アソビの森で遊んじゃおう｜リアクション

アソビの森で遊んじゃおう

　その日、寝子島の住民達は寝子電スタジアムに集まっていた。

　アソビの森。
　国内の大手玩具メーカーや販売店の協賛で開かれた、古今東西のおもちゃや遊びが集う博覧会。
　子供から大人まで楽しめるこのイベントは朝から晩まで、休むまもなく色々なおもちゃで遊ぶことが出来る。

「あー！」
　姫木じゅんの悔しそうな声が聞こえる。

　モニャポリー会場で遊んでいた朝鳥さゆる。
　じゅんの「行きたい！」の声に従ってアソビの森に来てモニャポリーを遊んでいたのだが、ルールがうまく理解出来なかったのかじゅんは早速破産してしまった。
　対するさゆるは早々にルールを理解して、順調に資産を増やして頂点へと上り詰める。

「すごっ！？　どうしてそんなに稼げたの！？」
「仕組みが分かれば簡単よ。何も難しいことじゃない」
「仕組みって言われてもなぁ……」

　少々落ち込み気味なじゅんに対し、さゆるは仕方ないよと声をかける。
　苦手な人はとことん苦手なタイプのモニャポリーのゲーム性。それを理解しろというのが難しいだろうと。

　でも、まだ遊び足りない。
　そんなじゅんはさゆるの手を取って、他にも探そう！　とコーナーを巡り巡った。

　アソビの森という名前なだけあって、歩けば歩くほど様々なおもちゃが目に映る。
　子供の頃によく見かけたゲームだったりおもちゃだったり、昔ながらのおもちゃもたくさん見つかる。
　中にはトレーディングカードゲームもいくつか並んでおり、その中にはいつもじゅんが見ているニチアサアニメの魔法少女ミスティックエールのカードゲームもあった。
　ゲームがメインというよりはカードの収集がメインではあるが、それも楽しみ方の１つ。じゅんは財布を片手にいくつかパック購入。その場で開けて、レアカードを丁寧に同時購入したスリーブに入れておいた。

　それから、もう少し歩いたところで花札コーナーに到着。
　２人は何も言わずに花札で遊び始めていた。

「はい、これで月見で一杯」
「むむっ……」

　先程のモニャポリーではさゆるが強かったが、今度の花札ではじゅんが強く、細かな点数を積み重ねつつ高い点のある役を作っていく。
　さゆるがカスやタンなどで上がっても、じゅんはそれを上回るように点数を重ねていった。

「駆け引きが大事なのは、どんなゲームでも同じ……ってことね」
「そういうこと。はい、青短」
「むぐぅ！？」

　さっきのモニャポリーでの仕返しと言わんばかりに、ドヤ顔で青短を切ってきたじゅん。
　さゆるはそんな彼女に対し、微笑ましくも思いつつもどう切り抜けようかと悩ませる様子を見せていた。

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