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【天を地をふるわせる竜の呼び声】
遠雷のようにとどろいた咆哮が、
七夜 あおい
の肩をひとつびくりと跳ねさせました。
八神 修
もライフルを手に片膝を立て、崖際から身を乗り出してあたりを警戒します。
「……雷竜か、大きかったな。大丈夫だ、向こうへ行ってしまったようだ」
「ほっ。助かったあ」
AD徹甲弾の残弾はわずか。四十六式小銃の取り回しやすさや精密性、耐久性には信頼を置きながらも、いかにいい武器があったところで弾がなければ戦えません。ドラゴンは天高くを飛んでいるのですから。
「救援は……来なさそうだね」
「前線が伸び切ってしまったからな。司令部が生きているかどうかも分からないが、ま、気長に待つさ」
かつては薄暮と呼ばれた金色の空を見上げ、風を感じます。寝子島から夜が奪われたのはいつからだったでしょうか。活発に活動する竜たちの放出する莫大なエネルギーが大気変動や太陽の異常活性とも紐づいて、空を休ませることなく輝かせ続けています。心安らぐ闇のカーテンを懐かしく思い、修は岩壁に背をもたれてほう、と深く息をつきました。
「修くん、疲れちゃった?」
「ああ、いや」
心配そうにのぞき込むあおいに笑みを返して、
「少し昔を思い出しただけだよ。夜が暗かった頃とか」
「そっか。そういえば、昔の修くんってどんな感じだったの?」
「戦争が始まる前か、そうだな……」
高い崖上に取り残されて待ちぼうけ、なこんな時に思い出を語るなんて、なんだか滑稽に感じてしまって、修は苦笑い。あおいもつられてくすりと笑みました。
「星ヶ丘の名家のボンボンってやつさ。なに不自由ない暮らしをしてた。フツウに成長して、フツウに遊んで、フツウに勉強に打ち込んで……ちょっと家が裕福なだけの、つまらないフツウの子どもだったよ」
「そうなんだ? いいなあ、私なんて貧乏一家の六人兄弟の長女だよ? 弟たちは騒ぐし泣きわめくし、下の子にはイタズラするわイジワルするわでたいへん! 食事時なんてもう、おかずの取り合いでバトルだよ」
「ははは」
少しばかり出自は違えど、どちらもなんの変哲もない人生を歩むはずの、なんの変哲もない子どもでした。
第三次ドラゴン禍の発生はふたりのようななんの変哲もない子どもたちの多くを戦乱へたたき落とし、体験するはずだった青春のひと時を奪いました。今や誰もが銃を手に、四六時中空をにらみつけ、舞い下りる竜の巨影を探しています。
「そう考えると、なんだか不思議だよねー」
「うん?」
「だって戦争が起きなかったら今頃、私たち寝子島高校に通って、高校生やってたわけでしょ?」
「ああ、たぶん。そうなるよな」
「私たちだって、きっとこんな過酷な作戦の中でじゃなくってさ、寝子高の入学式にさ、校門前で出会ったりするんだよ。で、おたがい目が合って」
「一目ぼれ、か?」
「あはは、それは出来過ぎ! 友だちになるんだよ~。もう親友だね、ベストフレンド!」
「あ、ああそうか。そうだよな」
あけっぴろげな彼女の笑みに惹かれ始めていることを、その感情を、修は思わず微笑みに隠しました。今は戦争のさなかで、色恋にうつつを抜かしている暇なんて彼らにはありません。軍学校でもそう教わりましたし、なにより、こんな絶望的な戦いの後になにが残せるでしょうか。修だけではなく、誰も彼も、大切ななにかを持つことにすっかり臆病になっている。そんな時代でした。
ありえたはずの並行世界へ思いを馳せながら、やがて修が銃の手入れと点検を始めると、あおいも彼にならって銃身をみがき始めます。時刻は午後十時を回ったところ。空はまばゆく黄昏れ色に輝いて、気はたかぶって休まらないものの、となりに腰を下ろす彼女の存在はなんだか、修を安らかに落ち着かせてくれるような気がしました。
「残りの弾は?」
「マガジンふたつってところだな」
「私もおんなじ」
「そうか」
今ふたたび竜の二、三頭も空から襲いかかってきたなら、ふたりがその全てを撃ち落とすのは難しいでしょう。先の襲撃にクライミングギアも失われ崖上から降りることもままならず、せっかく整えた通信拠点もろともに雷竜の電撃や炎竜のブレスで黒焦げとなるか、あるいは雪竜の吹雪で氷漬けとなるか、毒竜の緑の息を浴びて腐り落ちるのかもしれません。そうでなくとも、食料や物資はいつか尽きるでしょう。いずれにせよ状況は絶望的と言えました。
けれど、悪い気分ではありません。
「俺もサイボーグ手術を受けるんだったかな。右腕にバルカン砲かミサイルの一発でも仕込んでおけばよかったよ」
「え~、あれって夏場は熱暴走で大変らしいよ? 私はやだなあ、やっぱり生身がいちばん」
「ははは、それもそうだな」
たあいのない話もつまらないやりとりも、この場にあってなぜだか、心なごませてくれました。ただ、彼女がそこにいるというだけなのに。
彼女もまた同じ気持ちでしょうか? そうっと修はその顔色をのぞき込みましたけれど、明るい空を照り返すくりんとして大きな瞳はあどけなく彼を見返すばかり。
「ああ……こんな時になんだけど、ここは落ちつくね。眺めがいいし」
「そうだな。こうして見ると、こんな空も綺麗なものだ……ん?」
『……か、いるか? 生きの……なら、返事をしてくれ。……ちら司令部の黒崎陸将だ、誰かいないのか? 誰も生き残っていないのか!? 誰か……』
呼びかけにも応答せず沈黙していたはずの通信機器が唐突に息を吹き返したのは、その時でした。修はあわてて通話口に飛びつきます。
「こちら第四小隊の八神曹長! 生存者二名、現在孤立している。至急救援を乞う! 繰り返す、生存者二名……」
「修くん!!」
切羽詰まった声、それにとどろく雷鳴に、修は顔を上げました。金色の空の向こう、蝙蝠めいた翼をはためかせ、鱗をきらめかせながらに口腔へ雷をためこんだ竜の姿を認めると、修は通信機を放り出して銃を取り身構えます。
「さっきの雷竜か! まっすぐこちらに来る。俺たちを見つけたか」
「ど、どうしよう!?」
「大丈夫だ」
根拠はなく、けれど修の精いっぱいでした。せめて不安も疑問も吹き飛ばすくらいに、あおいの肩へ乗せた手のひらは力強く、頬を引きつらせまいとして笑いながら告げました。
「大丈夫、通信は届いた。もうすぐ救援が来る。それまで竜一匹、たかが一匹だ。ふたりでやろう。やってやろう」
「うん……うん!」
マガジンを銃へ押し込みやけに重く感じるレバーを引いて弾を送り込むと、まだ点のようなドラゴンへ向けて構えます。
「生き残るんだ。ふたりで!」
「うん!!」
まるでフラットラインが波形を示すように、どくん、と波打つ衝撃があおいから発せられたように感じました。薄く笑んだ彼女の、生きる意思の発露だったのでしょうか。
遠くまたたいた雷光を見つめ、ふたりは不思議なほど静かな面持ちで、その瞬間のおとずれを待ちました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月22日
参加申し込みの期限
2024年04月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年04月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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