」
　その話を聞いた友人は、高久に隠し事はできなさそうだと思った。
「にーちゃんの話はこれでおしまい。次は弟の話だぜぃ☆」

　話題が高久より豊富なのだろうか。武道の弟がたりは、始まると終わりそうもなかった。

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

ご無沙汰しております。カターレです。
約1年ぶりとなるシナリオガイドにご参加いただき、ありがとうございます。
前回の家族がたりシナリオガイドの公開、4年前でした……。

皆様、各々の家族について語ってくださいました。
大好きな家族。大好きな兄弟。大好きな人の家族と、様々な家族について語っていただきました。
アクション文字数に制限がなかったら、もっとたくさん、ご家族の愛や思いについて語ることができたかもしれませんね。
限りある文字数での家族がたり、ご苦労様でした。

春の日差しのような暖かさ。家族への思いがリアクションに反映されていることを願います。
重ね重ねになりますが、ご参加いただき、ありがとうございます。

またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。

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