寝子島シーサイドアウトレット　スプリングセール｜リアクション

寝子島シーサイドアウトレット　スプリングセール

◆春に向けて

　白真白は意気揚々と寝子島シーサイドアウトレットにやってきた。狙いはもちろん春の大型セール。各テナントではおおむね大幅値引きが行われていて、お得な掘り出し物も見つかるだろう。

「新しい服欲しかったんだよね、あと可愛い下着とかも」

　指を折りながら、あれもほしいこれもほしいと思案する。しかし同じことを考えているであろう人たちが大勢いるのが外からも分かる。

「でも立ち止まってる場合じゃないわ。よし、行くよー！」

　そう意気込んでまず向かったのは『KIDDY,THE MOON LUCENT LIGHT』。美麗かつキュートなロリィタファッションブランドだ。その可愛いデザインをしっかり確かめて買いたいものの、人の流れが激しくのんびり構えている余裕がない。

（思ったより人多いかも、これは大変だ）

　真白はひとまず気に入ったものを見つけたら手に取り、それを試着室に持ち込んで確認する。しかし持ち込み点数に制限がある上、他の客たちも当然試着室を使用するためテンポが悪い。普段ならこんなに時間を取られることもないだろう。それでも諦めずに売り場と試着室を往復する。

（このブラ、デザインはいい感じかも。でもちょっとサイズが合わないかぁ……）

　真白は胸のサイズが大きいので、ブラの選択肢が必然的に限られてしまう。そうなると好みのデザインを見つけてもサイズが合わないという問題が起こる。

（サイズが合うやつでよさそうなのないかなぁ）

　そして再び売り場に行っては試着室に戻るのを繰り返す。そしてようやく自分好みのデザインで、体にフィットする下着を見つけた。下着を無事に見つけたので、今度は服選びを始める。試着室の持ち込み制限が無ければ、一度に済ませたかったが仕方ない。
　しかし店内の様子が変わってきた。相変わらず混み合っているがピークは過ぎたようで、ようやく見て回るくらいには余裕が生まれていた。

「あ、この服可愛い！　こっちもいいね」

　下着を探しているときは必死で試着室に入るまで細部を確認できなかったので、服を眺めながら店内を散策するこの時間がとても楽しい。

「さっそく試着してみよっと」

　うきうき気分で試着を繰り返し、苦労して見つけた下着や気に入った春物をいくつか購入して店を後にした。

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