【期末テスト】赤点？留年？？春雷、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？留年？？春雷、四日間の死線＜物語編＞

　巫部紫苑は帰宅して軽く夕食を食べ、入浴などを済ませ、いつでも寝られるよう支度をしたところで、数日後からあるテスト勉強を始めることにした。
「さて……と言っても範囲聞いていないんですよね。まあ……一月からの範囲を復習しておけば大丈夫でしょうか」
　机に向かって、教科書を開き、ノートにシャーペンを走らせる。
「高校最後のテスト、ですからね」
　気合を入れる。
　しばらく集中して勉強を進めていたが、ふと作業用の動画を流そうと思い立つ。
「あ、これにしましょう」
『お夜食作って食べる！』という動画だ。
手元のスマホに動画を流していると、すぐにお腹が鳴った。
「……。まだ９時ですしね」
　シンプルな塩おむすびと漬物、そして簡単に作ったコンソメスープを用意し、おにぎりを食べながら勉強だ。
「具が入っていなくても美味しいですね」
　漬物の塩味が丁度良い。そしてコンソメスープ。
「はあ、落ち着く……」
　おにぎりにコンソメスープ、意外に合う組み合わせだ。動画は鮭おにぎりにけんちん汁だったが、十分だろう。
　お腹の膨れ、まったり動画を見つつ、テストの日に備えることにした。

　迎えたテスト初日。
　網タイツのバニーガール姿で学校に着くと、同学年の顔ぶれが少ないような気がした。
「時間的に遅いですけど……」
　キョロキョロを辺りを見回しながら、教室へ向かうことに。
「巫部さん？」
　はっとして振り返る。女性教員がぽかんとした様子でこちらを見ていた。
「あ、今日、自由服装ですよね？」
　何かまずかっただろうかと恐る恐る聞いてみる。
「服装は自由だけど、三年生はテストないのよ」
　教養にはなったが、数日間の勉強はほんの少し無駄になってしまった。
「そう……でしたか」
「ま、まあ。他にもいたから」
　自分だけではないことに安堵しつつも、とぼとぼと帰ることになってしまうとは。

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