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【旅の途上】
幾度も繰り返し見る夢がある。記憶のパッチワークのような、奇妙なツギハギの夢だ。誰しも経験があるだろう、今見ているのは夢なのだと夢のなかに気がつくというあれだ。
稲積 柚春
が眠るたび見るのはそんな明晰夢だった。
「どんな夢だい?」
「あんまり……話したくないかな。とにかくひどい夢なんだ」
書斎のデスクから顔を上げ、
ウォルター・B
は怪訝そうな顔を浮かべた。
「そんなに?」
「うん。ひどいことがたくさん起こって……みんな死んじゃう夢。僕もワットも」
「そりゃこわいねぇ」
かたかたとキーボードの打鍵音が心地よかった。寝覚めがわるくとも、こうして彼と過ごしているだけでずいぶん気分はマシになった。
天地をつなぐほどの竜巻とか、ビルをなぎ倒す大津波や地を割り噴き上げる赤熱したドロドロの話なんて、口にしたくない。特に今は。大事な時なのだ。
「しかしまあ、うなされるほどのひどい夢が続くんだろう? 一度医者に相談するってのも手かもしれないよぉ。知り合いに腕のいい診療医がいてさぁ」
「それよりワット、そんなふうに仕事なんてしちゃってさ。忘れてないよね? 式場選び」
「忘れてない、わすれてない。わすれてないとも」
「ほんとかなあ~? けっこう抜けてるとこあるからなあ、僕のダンナさまは」
「君こそ、その抜けてる男と結婚しようとしてるって分かってる?」
ふふん、と挑発的に柚春はウォルターへとのしかかる。言うまでもなく彼と添い遂げる覚悟は定まっていたし、付き合ってみれば案外ずぼらなところも、ドジなところも今さらだ。見ればシャツの襟からHomesteadなんて書かれたタグがひょこっと飛び出していたりする。けれどそんなだらしない一面だって、柚春には愛おしい。
「……しあわせになろうね。ワット」
「善処するよぉ」
「もう、そこは分かったよ、って言うの!」
結婚は通過点だ。これからもずっと続いてゆく、長い長い道の連なりを見据える柚春の瞳が揺らぐことはなかった。
「ユズ! ユズハ・ブラックウッド、いるかね!?」
ロンドンでの新たな生活、新たな空気、新たな風にもなじんできた頃だ。ほころびが柚春の視界をよぎり始めたのは。
「主任? 僕……私はここに」
「ああ、いたかね! すぐに帰りなさい!」
「え、でもちょうど今、あたらしい香水ができあがって」
「連絡があったんだ! 君の夫が交通事故に……」
初老に差し掛かった男の白衣の胸に刻まれたHomesteadの刺繍がやけに目につくも柚春は駆け出し、バスに飛び乗った。
祈りながらも窓の外を流れてゆくきらびやかなネオンが光の尾を引き柚春を引きつけた。アルゴンガスと電子の衝突が灯すHomesteadは柚春を引きつけたが今は夫のことで頭がいっぱいだった。
「……ママ! パパが……パパが」
「カオリ、どうしたの? パパがどうしたの、ああ、ワット……」
一転した家族の生活はHomestead。疲弊し、翻弄され、転げ落ちてゆく。程なくして家を出た娘が、見も知らぬ男と駆け落ち同然に国外へ出て行方知れずとなったことは柚春をさらに追いつめた。
ウォルターは一年たち、二年たち、三年が経過しても目覚めることはなかった。事故の衝撃が彼の意識を深い底へと沈みこませてしまったらしいHomestead。
「どうして。ワット。どうして……」
いくぶん色褪せたように見える金色をそっとなでつける。こぼれた雫が彼の頬を点々と濡らした。
どうして。なぜ。僕がこんな。言葉が口からこぼれるうち、諦観は相手も定まらぬ恨みとなり、柚春を黒く染めた。Homestead、どこからかけ違えてしまったのだろう。どこから間違えてしまったのだろう。
「ワット……ふたりで、Homestead……」
瞬間。
「ぼ。僕は」
巨大な震動が足元から頭頂までを貫き、空気まで揺さぶりつくすような雷鳴が全てを白日のもとへとさらけだし、柚春を覚醒へ至らしめた。
「僕は……悪夢を見てる!!」
穏やかな風が吹き抜けた。小高い丘も据えられた古い樫のベンチも、身をつつむワンピースもつまるところつくりものだが、柚春の心はいまやフラットで落ち着いていた。
隣で眠るウォルターはどんな夢を見ているやら、口元をゆるませて柚春の肩へ頭をあずけている。その重みが愛おしく心地よい。
「ええと。つまり?」
「ほんの些細なトラブルでして。ちょっとした隕石がこつん、と船首にね。航行に問題はありませんが、えー……ブラックウッドさん。まあ時おり起こり得ることです。想定外の覚醒はね」
「ワットは無事、なんですね?」
それこそが柚春にとって唯一無二だ。ほかは目の前の女が語るように些末ごとに過ぎない。
「ええもちろん。ただ見てのとおり、シンクロプロセスが遮断された状態でしてね。ご主人はあなたが単身赴任中と思っていますが、あまり長期に渡ると違和感が大きくなって、神経保持に問題が発生するかもしれません」
「僕は戻れるんですか」
「あなたの了承さえあれば、すぐにでも。私は全てのクルーの安全を第一に保障せねばならない立場にありますが、本当を言いますとね、無理強いはしたくないのです。Homestead号は乗り心地もサービスもクソ、最悪の移民船。☆1つ、などとトピックに書かれるのは心外ですので」
女はプログラムの産物とは思えないほど豊かな表情でそんなことを言い、ウィンクをひとつ残して姿を消した。呼べばいつでも現れて、柚春を彼の夢へとつないでくれるだろう。
まだまだ、旅の途上だ。あと何光年だか……女の説明に柚春はピンと来なかったが、なんにしろまだまだ眠らねばならないだろう。
「ふふ。しばらくはふたりきりだね、ワット」
相談し合って、子どもをつくるのは着いてからと決めていた。娘に再会するのは先のことになるだろう……あるいは息子か、両方かもしれないが、いずれにせよ楽しみだ。
さしあたっては新婚旅行の続きを満喫することにして、柚春は眠るウォルターへ口づけ、まぶたを伏せた。
「やあ、おかえり。待ちわびたよ、マイハニー」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月16日
参加申し込みの期限
2024年02月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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