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【卒業生を送る会】未来へ向かってバイバイバイ♪
☆涙、涙
「そうそう、愛はほんとに気が強くって。すごい子が入ってきたなってびっくりしちゃった」
「……もう、勘弁してください」
女子バスケ部の３年生と後輩たちが思い出話で盛り上がり、皆の笑い声が響く一角。
（送り出しパーティってこんな感じなのね）
霧生 愛は立食を楽しみつつ、女バスの先輩たちと談笑していました。
「あの頃は生意気言ってすみませんでした。一年間だけど、本当にお世話になりました」
（前キャプテンの碧南先輩と３年生の方々とこうして話をする機会ももうほんのわずか。１年で唯一のレギュラーの私は、来年からは後輩の面倒を見ることになるのね）
実は当初碧南のことを「こんなゆるふわ少女がキャプテンだなんて。頼りない」と思っていました。
でも外見で人を判断することの愚を、この1年で碧南先輩を通じて学ばされることになったのです。
（実力はもちろん、チームをまとめるリーダーシップがあるのよね。インターハイ決勝で負けて私が悔し泣きしたときも、泣き止むまで抱きしめてくれた）
結果、柚乃に嫉妬され、目の仇にされることになってしまったのですが。
先輩方の話の合間にちらっと、柚乃の方を見ると。
ふわりとした感じの笑みを浮かべていて、大丈夫なのかな？ と期待しかけた次の瞬間。
一瞬、棘を刺すような目線が愛に向けられました。
（──やっぱり。やりにくいったらありゃしない。浅見先輩は碧南先輩への想いを未だに絶ちきれていないのね）
浅見 柚乃は寝子高女子バスケ部の新キャプテンとして、前任のキャプテンの碧南先輩を送り出す立場です。
（複雑な気分……）
なぜなら柚乃は碧南のことを、尊敬する先輩としてではなく……恋の対象として意識してしまっているから。
失恋のヤケで始めたバスケだったけど、碧南と二人で行った銭湯で滑った事故で唇を重ねてしまって以来、柚乃は自分の思いに気づいてしまったのです。
叶わぬ思いと知ってはいたけれど、あきらめることはできませんでした。
（でもその想いは永遠に叶わぬものになった。碧南先輩は想い人だった鷹取 洋二という男と両想いになってしまったんだもの）
笑い声の中心にいる碧南先輩を見つめながら、必死に自然な笑顔を心がける柚乃。
（恋に破れ、その事実を受け止めようとしているのに、それでもなお諦めきれない、横恋慕に狂う惨めな女。それが私）
わかっていても、柚乃は自分の思いをどうすることもできませんでした。
怒りが後輩の愛への視線にこもってしまったり。
そんな内心の葛藤を抱えた柚乃に、碧南が視線を向けてきました。
「大変だと思うけど、あらためて女バスのことよろしくね」
さりげなく声を掛けられ、思いがけなく、
「は、はい！ 全力を尽くします！」
と上ずった声で柚乃は返事を返し。
その様子に微笑む碧南を見て、胸が苦しくてたまらなくなるのでした。
「困ったときはいつでも連絡してね、話は聞くから」
碧南は笑みを浮かべながら、そんなことを話しているうちはまだ大丈夫でした。
「でもみんな、強敵たちとの試合を乗り越えてきたんだもの。心を一つにすればきっと大丈夫」
話しながら様々なことが思い返されてきました。
まだ下級生だった時、対外試合で僅差で負け悔しくてボロ泣きしたこと。
先輩たちが皆で慰めてくれて、去年の卒業式でまで先輩たちにその話をされたっけ。
新キャプテンとなり新入生を迎えての最初の練習で、愛が鋭い視線を向けてきて挑戦を受けてたち、打ち勝ったこと。
インターハイ決戦で、昨年の優勝校に僅差で負けてしまったこと。
その時泣きじゃくっていた愛を抱きしめたこと……
そんな一つ一つの思い出がよみがえってくるたびに段々と胸の奥が熱くなってきて──ぽろぽろと涙が零れてきました。
（やだ……どうして涙がこぼれるの？）
涙を止めようとすると、かえって嗚咽となり我慢しきれなくて。
嗚咽が耳に届き、ギョッとした愛が目線を向けました。
（碧南先輩……！）
そんなつもりじゃなかったのに、見ているうちに愛の目からも涙がこぼれていました。
もちろん柚乃も碧南を見つめていました。
（………先輩、私は……先輩のことを……）
もらい泣きしながら、心で叫んでいました。
碧南もまた周囲の涙に気づき。
「まだ卒業式は先なのに……って、みんなも泣くのやめてよ、皆に泣かれたら……私、私……」
後はもう、言葉になりませんでした。
ひたすら泣く碧南に愛が近づき、肩を叩こうとするのを自然とハグし。
それを見た柚乃が猛然と突っ込んできたので、そのままハグし。
泣きながら、後輩一人一人とハグしていきました。
（私ってこんなに涙もろかったかな……？）
そう思う碧南ですが、前回の卒業式でも先輩たちと大泣きしていたのです。
「そうそう、愛はほんとに気が強くって。すごい子が入ってきたなってびっくりしちゃった」
「……もう、勘弁してください」
女子バスケ部の３年生と後輩たちが思い出話で盛り上がり、皆の笑い声が響く一角。
（送り出しパーティってこんな感じなのね）
霧生 愛は立食を楽しみつつ、女バスの先輩たちと談笑していました。
「あの頃は生意気言ってすみませんでした。一年間だけど、本当にお世話になりました」
（前キャプテンの碧南先輩と３年生の方々とこうして話をする機会ももうほんのわずか。１年で唯一のレギュラーの私は、来年からは後輩の面倒を見ることになるのね）
実は当初碧南のことを「こんなゆるふわ少女がキャプテンだなんて。頼りない」と思っていました。
でも外見で人を判断することの愚を、この1年で碧南先輩を通じて学ばされることになったのです。
（実力はもちろん、チームをまとめるリーダーシップがあるのよね。インターハイ決勝で負けて私が悔し泣きしたときも、泣き止むまで抱きしめてくれた）
結果、柚乃に嫉妬され、目の仇にされることになってしまったのですが。
先輩方の話の合間にちらっと、柚乃の方を見ると。
ふわりとした感じの笑みを浮かべていて、大丈夫なのかな？ と期待しかけた次の瞬間。
一瞬、棘を刺すような目線が愛に向けられました。
（──やっぱり。やりにくいったらありゃしない。浅見先輩は碧南先輩への想いを未だに絶ちきれていないのね）
浅見 柚乃は寝子高女子バスケ部の新キャプテンとして、前任のキャプテンの碧南先輩を送り出す立場です。
（複雑な気分……）
なぜなら柚乃は碧南のことを、尊敬する先輩としてではなく……恋の対象として意識してしまっているから。
失恋のヤケで始めたバスケだったけど、碧南と二人で行った銭湯で滑った事故で唇を重ねてしまって以来、柚乃は自分の思いに気づいてしまったのです。
叶わぬ思いと知ってはいたけれど、あきらめることはできませんでした。
（でもその想いは永遠に叶わぬものになった。碧南先輩は想い人だった鷹取 洋二という男と両想いになってしまったんだもの）
笑い声の中心にいる碧南先輩を見つめながら、必死に自然な笑顔を心がける柚乃。
（恋に破れ、その事実を受け止めようとしているのに、それでもなお諦めきれない、横恋慕に狂う惨めな女。それが私）
わかっていても、柚乃は自分の思いをどうすることもできませんでした。
怒りが後輩の愛への視線にこもってしまったり。
そんな内心の葛藤を抱えた柚乃に、碧南が視線を向けてきました。
「大変だと思うけど、あらためて女バスのことよろしくね」
さりげなく声を掛けられ、思いがけなく、
「は、はい！ 全力を尽くします！」
と上ずった声で柚乃は返事を返し。
その様子に微笑む碧南を見て、胸が苦しくてたまらなくなるのでした。
「困ったときはいつでも連絡してね、話は聞くから」
碧南は笑みを浮かべながら、そんなことを話しているうちはまだ大丈夫でした。
「でもみんな、強敵たちとの試合を乗り越えてきたんだもの。心を一つにすればきっと大丈夫」
話しながら様々なことが思い返されてきました。
まだ下級生だった時、対外試合で僅差で負け悔しくてボロ泣きしたこと。
先輩たちが皆で慰めてくれて、去年の卒業式でまで先輩たちにその話をされたっけ。
新キャプテンとなり新入生を迎えての最初の練習で、愛が鋭い視線を向けてきて挑戦を受けてたち、打ち勝ったこと。
インターハイ決戦で、昨年の優勝校に僅差で負けてしまったこと。
その時泣きじゃくっていた愛を抱きしめたこと……
そんな一つ一つの思い出がよみがえってくるたびに段々と胸の奥が熱くなってきて──ぽろぽろと涙が零れてきました。
（やだ……どうして涙がこぼれるの？）
涙を止めようとすると、かえって嗚咽となり我慢しきれなくて。
嗚咽が耳に届き、ギョッとした愛が目線を向けました。
（碧南先輩……！）
そんなつもりじゃなかったのに、見ているうちに愛の目からも涙がこぼれていました。
もちろん柚乃も碧南を見つめていました。
（………先輩、私は……先輩のことを……）
もらい泣きしながら、心で叫んでいました。
碧南もまた周囲の涙に気づき。
「まだ卒業式は先なのに……って、みんなも泣くのやめてよ、皆に泣かれたら……私、私……」
後はもう、言葉になりませんでした。
ひたすら泣く碧南に愛が近づき、肩を叩こうとするのを自然とハグし。
それを見た柚乃が猛然と突っ込んできたので、そのままハグし。
泣きながら、後輩一人一人とハグしていきました。
（私ってこんなに涙もろかったかな……？）
そう思う碧南ですが、前回の卒業式でも先輩たちと大泣きしていたのです。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2024年04月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2024年04月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2024年04月16日 11時00分
