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Waiting for a Shooting Star
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フェリーは小さな無人島に到着した。豊かな自然と歴史的な建物が残る美しい島だ。正式な名前は別にあるようだが、『蔦ノ島』と通称されている。
船から降りたふたりは、ガイドブックを片手に島内を探索することにした。
「さすが、蔦の島と呼ばれるだけあるね」
建造物を見上げて珪がつぶやいた。
島の中心部には、蔦が絡まった要塞のようなレンガ造りの建物が立っていたのだ。かつては軍事施設として使われていたそうで、今では観光名所となっている。朽ちた壁は時の経過を感じさせ、緑がかった外観はひんやりとした空気をまとっていた。
入口付近に立てられた碑文を読み、珪は背を伸ばした。
「戦争の遺産か。もうこういった建造物が、必要とされない時代に生まれてよかったと思うよ」
「本当にそうですね」
綾花はしみじみと答え、碑石に刻まれた文字を見つめた。
「戦争は、どれだけの人々の人生を変えてしまったのだろう」
「それはもう、全然ちがうものにしてしまったのだと思います」綾花は少し申し訳なさそうにつづけた。「でも正直、想像もつきません。私の世代にはその実感があまりないんです」
「それは仕方ないことだよ。僕たちが書籍やドキュメンタリーで学ぶのと、実際に経験するのとでは大きなちがいがある。だからこそ、こうして現地を訪れて感じることが大切だと思うんだ」
珪の横顔には、この日はじめて見せる厳しい表情が浮かんでいた。いつも優しげな彼の目に、いまは憂いの色がある。唇を一瞬きつく結び、眉間に皺を刻んだ。彼の瞳には歴史の重みと、未来への願いが宿っているかのいるようだった。
「綾辻さん、僕は教育者として、子どもたちにしっかりと伝えていきたいと思っているんだ。戦争の悲惨さ、平和の大切さを。未来の世代が同じ過ちを繰り返さないようにね」
言葉にこめられた決意と使命感が、綾花の心に深く響いた。
だが珪が強張っていたのはわずかな時間だ。すぐに彼は明るい表情を取り戻した。
「はは、ちょっと説教臭かったかな。入ってみよう。実体験ではなくても、学びがあるとは思うんだ」
「はい」綾花の声にも暖色が戻る。「こういう場所を訪れることで、少しでもその時代のことを理解したいです」
旅先のおかげだろうか。今日は珪の、色々な表情を見ているように思う。
施設の見学が終わると、珪は微笑みとともに告げた。
「さあ、もっと先に進んでみよう。きっとこの島にはまだたくさんの素敵な場所があるはずだよ」
綾花も微笑みを返し、ふたりは島の奥へと進んだ。
道は木々の間を縫うようにき、やがて古い石造りのトンネルにたどり着いた。入り口は半円形のアーチを描いており、その周囲には濃い緑の苔が生い茂っていた。苔は長い年月をかけ、石に根を下ろしたように見える。蔦がからまって緑のすだれのように垂れ、神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「このトンネル、まるで自然と歴史が一体となったようですね」
「本当に」珪は石に手をふれた。「自然と人の手が合作したみたいだ」
手作業で積み上げられたものだろう。アーチを形作る石は、ひとつひとつが異なる形状をしていた。風化によって角が取れ、滑らかな曲線を描くようになった石の表面には、微細なひび割れが模様をなしている。アーチの中央部には特に大きな石がはめこまれており、構造の中心を支える重要な役割を果たしているようだった。
入り口から内部を覗きこむと、薄暗い通路が奥へと続いているのが見えた。トンネルの内部もまた苔むしており、石の壁にはところどころ水滴が垂れていた。
「入ってみようか」
そろそろと歩を進める。内部では小さな水音が響き、冷たい空気が肌に触れるたび、ひやりとした感覚が背筋を走った。
「わあ、本当に歴史を感じますね」
「そうだね。百年以上前に作られたものだろうけど、こうして今でも残っているのがすごいよ」
石の床は滑りやすい。軽くバランスを崩した綾花の手を珪が握った。
「気をつけて」
「あ、はい」
珪さん――。
呼びかけたくなったが綾花は唇を閉じた。
言葉にする必要はない。彼が当然のように手をとってくれたことが嬉しい。
ふたつの足音が反響する。合間にまじるのは水音、そして互いの息づかいだ。
「トンネルを抜けると景色のいい高台に出るらしいですよ。ガイドブックに書いてありました」
「なるほど、すこし傾斜があるのはそのせいか。転ばないようにしないとね」
登り道をゆく。やがて行く手に外光がさしてきた。ぽっかり空いた窓のように、外の光景が見えてくる。
「そういえば、このトンネルには噂があるんです。手をつないで通ると愛が深まるとか」
綾花は少し照れくさそうに言った。珪の反応が気になる。
しかし彼は、とまどうことなく受け入れた。
「それは面白いね。なら、手を離さないようにしないと」
珪は笑いながら、さらにしっかりと綾花の手を握りしめたのだ。
トンネルを抜けると美しい高台が待っていた。眼下には青く広がる海が輝き、ごく小さな島々が点在しているのもわかった。
転落防止の鉄柵に手をのせ、しばしふたりは、時間を忘れたように絶景に見入った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
恋愛
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月16日
参加申し込みの期限
2024年05月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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