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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
キミは、俺の、ろっこんさん！？
◆ビッグピンクエレファント戦・その２
全身にリボンを巻いた絡満姫が、黒髪をなびかせビッグピンクエレファントの影の中に立つ。
蘭月は絡満姫の背中を見ながら、この三年間のことを走馬灯のように思い出していた。
「《カラミツク》使えるようになってから、ゴキブリとかコンビニ強盗とか、いろんなモンに《カラミツク》使てきたっけ……けどな、絡満姫ちゃん」
「こんなときになんじゃ」
「これから《カラミツク》使うタイミングは減るかもしれへんわ」
絡満姫ははっと振り返り、蘭月を見つめる。
オレンジ色のリボンで左右に結んだ髪が、風で煽られ蘭月の頬にぶつかるように揺れた。
「あたしももうすぐハタチやしな、リボンでツインテールちゅう年でもないかなー、て思って来てるねんよ。あと知ってるかもやけど、あたし今はパティシエ目指して製菓専門学校に進学するねん。調理関係やから、あんまり髪が長いのも、ちゃんとまとめんと、衛生上で問題になりやすいんよ。リボンを髪に結んだ状態やないと《カラミツク》は使えへんから」
つんと込み上げてくるものをくしゃりと笑顔に変えて、蘭月は絡満姫を見た。
「せやから今回は、絡満姫ちゃんにも卒業イベントなのかもしれへんな」
絡満姫は、口の端を上げて笑った。
「しんみりしすぎじゃ。さあ、わらわを存分に使うがよい、蘭月」
「せやな。絡満姫ちゃんの超強力版《カラミツク》で鼻の動きを封じてもらうで！」
びしり！
蘭月がぶうんと振るわれたビッグピンクエレファントの鼻を指差す。
絡満姫は体中に巻いたリボンをほどいて、近づいてくる鼻目掛けて放った！
「私と春さんも手伝うよ！ は、は、はーーーっくしょん！」
美弥子と、美弥子のろっこんさん春さんが起こした強風に乗ったリボンは、勢いよく象の鼻に絡みつく。
「よし！ そのまま鼻を団子にまとめてしまうのじゃ！」
ぐるぐるとリボンは鼻を団子結びにするようにして絡みつき。
「ぱ、ぱ、ぱお……」
厄介な鼻は、ビッグピンクエレファントの顔のまえにひとまとめに括り付けられてしまった。
鼻が括られたことでビッグピンクエレファントの顎が上がった。体のバランスがくずれ、お尻の方が下がって皆がいる屋上に近づいてくる。
「あれなら、届く、かも……！ 行けるか、ジャン」
「ああ。準備は万端だ。跳ぶぞ、拓郎」
これを機と見た拓郎はろっこんさんのジャンと目くばせをし合う。
《テイクオフジャンパー》で跳んでビッグピンクエレファントに取り付く。
彼らの手にはそれぞれ、屋上に来る前に教室で手に入れてきたカッターと三角定規が握られている。
「七夜さんオトメさん、すみません……今から、ろっこんさんと跳ぶから、打ち上げてもらえますか？」
「了解だよ！」
あおいとオトメさんは向かい合って手を重ね合い、バレーのレシーブのように腰を落とす。
拓郎とジャンは屋上の端まで下がってクラウチングスタートの体勢を取る。
まず先に、ジャン。助走して踏切り、《カジバオトメ》を発動させたあおいとオトメさんの手で打ちあげてもらう。続いて拓郎も頬を両手で軽く叩き、助走。
「七夜さん、思いっきり、お願いします！」
「わかったよ、拓郎君。いっけーー！」
あおいとオトメさんの手を蹴る。力強く跳ね上げられるのを感じる。
拓郎の体は羽根のように、高々と打ちあがった。
「跳ぼう……ジャン。いっしょに……！」
ジャンの赤い髪が上空の風に気持ちよく煽られている。
一足先にジャンが象の尻の上に着地。続いて拓郎も着地する。
ぼよん、と分厚いゴム風船に落ちたようなバウンドがあった。
拓郎とジャンはニ三度軽くバウンドしてからしがみつく。
「ジャン。少しずつ空気を抜いて、サイズダウンさせよう」
「わかった」
ジャンが手にしていた三角定規をゴムっぽい質感の体表に突き刺す。
その途端、穴をあけた箇所からぶわっと暴風が噴き出してきた。
「うわあっ」
ジャンは風の勢いにひっくりかえった。その拍子に突き刺していた三角定規が風に飛ばされて落ちてゆく。ジャンが穴を開けたところはしばらく強風が吹きだしていたが、やがて表皮が再生し、穴が埋まってしまった。
「再生、するのか。だったら……！」
今度は拓郎が慎重にカッターで表皮に切れ目を入れる。
隙間から噴き出してくる暴風。拓郎は風が直撃しないよう身体をよけながら、両手を切れ目に差し入れて穴を広げ、再生を阻害しようと試みた。しかし……。
「くっ……風、強……このままじゃ、飛ばされ……！」
拓郎が顔をゆがめたそのときだった。
「志波！ これを使え！」
鋭い声がして、一本の鉄パイプが飛んできた。拓郎ははっしとそれを掴む。
声がした先を見遣る。
「……八神、さん！？ それに……」
全身にリボンを巻いた絡満姫が、黒髪をなびかせビッグピンクエレファントの影の中に立つ。
蘭月は絡満姫の背中を見ながら、この三年間のことを走馬灯のように思い出していた。
「《カラミツク》使えるようになってから、ゴキブリとかコンビニ強盗とか、いろんなモンに《カラミツク》使てきたっけ……けどな、絡満姫ちゃん」
「こんなときになんじゃ」
「これから《カラミツク》使うタイミングは減るかもしれへんわ」
絡満姫ははっと振り返り、蘭月を見つめる。
オレンジ色のリボンで左右に結んだ髪が、風で煽られ蘭月の頬にぶつかるように揺れた。
「あたしももうすぐハタチやしな、リボンでツインテールちゅう年でもないかなー、て思って来てるねんよ。あと知ってるかもやけど、あたし今はパティシエ目指して製菓専門学校に進学するねん。調理関係やから、あんまり髪が長いのも、ちゃんとまとめんと、衛生上で問題になりやすいんよ。リボンを髪に結んだ状態やないと《カラミツク》は使えへんから」
つんと込み上げてくるものをくしゃりと笑顔に変えて、蘭月は絡満姫を見た。
「せやから今回は、絡満姫ちゃんにも卒業イベントなのかもしれへんな」
絡満姫は、口の端を上げて笑った。
「しんみりしすぎじゃ。さあ、わらわを存分に使うがよい、蘭月」
「せやな。絡満姫ちゃんの超強力版《カラミツク》で鼻の動きを封じてもらうで！」
びしり！
蘭月がぶうんと振るわれたビッグピンクエレファントの鼻を指差す。
絡満姫は体中に巻いたリボンをほどいて、近づいてくる鼻目掛けて放った！
「私と春さんも手伝うよ！ は、は、はーーーっくしょん！」
美弥子と、美弥子のろっこんさん春さんが起こした強風に乗ったリボンは、勢いよく象の鼻に絡みつく。
「よし！ そのまま鼻を団子にまとめてしまうのじゃ！」
ぐるぐるとリボンは鼻を団子結びにするようにして絡みつき。
「ぱ、ぱ、ぱお……」
厄介な鼻は、ビッグピンクエレファントの顔のまえにひとまとめに括り付けられてしまった。
鼻が括られたことでビッグピンクエレファントの顎が上がった。体のバランスがくずれ、お尻の方が下がって皆がいる屋上に近づいてくる。
「あれなら、届く、かも……！ 行けるか、ジャン」
「ああ。準備は万端だ。跳ぶぞ、拓郎」
これを機と見た拓郎はろっこんさんのジャンと目くばせをし合う。
《テイクオフジャンパー》で跳んでビッグピンクエレファントに取り付く。
彼らの手にはそれぞれ、屋上に来る前に教室で手に入れてきたカッターと三角定規が握られている。
「七夜さんオトメさん、すみません……今から、ろっこんさんと跳ぶから、打ち上げてもらえますか？」
「了解だよ！」
あおいとオトメさんは向かい合って手を重ね合い、バレーのレシーブのように腰を落とす。
拓郎とジャンは屋上の端まで下がってクラウチングスタートの体勢を取る。
まず先に、ジャン。助走して踏切り、《カジバオトメ》を発動させたあおいとオトメさんの手で打ちあげてもらう。続いて拓郎も頬を両手で軽く叩き、助走。
「七夜さん、思いっきり、お願いします！」
「わかったよ、拓郎君。いっけーー！」
あおいとオトメさんの手を蹴る。力強く跳ね上げられるのを感じる。
拓郎の体は羽根のように、高々と打ちあがった。
ジャンの赤い髪が上空の風に気持ちよく煽られている。
一足先にジャンが象の尻の上に着地。続いて拓郎も着地する。
ぼよん、と分厚いゴム風船に落ちたようなバウンドがあった。
拓郎とジャンはニ三度軽くバウンドしてからしがみつく。
「ジャン。少しずつ空気を抜いて、サイズダウンさせよう」
「わかった」
ジャンが手にしていた三角定規をゴムっぽい質感の体表に突き刺す。
その途端、穴をあけた箇所からぶわっと暴風が噴き出してきた。
「うわあっ」
ジャンは風の勢いにひっくりかえった。その拍子に突き刺していた三角定規が風に飛ばされて落ちてゆく。ジャンが穴を開けたところはしばらく強風が吹きだしていたが、やがて表皮が再生し、穴が埋まってしまった。
「再生、するのか。だったら……！」
今度は拓郎が慎重にカッターで表皮に切れ目を入れる。
隙間から噴き出してくる暴風。拓郎は風が直撃しないよう身体をよけながら、両手を切れ目に差し入れて穴を広げ、再生を阻害しようと試みた。しかし……。
「くっ……風、強……このままじゃ、飛ばされ……！」
拓郎が顔をゆがめたそのときだった。
「志波！ これを使え！」
鋭い声がして、一本の鉄パイプが飛んできた。拓郎ははっしとそれを掴む。
声がした先を見遣る。
「……八神、さん！？ それに……」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2024年05月02日
- 参加申し込みの期限
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- 2024年05月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2024年05月09日 11時00分
