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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~茄子編~
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どーんっと、大きなことがしたい。
冬の海浜公園で面白いことを探していた
ゼロ・シーアールシー
は、ふと思い立って両手を空に広げた。
くるりと周囲を見渡しても、突如世界が変わるわけでもなく、触れられる物もなくて、ゼロは何ならできるかと考える。
夏よりも低く白みがかった空なら掴めるかもしれないと思ったが、小さな背丈のゼロが伸びをしたって雲すら掠めないし、もっと下を飛んでいる鳥だって手にはぶつからない。
その足りないと感じるぶん、自分が小さいのだと思ったゼロは、こてんと小首を傾げた。
(おおきなこと……どれくらいあれば、おおきなことでしょー?)
例えば、この両手に抱えきれないくらいの大きな
謎団子
を作ってみるとか。
例えば、見渡すかぎりのもっふもふと一緒にお昼寝をするだとか。
頭を捻って考えに考えるが、どうにも普段と変わらないようなことばかりな気もする。
(もっと、もーっとおおきなことがいいのですー! おおきくなりたいのですー!!)
ふんすと両腕で拳を作り、意欲満々で胸元で振るう。
そう、例えば、たとえば――ゼロは反対側に小首を傾げて、もう一度じっくり考え直した。
(どうして、ゼロはおおきくなりたいんでしょー?)
確かに、『今の』自分は小さい。
両手を伸ばしたって砂浜の広さには敵わないし、気まぐれな波は突然頬にまで飛沫をあげることだってある。
大きくなれば、この寝子島をすっぽり抱きしめられるかもしれない。
大きくなれば、どこまで行っても海で溺れることはなくて、波なんかに負けないかもしれない。
子供サイズの手のひらを太陽に透かせ、ゼロはぱちぱちと瞬いた。
同じ年頃の女の子たちは、背丈がぐんと伸びてお姉さんっぽくなってきた子も多いけれど、何故かゼロは変わらない。8歳くらいで成長が止まったと言えばそうだし、ずっとこのままだった気もする。
(ずっと?)
もう一度手のひらを胸元に持ってきても、もちろん指先はすらりと長く伸びはしない。ぷにっとした子供らしい手に見覚えがあるのだって、これが自分の手なのだから当然だ。
(でも……)
やっぱりなにかが違う。大人になったことがあるような、ただ単にもっと大きかったような、不思議な感じ。
どんな風にとは説明できないけれど、確かに違った気がして、ゼロは海浜公園沿いの浜辺を走った。
一生懸命走ったけれど、8歳の身体では海浜公園の端から端まで辿り着くのも困難で、ゼロは途中で息を整えるようにしゃがみ込んだ――はず、だ。
「んんー?」
足をくすぐる、冷たい水。サンサンと降り注ぐ日差しは、長いつばの帽子で避けてしっかりを前を見据えることができた。
少し向こうには、やっぱりゼロが両腕を広げても太刀打ちできない大陸が広がっているけれど、目の前にあるこの島ひとつくらいなら飛び越えられるかもしれない。
「だれかが、おもちゃを置き忘れちゃったのでしょうかー」
精巧な模型なのだろうか。ゼロはそっと島を持ち上げようとして、掴むところがなさそうなので諦めた。
人がぎゅうぎゅうに乗った電車が走り、車はクラクションを鳴らしながら大きな橋を越えて逃げようとしている。台風か怪獣か来るのだろうかと振り返ったが、ゼロの背後には夜まで晴天が続くだろう夏の青空が広がるばかりだ。
(もしかして、ゼロがこわいです?)
そりゃあ突然、ひとつの町を日陰にしてしまうような大きさの生き物が現れたら、小さな生き物は恐怖で混乱するだろう。けれど、ゼロには普通の感覚が少しわからなかった。
自分が同じ立場であったなら、逃げ惑う人たちの隙間を逆走して、どこから来たのかとか、お友達になりましょうとか話しかけたに違いない。
時折、特撮の怪獣を見つけたかのような顔で見上げるちびっ子と目が合ったけれど、微笑むが早いか親に連れ去られてしまい、友達にはなれそうにもなかった。
「あーそびーましょー」
それでも、ゼロがめげることはなかった。
向こうから来てくれないとメソメソ泣いて待っているタイプの内向的な性格などしていない。こちらから声をかけて腕を組み、オススメのお昼寝の場所へ連れて行くくらいの行動力はある。
(まずは、ゼロが怖くないよって教えてあげないとですー)
にっこり微笑んで、手を振ってみる。
じぃっと覗き込んでいた巨体が動いたというだけで、なぜだか人間は一層恐怖に駆られたようだ。
ならばと今度は、楽しそうなことを考える。指先ひとつで簡単に溢れさせることのできるプールに海水を注いで、お魚と泳げるプールを作ってあげるとか。電車の通り道に、大きな砂山でトンネルを作ってあげるとか。
……そんなことをされては、余計に怖がられるだろうなんてことは露ほど思わず、ゼロは楽しく浜辺で遊びだした。
「
謎茶
を飲んでもらったら、みんなでまったりできたのに、ざんねんですー」
大きくなって楽しいが、謎団子と謎茶の材料をお店に買いに行けないのは残念だ。
いや、海水と砂浜に転がる貝や岩場にいる海老なんかでできるかもしれないし、もっと言うのも憚られるような食べられない物が材料かもしれないが、さすがのオープンキッチン(?)では、ゼロも材料にこだわりたいらしく、おぞましい物には手を出さなかった。
(でも、なかよくなるには、やっぱり一緒にごはんがいいですー)
たくさんのお魚を浜辺に打ち上げることはできるだろうが、それを調理する術が無い。
島の少し奥に生えている木々を揺すれば木の実が取れるかもしれないが、その小さな実を拾い集めるのは一苦労だ。
どうしようかなぁと空を見上げ、もくもくとした雲が綿菓子なら良かったのにと溜息を吐く。
(あんなにふわふわで、どんどん大きくなるのに……おおきく?)
1口くらい分けてくれても、と思いかけたところでゼロはぱちぱちと瞬いた。
夏の海、急激に雲がもくもくと集まってくるとしたら、スコールだ。
それを知ってか知らずか、ゼロはそぉっと雲へと手を伸ばす。パチリ、パチリと静電気のようなものが指先にあたり、雷雲ができていることを伝えた。
まだ人間は、走り回っている。そうでなくとも、突然の雷雨は困るはずだ。
何よりゼロだって、遊びたいのに天気が悪くなるのは困る。
「むむー……かえってください!」
手で払うようにして雲を掻き分けるも、千切れて広がった雲は再びくっつき大きくなる。右に払えば左で隙有りと雨を降らすし、左を払えば背後で合流されて雷鳴が轟く。
とうとう、ゼロの手をすり抜けるばかりだった雲たちは大きな一塊の入道雲となり、島に激しい雷雨を叩き付けた。
「だめー!」
ビリビリと轟いたのは、雷鳴のような叫び声。ゼロは自分が濡れるのも構わず、被っていた帽子を人の集まる場所へとかざした。少し前屈みになることで自分も傘の役割をすれば、この激しい雨も幾分かマシになるといいなと願って。
遠慮を知らないスコールは、激しくゼロへと打ち付ける。その冷たさに、ゼロはぎゅっと目を瞑って堪えようとしたのだけれど。
「にゃ~ん」
帽子を持つ指先が、ザリザリとする。雷でも当たって痺れているのかと思ったが、それにしては温かだ。
「にゃー……」
心配そうな猫の声が聞こえて、ゼロはそおっと目を開いた。
目の前一杯にもふもふの毛並みが揺れていて、ひんやり冷たい場所に横たわっている。
どうしてと考える前に、ゼロの頭へ誰かがポンポンと叩いた。起きろと言うことらしい。
「海……?」
端から端まで、まごうことなく砂浜が広がっている。
でも、さっきまで見ていた玩具のような島は見えない。いつも見ていた、当たり前の景色だ。
「にゃんっ!」
ふんすと鼻を鳴らして、猫が得意気にゼロの周りを歩いている。
そういえば、散歩をしている途中に猫を見つけて、追いかけっこをしていたような……?
どこからどこまでが夢だろう。ゼロはこてんと小首を傾げてみるが、さっぱりわからない。ついでとばかりに両手を太陽にかざしてみたが、やっぱり手は小さいままだった。
「でも、あれもゼロだったとおもうのですー」
「にゃあ?」
「ふふふー」
冬の海には特別面白いものは見当たらない。けれど、楽しい夢は見られた。
今度は、大きくなったら何をしよう。
それを考えるだけで、ゼロは何もない海岸の散歩が楽しくなった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月03日
参加申し込みの期限
2024年01月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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