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桜のつぼみは、あとどれくらいで
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楽しい1日を過ごし、自宅まで送り届けてもらった綾花は、すぐに部屋から袋を持って舞い戻った。
「珪さん、これ食べてくださいね」
嬉しそうに差し出された袋には、いくつかのタッパーが入っている。
どうやら中身は、綾花手製のワインに合うおつまみらしい。
「卒業したら、ちゃんと家に招待しようと思っているので……今度、感想聞かせてくださいね?」
その日までには料理の腕を上げてみせると意気込む綾花は、現在料理教室に通っている。
自身が一人暮らしで上手くやっていくためもあるだろうし、もちろん珪に食べて欲しい一心もあるだろう。
「ありがとう。じゃあ僕からも、綾辻さんに」
まるでワインボトルが入ってそうな、細長い紙袋。その中身は、箱に収められた小さなブーケだった。
「わぁ! ありがとうございます、珪さんっ」
このまま、次の約束をしてしまいたいような。次こそは、大事な日にしたいような。
そんな期待を込めた視線で見つめられ、珪は照れくさそうに笑う。
「綾辻さんは、自由登校の間はどうするの?」
「新学期の手続きとかが無い限りは、行こうと思ってますけど」
「そっか。……それじゃ、次は学校で」
どことなく先生の顔で微笑まれた気がして、これがデートの終わりかと綾花は少し寂しくなる。
デートが終わったことがではなく、『終わらせられた』ような気がするからだ。
「珪さん、知ってますか? 遠足は、帰るまでが遠足なんですよ」
ピッと人差し指を立て、小さな子を叱るようにして珪に進言する。
「つまり今日も、珪さんが帰るまではデートなんですっ!」
だからといって、どうして欲しいのかは綾花にもわからない。
恋人同士でもなければ、告白だってしていない。キスはおろか、抱きしめて欲しいだなんて言えるものか。
「えっと、だから……『学校で』は、違うと、思い……ます」
彼を困らせたいのではなく、自分が寂しいだけで。でも、これ以上なんと言えば伝わるだろう。
もごもごと口をまごつかせる綾花に、珪はふっと優しい笑みを見せた。
コツンと額を合わせ、真っ赤になった綾花に追い打ちがかかる。
「おやすみ。……また明日ね」
そっと囁くように言い残して、珪は今度こそ帰って行った。
呆然と玄関で座り込む綾花の耳元に、車が走り出す音が聞こえたけれど……まだ夢心地のまま。
結局綾花が意識を取り戻したのは、珪の『ただいま』というメッセージを受信してからだった。
――帰るまでがデートなら、本当に今日のデートは終わったのだろう。
1人の家に戻った珪は、軽く飲み直そうかとワインボトルを眺め、余韻に浸るかと今日はコーヒーに決めた。
朝には美味しくなかったけれど、彼女に会ったあとなら……とも思ったのに。
「何が違うんだろうね」
お湯の温度も、使っているマグカップも一緒なのに。ただ彼女がいないだけで、こんなにも違う。
傍に居てくれるだけでいいだなんて、使い古された台詞を言うつもりはない。
家事は苦手だから迷惑もかけるし、悪癖はないと思うがワインは飲むし、ギャンブルはしないが本に糸目は付けないし。……正直に言って、あまり優良物件ではないと思う。
臆病者だ。
ずっと過去と向き合ってこなかったし、長いこと苦手なままだった雨の世界も、そのままでいいかと雨音に耳を塞いでいた。
けれど彼女は……雨の日だって綺麗で楽しいものが溢れているんだ教えてくれて、1人だと眩しすぎて見たくなかった
薄明光線
も、見ることができた。
「……春は、雨も多いんだっけ」
移り気な天気は、いつ変わるかわからない。でも、もう大丈夫。
勇気が溢れたわけじゃない。生まれ変わったわけでもない。
それでも、過去に縛られるんじゃなくて、前を向いて生きたいと思えたから。
ジャケットを掛けて、ふと振り返る。
朝と変わらずに、やっぱり部屋に似つかわしくないぬいぐるみが座っているけど。
「次のデートは、どこに行こうか」
彼女に伝えられない楽しみも、君になら正直に伝えられる。
甘やかすことができなかった分を埋めるように、そっとテディベアを抱き上げた。
「でも、しばらくは迎えに行こうかな。朝の待ち合わせで、泊まったなんて思われたら僕が嫌だし」
自分が悪く言われるのは構わないが、彼女を変な目で見られるのは許せなくて。
つい強く『ダメ』だなんて言ってしまったけど、気を悪くしなかっただろうか。
「それからモクテルは、カクテルを真似た『見せかけのカクテル』だから違う意味があるのかもしれないけど」
潜ませた言葉に嘘はない。
けれどまだ、真正面から言うには照れくさいし、立場が許さないから……今は、真似事で許して欲しい。
「いつか、本当に僕らの関係が変わるときが来たら」
そのときは、カクテル言葉だなんて意地悪をしないで……素直な気持ちを、君に。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
この度はリクエスト頂きありがとうございました、浅野です。
早川先生との……いえ、今回は
『珪さんとのデート』
、お楽しみ頂けたでしょうか!
お二人の心情をじっくりじっくり描写しようと思うと、全てのデートスポットを上手く回りきれなかったかなと悔しい思いもあるのですが、春のひとときに合うデートが表現出来ていれば嬉しいです。
今回、珪さんの好きな場所(行きたい場所)に、ということでしたが、
さすがに綾辻さんを行きつけのバーへ連れて行くことは叶いませんでした。
……でも、どうして彼は、こんなお店を知っていたのでしょう?
車を運転するからかな? それとも……? 色々考えて、楽しんでみてくださいね。
それでは、早川先生に意地悪された綾辻さんへの裏話は、早川先生の見ていない個別で!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月20日
参加申し込みの期限
2024年09月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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