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真紅の月
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ここで時間を巻き戻そう。
エレノアと紅美の遭遇より十数時間前に。
ちょ、これ何!? なんかあった!?
アメリカの映画やドラマなら「What happened?」と主人公が言いそうな状況だった。
本日は一日勤務、開店準備もかねて朝早く『クラン=G』を訪れた
七枷 陣
はぎょっとしたのである。
人だかりができているし警察のパトカーが何台か停まっている。近所でガス管の破裂があったかとか、ヨソで起ったことの巻き添えととっさに思ったのはいわゆる正常性バイアス、人間のもっている自己防衛本能であったのかもしれない。
しかし陣の希望的観測は、踏み出す象の足元に置かれたプラモデルのスーパーロボット並にあっさりと砕け散った。
パトカーが横付けしてるの店やし! 『クラン=G』!
泡を食って駆けだし警官に制止され「関係者です、『クラン=G』の店員っ! 今日もバイトの予定でっ!」と陣は声を上げて通された。
入るやたちまち、
「七枷さあああん!」
涙目の
三佐倉 千絵
が、陣の胸に飛びこんでしがみついた。
それから少し遅れて、「What happened?」になった者がもうひとり。
「な……何かあったのかな」
ただならぬ様相を察して
白 真白
は青ざめた。警官隊に野次馬の人だかり、報道記者みたいなのまでいるではないか。
「白くんじゃないか」
ワカメ先輩こと寝子高OB
鷹取 洋二
が声をかけてくれた。真白同様に彼も『クラン=G』の常連である。真白流にいえばクラン人(ないしクラマニヨンズ)仲間ということになろうか。なんだかんだいってよく会うしよく遊んできた間柄だ。真白同様早々と店を訪れたものらしい。
「きのうの夜、閉店後に窃盗犯が侵入したみたいなんだ」
「泥棒に入られた、ってことですか」
「そうらしいね」
ドロボー!?
なぜか真白の脳裏には瞬時、シルクハットに片眼鏡(モノクル)の怪盗紳士の姿が浮かんだわけだが、たぶんきっといや絶対、そういう話ではないだろう。
「ちょ、大丈夫なんですか?」
「無人だったから怪我人はないし、被害はほぼなかったらしいよ」
「なんだ、よかった」
「でも」
洋二の表情は決して明るいものではなかった。
「『でも』どうしたんですか」
「私から説明します」
三角コーンと黄色いテープで作られた即席の進入禁止ゾーン、これをくぐって千絵が姿を見せた。
「おはようございます、白さん」
「千絵ちゃん! 無事だったんだね」
真白は千絵の両手をにぎった。千絵が無事でほっとしている。
「鷹取さんから説明受けてたんだ。盗まれたものはなかったって聞いたよ」
「それなんですが」
実はと前置きして千絵は事情を明かしたのである。
「パスポートが!? てんちょ、いや、お父さんのは?」
「お父さんはいま、転居先の準備という名目でドイツに遊びに行ってるので……。つまり必然的にお父さんのパスポートは無事です」
「盗まれたのは、千絵くんのパスポートだけなんだよね」洋二が言う。
「ええ。いま、七枷さんが警察のひとを店内に案内してますが。まちがいなさそうです」
「再発行の手続きはもうしてあるの?」
パスポートの、と真白は言う。千絵の渡航までもうあまり間がない。
「するつもりです。落ち着いたらすぐ申請したいと思います」
「それがいいよ。うん、きっと間に合うと思う」
真白も詳しいわけではないが、たしか数日から十日ほどで可能だったはずだ。なんとかなるのではないか。
陣が店から出てきた。
陣は警察らしき男性と一緒だ。私服警官というやつだろう。ちょっと疲れた雰囲気だが、二度見するくらい整った顔立ちである。
「じゃあ、何か気がついたことがあったら」
「はい。寝子島署の……」
「田中。
田中・ワージントン・広
(ひろし)刑事まで連絡してよ」
真白は刑事を三度見した。平凡な名前なのか非凡な名前なのか、ちょっと判断つきかねる名前だ。それってやっぱり非凡ということか。
陣に名刺を手渡して田中刑事は立ち去った。
「そういうことなんですみません。今日は臨時休業とさせていただきます。七枷さんも今日は」
「わかってるよ。休みね。仕方ないわな」
「お給料のことですけど」
「ええって! こんな状況やからシフト取り消しでええから。千絵ちゃんは店と自分のことだけ考えてよ」ひらひらと陣は手を振ったのだが、
「だめです。雇い主都合の休業なんですから、法定通りの休業手当は払います」こういうところ千絵はきっちりしている。いらないよと再三陣が言えど譲らず、「なので待機ということででお願いします。ないと思いますが、なにかあったらお電話します」と押し切った。
「私は店に戻ります」
と告げ千絵は、陣と真白と洋二にそれぞれ「ご迷惑をおかけしました。すいません」と深々と頭を下げた。
「迷惑やなんてそんな」
「千絵ちゃんは被害者だよ、謝る必要なんてないから」
陣たちは口々に返すのだが、千絵は本当にそう思っているらしく何度もお辞儀してから戻っていった。
「遅番のリックさんにも連絡とらないと……」
という彼女のつぶやきだけがその場に余韻のように残った。
「残念だねえ」洋二のモサモサ頭も、心なしかしんなりしているように見える。「僕も悲しいよ。何か手伝えることがあったら、とは思うけどどうにもなあ」
じゃあねと手を振り、洋二はトボトボと立ち去った。
真白と陣も手を振った。彼らとて去るべきかもしれない。
だがふたりは動かなかった。目線だけで会話する。
千絵ちゃんのパスポート『だけ』なくなった。
ちょっとありえんよな、こういう状況で。
場所変えない?
そうしよう。
陣は『クラン=G』のエプロンをたたむ。
移動して近場の公園に入った。周囲に人の姿がないのを確認してから口を開いた。
「白さん。僕、ピーンとキターって感じなんだけど」
「私も」
「紅、じゃなくて紅のなかのもうひとり、『紅子(べにこ)』と書いて『おバカ』と読むヤツがやったな。やらかしよったな」
真白もまったく同じ結論に達していた。
「警察……あの田中ワージントンさんて刑事にはそのこと?」
「もちろん言わない。心当たりがあること、さすがに悟られてないと思う」
「再発行が間に合えばいいけど」
「うん。たぶんだけどアイツ、破ったり捨てたりせずまだ持ってる気がすんねん。だから僕は取り返したいんだよな。できるならだけど」
紅ちゃんに訊ねてもいいんだけど、と真白は言った。
「まちがいなく、紅ちゃんの本体は自分の第二人格、つまりベニーちゃんが何をしたか知らないと思う。だからまともなコンディションの紅ちゃんを問い詰めても無意味じゃないかな」
「そっか」
うっかりしてたと陣は言った。真白が指摘しなければ、陣はNyainや電話で芋煮紅美を呼び出し質問責めにするつもりだったのだ。最悪、家に凸(トツ)こと電撃自宅訪問も覚悟していた。だがコンタクトをとったところでどうなるだろう。身に覚えのない紅美を苦しめるだけだ。紅子は紅美と記憶を共有するが逆はない。
苦しむだけならまだましかもしれない。
「あんまり紅のやつを追いこむと、おバカ紅子と人格が入れ替わって暴れるかもしれない……か」
「そうだね。そうなったら手が付けられない」
紅美がジキル博士とハイド氏のような二重人格者なのは陣も知っている。外見は同じだが、手が付けられないほど強力なモンスターになってしまうのだ。最悪なのは、善悪の基準がかなり曖昧になること。
いくら僕に奥の手――『ろっこん』があるからって、紅子に勝てるとは限らんよな。
ハンデだってめちゃくちゃあるぞ。こっちは紅美の体を傷つけたくないけど、リミット外れた紅子は刃物振り回すわけだし。
「正面から、っつうのは避けたほうがいいかな」
「それでね、私。ひとつ考えたんだけど」
真白は言った。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月13日
参加申し込みの期限
2024年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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