this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
にゃーにゃーにゃーとイタズラ魚
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
【エノコロ岬のお祭り】
――わざわざ、ねこの日『2月22日』をこのように大きくお祝いする土地など寝子島くらいなものであろう、と。
エノコロ岬を目にした珪はまじまじと広がる光景を眺めていた。
ここは草原広がる景観こそ良いが、人が大量に訪れるような所でもない。
何故この様な所で祭りをやっているか分からないが、少なくとも今、まるで整地でもして崖から落ちないように縁に臨時の柵まで張り巡らせた場所は、吹き抜ける潮風と共にあるお祭りスポットとしては極めて新鮮だ。
「ここですね」
「こんな時でなければ、気兼ねなく一緒にこれたのにと思うとにゃ…ああ、もう『にゃ』はいいにゃ!!」
「ふふ、そんな珪さんもとても好きです。……同じ猫耳しっぽのひともやっぱりいるみたいですし、せっかくですから何か買って一息つきませんか?」
「そうだにゃ……ここで取り乱してもしょうがないからにゃ」
綾花が取っていた手を、珪がふと慣れ親しんだもののようにきゅっと握り返してそう告げる。
同時に、とても違和感など無いとばかりに普段では一定を保つ綾花との距離をするりと詰めて歩き始めた。
その自然さはまるで猫のよう――
「(あれ、珪さん……?)」
いつもならば、驚くような近い距離感。綾花が少しだけ珪の顔を覗き見れば。珪はこの場の雰囲気によるものだろうか、外見のせいもあるだろうが、いつもとは少し雰囲気も異なる好奇心に近い表情を見せていて。
「珪さん、あそこに鮎の串焼きがありますよ。もう三時のおやつの時間ですし、ちょうどよいかも知れませんね」
「ああ、道理でいい香りがすると思ったにゃ。綾辻さん、さっそく行こうにゃ」
少しいたずらっぽく、同時にふにゃり、と珪が笑って綾花に応えた。
――大好きな人から揺れる猫しっぽに、周囲の賑やかになりつつある喧騒を拾う猫耳の小さな動き。
何という大好きが重なる日――今日は、きっとハッピーデーに違いない、綾花はそう確信せずにはいられなかった。
簡易的ながらもきちんとベンチや休憩所まで用意されている本格的なお祭りの中で。
ベンチに二人並んで座りながら、さわさわと風になびく草原で食べる鮎の塩焼きは、程よい塩加減にふんわりホクホクとした魚の風味がとても美味しかった。
見れば先程よりも、猫耳猫しっぽの人の来客が確実に増えている。どうやら途方に暮れた人々が、珪と同じように途方に暮れてはここに集まって、ひとまずのお祭りを堪能しているようだ。
これならば、珪が悪目立ちをすることも無さそうである。その可愛さに満足しつつも少しだけ心配していた綾花の懸念も解消され、そっと一息つく。
「……」
ただ、ひとつ気になる点があるとするならば。先程から、いつも顔を合わせている珪の、いつもとは違うその仕草であろうか。
「ん? どうかしたかにゃ?」
会話は語尾以外は普通に行える。だが、仕草は動く耳しっぽを差し引いても、いつもより何処か少しだけ幼いように思える。草原の風などを、草を通して目で追いかけていたり、何もないところをじっと見ていたり――ああ、これはまるで。
「いえ、まるで今の珪さんは、」
すりっ
「ふぁっ!」
不意にこちらへとしっぽを寄せて身を擦り寄せてきた珪に、綾花がその驚きに限界まで情緒の針を振り切り思わず声を上げる。
「うん、空腹が満たされたら、何だか気持ち良くなってきたにゃ」
珪はそれを気にする事無く、甘えるように更に『ぐしっ』と綾花に体を寄せてくる――
「わ……ぁ……っ」
こうなると、綾花にしてみれば己の心臓の耐久試験でもをしているようだ。狼狽えながら視線を向ければ、目の端に映る珪は幸せそうに目を閉じて微笑んでいる。
綾花は『ならば、こうも緊張に心臓がばくばくしているのは自分だけなのだろう』と必死に己に言い聞かせながら、この状況について思いを馳せた。
珪は高校教師という立場上、人前での己の行動には常に一線を引き置いている。綾花にとっては、どれだけ強い恋心が共にあっても、珪は人前では大人であり、格好良く、優しく凛々しい先生であるのだ。
それが今日――見事に崩壊している。その所作はまるで猫のようであり、しかも時間が経つにつれてその影響は強くなっているようだ。
思わず周囲を見渡せば、草原にたなびく風を追うように一緒に駆ける人がいて、その人物にもやはり猫耳しっぽがあり、元気に喜びなのであろう感情とともに動いているのが目に入ってきた。
一見不可思議な光景ではあるが、今は『その光景を奇行と取らない人』しかいない様子も受けて見て取れる――つまり此処には、この現象を知っている人、綾花のように連れが猫のようになってしまった、もしくは猫耳しっぽが生えているかの何れかという事なのだろう。
ぐしぐしと、綾花に額をこすりつけている珪は本当に甘えん坊の猫のようだ。しかも時間が経つにつれ、深刻化しているようにも見える。
こうなれば、珪も猫も大好きである綾花にとっては、ただひたすらそこにある天国のようにすら思えてきた。
「(時間が経つと性格も猫っぽくなりそう……にゃんこは自由で甘えんぼな子が多いけど珪さんもその影響を受けてるのかな……?)」
もしそうであれば、珪がどのような行動を取るかは想像もつかない。猫とはその様な生き物なのである……が、それでも良いかと綾花は思う。
大好きな人が猫になっても大好きのまま……と云うよりは、それで大好きな猫のように意外な一面が見られるのであれば、むしろそれを幸せと言わずになんと表現すれば良いというのか。
片手を綾花の肩に置き、もう片方の肩に額をぐいぐい。これはもう、甘えてくる珪がこの場でにゃ~んと言ったとしても何一つとして驚く要素がない。
「(可愛い……っ)」
少々、否、かなり大きな体躯の猫かも知れないが、その大きさも重みも綾花にしてみれば幸せの重みだ。
胸はドキドキして止まらないけれども、感じるものは安心感と幸福感。
少し周囲を見回せど、まるでこの場には、神魂の影響か猫化に関係した人しか入れないような雰囲気を漂わせている。知り合いもいなさそうであると判断すると、綾花は甘えてくる珪に微笑んで頭を可愛らしく撫で、その体躯の良い体に細い手を回し、大きすぎるにゃんこを抱き締めるようにぎゅうっと力を込めた。
綾花が、しばらくそうして珪を甘やかしていると、だんだん珪の動きがとろとろと遅くなってきた。
珪の頭が、うつらうつらと揺れ始める――そして、カクン、と眠さに負けるように横に傾いだ。
今、二人が座るのは優しい陽光のささやく草原のベンチ。確かに祭りの喧騒はあるけれども、決してうるさいものでもない。
「珪さん、ちょっと眠りますか?」
「ああ、ごめん、にゃ……せっかく綾辻さんと一緒なのに……眠くてにゃ……」
「いいんです。良かったらお膝へどうぞ」
まるで本当のにゃんこへ伝えるように、綾花が微笑んで自分の膝へと軽く手を置き指し示す。
珪は、猫化と眠気の方が様々に勝っているのであろう、ベンチに座っていた体勢を変えて半身を横にすると、素直すぎるほど素直に、コテンと綾花の膝に頭を置いてうたた寝をし始めた。
「日が当たると暖かいですね」
当たる光が柔らかく珪の黒髪と耳の毛並みに反射する。
それらを優しく撫でながら、綾花は思わず胸いっぱいに思うのだ。
ああ、これは、
――何という幸せな時間――
<< もどる
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
にゃーにゃーにゃーとイタズラ魚
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
斗々
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
恋愛
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月03日
参加申し込みの期限
2024年03月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!