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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~茄子編~
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進学先が推薦で決まっていた
羽生 碧南
は、同級生たちのなかでも時間や心に余裕はあっただろう。
とは言っても、特別試験勉強に時間を費やさなくていいというだけで、暇なわけではない。新作の乙女ゲームだってやりこみたいし、大学生らしいファッション研究にウィンドウショッピングだってしたいし、もちろん恋人である
鷹取 洋二
とデートだって。
長身であるが故に、あまり女性扱いをされることはなくても、中身はれっきとした女子高生。やりたいことを指折り数えたなら、両手で数え切れないほど思い浮かんでしまうものだ。
(推薦が取れるくらいには、バスケに打ち込んできたけど……これからは自由!)
ついつい引退後も部活を覗いてしまっていたけれど、それももうお終い。まとまった時間が使えるようになった碧南は、デート服に身を包みカフェで愛しいあの人を――待つことが出来れば、どれだけ良かったか。
ばさりとテーブルに広げたのは、旅行会社で貰ったパンフレット。それからソファの上には、数冊の旅行誌。
向かいの席には洋二どころか友人の姿もなく、碧南はたった1人でこれらと睨めっこを続けている。もちろん何か思うところがあって一人旅に出たいのではない。友達と行く卒業旅行のプランを練っているだけだ。
「みんな試験で忙しいからってさー……」
こういうことは、ワイワイと顔を合わせて決めた方が絶対に楽しいと思うけど、昨年末にはまだ余裕もあった友人らも、年越しを迎え試験勉強や新居探しに奔走し始めた。なら、息抜きがてらに顔を合わせた時にでも相談しようと声をかけてみたが、受験ストレスの溜まった女子高生が集まれば、話は脱線に脱線を繰り返して必要なことすら決められず。そうこうしているうちに、試験の日は刻一刻と近づいてきてしまった。
そこで碧南が、ある程度プランを厳選する役目を託されてしまった、というわけである。
(責任重大だなぁ)
大まかな予算と行きたい場所は決まっているので、あとは細かな時間配分や寄りたいお店を決めるだけ。
……と言えばいくらか気は楽だけど、一任されるとなるとコートに立つのとは違った緊張が襲う。頼られるのは嫌いじゃないし、苦でもないから投げ出すつもりはないのだけれど、本当に自分が決めて良いのだろうか。
例えばもし、大好きな乙女ゲームの聖地巡礼がしたいとプランを組み立てたなら。
(いや、言わないよ? でも恋愛スポットになってるのもあるし、提案するのはアリかも)
神妙に考えて、やっぱりないかと苦笑する。こういうのは、同じ熱量で作品を愛している人で行く方が楽しめる気がして、そうなると洋二との旅行でも行けないかなと少し残念に思った。
パラパラと雑誌を捲り、メンバー別のお勧めスポットを見比べる。家族で行くなら、恋人で行くなら。それからアクティブな人やインドアの人にも合わせた紹介記事は、同じ場所でも視点を変えればより楽しめることを伝えている。けれど、碧南と洋二には上手く当てはまるだろうか。
乙女ゲームは大好きだが、バスケなど思いっきり身体を動かすことが好きな碧南と、身体を動かすことはあまり得意ではなく、進学先も美術系を選んだ洋二と。何かと波長は合うから、いざ現地に行けば楽しんでしまえるのだろうけど、事前に行き先を絞って向かうことはできるか心配だ。
「旅行かぁ……」
寝子島内のデートで物足りないわけでもないし、大学生になれば寮の門限を気にせず足を伸ばせる。そういったミニ旅行ならともかく、宿泊で旅行なんて機会は早々ないだろう。
(だってお泊まりって!)
内心ではキャーキャーと騒ぎながらも、碧南はその動揺をひた隠しにしてクールにカップを手に取った。飲み頃になったカフェラテで落ち着きを取り戻しつつ、ゆっくりと思いを巡らせる。
もう幾日もすれば、大学生だ。恋人と1泊や2泊の旅行など、する機会だってあるだろう。保護者の必要な子供でもあるまいし、将来のことを考え大人な付き合いをするのは至極当然なこと。
……そんなことを考える碧南の一般人への擬態は、そろそろ限界を迎えそうだった。
(お家の事情とか考えてるような人だよ? とりあえず勢いで~って付き合っちゃわない人だよ? それって結構さ、私とのことも真面目に未来まで考えてくれてるってことだよね!?)
愛されている。
改めて彼に想われていることを自覚して、碧南は適当に掴んだ旅行誌でにやける顔を覆い隠した。
もしかしたら、彼の人生計画に逸れるような出来事には待ったがかかるかもしれないけれど、それでも息を合わせて進んでいけるならスローペースでもハイペースでも一緒に走りたい。
(フィールドのリズムに合わせて試合を進めるのは得意だし!)
むんっと気合いを入れて人様に見せられる顔を取り戻すと、碧南はパラパラと旅行誌を眺め始めた。
(鷹取先輩と旅行に行くなら、どこだろう)
有名な建築家が建てたものや、何十年に1回だけお披露目される美術品。様々な美しい物を見て感銘を受ける彼を盗み見るのもいいし、奇抜なオブジェに対して想いを語る彼の熱意に耳を傾けるのも楽しそうだ。
人工物だけでなく、自然物だって捨てがたい。四季折々に見せる優美な姿は時間帯によってもさらに様相が変わるし、彼は2人きりでの旅行だということを忘れて絵筆を取らせてしまうだろうか。
(アシスタント紛いのことをやるはめになるくらいなら、いっそのこと旅先を楽しむ私を描いて貰うとか?)
そんな心配をしなくても、洋二は隣にいる碧南を忘れはしないだろう。子供のようにそわそわと様子を窺い、簡単なスケッチくらいならどうかと上目遣いでお願いすることはあるかもしれない。
こと音楽にも才のある彼のことだ、良いフレーズが浮かんだと即興で鼻歌を披露してくれるかも……なんて考えると、楽しい旅行になりそうだ。
けれど、こちらが洋二の好きな物に合わせたいと思うのと同じように、彼だって碧南の好きなことをしたらいいと言うだろう。そんなとき、遠慮無く自分をさらけ出せるだろうか。
(……う~ん、聖地巡礼はやっぱり違うし……洋二さんが行きたそうだったからって言ったら気を遣わせるし)
ぱらり、ぱらりと旅行誌を捲りながら、碧南は思案する。手を止めたのは、恋人との旅行で洋服をどう着回すかというファッション講座のページだった。
大学生になって少し大人っぽくなった装い、バスケで引き締めてきた長い四肢。彼はどんな姿なら目を奪われるだろうか。
ふふりと企み顔を見せ、碧南は目的地別に合わせたコーデを眺める。さすがに卒業旅行のこの時期、国内では泳ぐことは叶わないが、だからこそ南国へ向かうグループもあるようで水着の紹介もあった。
(洋二さんと、外国の海……)
きっと誠実な彼のことだ、学生のうちは同年代が笑ってしまうくらい清く正しい交際になるかもしれない。
であれば、進学祝いに旅行に誘っても狼狽えてしまうだろうし、それが常夏の海だなんて言えば頭を抱えてしまうかも。
イマドキな学生の普通と比べるような、他人のペースは気にしない。洋二と2人で時間を重ねられたら、それこそが幸せなのだから。
(うーん……でも、待ってばかりも私らしくないよね)
何せ最初の告白は、ぶつかるようなキスだった。ダンスタイムというロマンチックなシチュエーションだったのに、それを台無しにするような歯がかち合う音なんて、恥ずかしくてたまらない。
そんな猪突猛進な碧南が、しゃなりしゃなりと後ろを歩くことを洋二は望んでいるだろうか?
かといって、女にリードを取られることを望んでいるだろうか。
難しい問題にぶち当たり、碧南は水着のページを開いたまま考え込んだ。
(春は淑女に振る舞って、夏は大胆な女豹になってみるとか)
二面性というのはオイシイもの。それは、男女共通の萌えというものではなかろうか。
年下の可愛い後輩が実はワルのリーダーをやっていたりとか、年上頼れる先輩の不意をついた甘え。乙女ゲームをやっていても、数々のギャップにコントローラーを握りしめながら悶絶したものだ。
「って、ムリムリ! いくら度胸があっても、さすがに」
「おっと……」
パパッと夢想を払うように手を振るうと、背後から声がした。
ここは自室ではなくブックカフェ。驚かせてしまったのかもしれないと、碧南は詫びるために振り返った。
「すみません、大丈夫……洋二さん!?」
「やっぱり碧南さんだった。考え事の邪魔しちゃったかな?」
大学の試験勉強のため訪れたという洋二は、碧南の手元を覗き込む。もちろん、そこには水着の特集ページがあった。ただそれだけなら、女の子のファッションは早くからアンテナを広げる物なんだなと思ったかもしれない。けれど、その表紙には少し恥ずかしくなってしまう文言も書かれていて。
「考え事ってほどじゃないです。友達と、卒業旅行へ行くのに、予定を任されてしまって」
嘘ではない。
けれど、つい先ほどまで洋二との旅行について考えていたなど言い出せず、碧南は旅行誌を閉じて愛想笑いを浮かべた。
「そう? 僕は好みの水着でも聞かれるのかとドキドキしてたんだけど」
苦笑しながら隣へ腰掛ける洋二は、散乱していた雑誌類をまとめて、自分が勉強をするスペースを作り出してしまう。
「碧南さんたちの旅行については口出しできないけど、くれぐれも他の男を魅了してこないでくれよ?」
学年が違うと離れる時間も多いし、学部が違うと会うことも難しいけれど。
でもこうやって、違うことをしているのに一緒にいるというのは、案外悪いことでもないかもしれない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月03日
参加申し込みの期限
2024年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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