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寝子島高校
Waiting for a Shooting Star
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綾花は車から降りると、深呼吸をして潮の香りを胸いっぱいに吸いこんだ。
海から吹いてくる風はほんのりと塩味を帯び、心地よい程度にひんやりとしていた。陽射しを受けきらめく波そして波音は、意識せずとも心を浮き立たせる。穏やかな海面を見るかぎり、船酔いの心配はなさそうだ。
「フェリーを予約したんです」
中規模の白いフェリーが停泊していた。真っ青な空と海を背景にまぶしく輝いている。船体には大きな窓が規則正しくならび、デッキではまばらながら乗客が手を振ったり、写真を撮ったりしている様子がうかがえた。船の中央部には黄金のプレートが輝いている。プレートに刻まれた文字は『白帆の夢(しらほのゆめ)』だ。
すでにタラップはかけられている。ふたりはフェリーに乗りこんだ。船内は清潔で広々としており、心地よい明るさに満ちていた。エントランスホールはモダンなデザインで、天井からはシャンデリアが優雅に吊り下がっている。客室への通路には赤いカーペットが敷かれ、両側には美しい絵画が飾られていた。ラウンジに置かれたソファーはゆったりと大きく、大きな窓からは広がる海景色が一望できた。
日本語、さらに英語と中国語で船内アナウンスを聞く。つづけてアナウンスは告げた。
「まもなく出航いたします」
汽笛が鳴る。眠っていた鯨が目覚めたかのように、船はゆっくりと動きはじめた。
「動いたね」
珪が笑う。
「動きました」
綾花が応じる。ただそれだけのやりとりなのにこのうえなく楽しい。普段にないシチュエーションだからだろうか。
ふたりはデッキに出てみた。板張りのうえにデッキチェアがならんでいる。はためく旗は航海を祝福しているかのようだ。
綾花はデッキの手すりにもたれながら、遠ざかっていく寝子島を見つめた。見慣れた景色が少しずつ小さくなり、海の向こうへと消えていく。
「寝子島から出ることがほとんどないから、珪さんとこうして船で出かけるのが楽しみで仕方なかったんです」
「そうか、綾辻さんは島の生まれだったね」
「生まれも育ちもそうですね」
珪は微笑した。
「綾辻さんは、寝子島を出る考えはないのかい?」
「いずれ、ということですか」
「うん。将来」
「私の将来は、珪先生……珪さん、次第ですから」
かなり踏みこんだ言葉のつもりだ。彼が島を出たいというのならついていくし、海外に住むのならそれでも従う。でも島でずっと暮らしたいというのであれば、綾花は喜んで応じるつもりだ。
本心を言えば、ずっと寝子島がいいんだけど。
お祭り好きで新しい物好きでにぎわっていて、だけど古い文化や自然も大切にしていて、現在(いま)と過去(むかし)が共存する寝子島。けっして大都会ではないけれど、とくに不自由することもないこのふるさとで、できればずっと生きていたい、彼と結ばれてそろって年を取り、同じ場所に骨をうずめたい。それが綾花にとって、ほとんど唯一の望みなのだ。
「いけないよ、他人任せだなんて」だが綾花の言葉を聞き、珪は眉を曇らせた。「それも、僕みたいないい加減な人に頼るなんて」
「いい加減じゃないです。信頼してますから」
「気持ちはありがたいけどね、でも将来のことは考えて自分で決めないと」
「私、考えて決めましたから」いささかむきになって綾花は言うのである。「珪さんについていく、って」
はははと珪は声を出して笑った。
「参ったな。これは一本取られた」
また冗談だと受け取ったようだ。こちらが真剣すぎるとこうやっていなしてしまう。ときどき見せる彼の仕草だ。このあたり珪さんは、すこしずるいと綾花としては思わないでもない。
「先のことはわからないからね。僕にも、誰にも」
とまで言いかけて、ああと声をあげ珪は水平線の彼方を指さした。
「もう寝子島が見えなくなってしまった」
かわされちゃいましたと綾花は思ったが、かすかにしろ苦さを感じる前に、景色に心は奪われている。
「本当ですね」
思った以上に船は速いようだ。
「いつか、もっと遠くまで船旅をしてみたいですね。国内でも海外でも、一緒ならどこへでも」
「そうだね」
と珪は言った。深く考えての言葉なのか、単なる相づちなのかまでは綾花にはわからなかったけれど。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
恋愛
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月16日
参加申し込みの期限
2024年05月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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