アソビの森で遊んじゃおう｜リアクション

アソビの森で遊んじゃおう

「すごー……い」

　アソビの森にやってきた稲積柚春はウォルター・Bと共にいろいろなゲームを見て、巡り歩いていた。
　日本国内のありとあらゆるゲームやおもちゃが揃った一大イベントを楽しむため、あれやこれやと見て回る。

「ワットにとって懐かしいと思うイギリスの遊びとか、日本で知った思い出深いものとかあれば知りたいかな」
「イギリスの遊びかぁ。僕の周りではフェイス・ザ・クッキーも流行ってたかなぁ」
「フェイス・ザ・クッキー？？」
「おでこに乗せたお菓子を手を使わないで口に運ぶゲームだよ。……って、この会場にあるわけないかぁ」

　からからと笑ったウォルター。周りにあるのはおもちゃやゲームなどで、お菓子を使ったゲームは見当たらない。
　以前柚春と２人でパッキーゲームをやったこともあったが、それも同じくこのアソビの森にはない。

　その代わり、２人で一緒に遊んだことのあるゲームはいくつか見受けられた。
　一風変わったコマを使うチェスや、絵柄が様々なトランプを使ったポーカーなどなど、おもちゃ会社の様々な商品が陳列されている。

　そんな中で柚春が気になったのは、ツイスターゲーム。
　赤、青、緑、黄色の円が並んだシートを使い、カードで指定された箇所へタッチするという外国ではよく遊ばれているゲームだ。
　ウォルターも懐かしさから、柚春と共に遊びたいと提案。遊び方はなんとなく知っていたので、柚春も参戦することに。

　ゲームは簡単。お互いがお互いの手足を１つ指定して、色を指定して置いてもらう。指定した場所に指定した手足を置けなければ負けの２人用ルール。
　柚春は右足を黄色、ウォルターは右足を青にして、ツイスタースタート。

「じゃあまずは私。そうね……簡単に右手を青へ」
「確かに簡単だねぇ。じゃあ君は……左手を黄色へ」
「ぐむむ。いきなり捻らせてきた……右足を赤に！」
「じゃあ、こうかな……？」

　ぺちん、ぺちんと指定した色に指定した手足を置いていく２人。
　やがて距離を詰めてきたところで重なり合うようになり、密着する状態が続いた。
　ウォルターの上に柚春が重なる形になっており、腕が重なるぐらいはどうでも良かったのだが……まっすぐに自分の胸の下を伸びるウォルターの腕が少し恥ずかしい。

「柚春ってば、すごく上手だね」
「っ……～～！！」

　優しく囁かれる魅惑の声。
　少しだけ恥ずかしくなってくすぐったくなった柚春はわずかに身動ぎしてしまい、指定した色から手が離れてしまった。
　そのため勝者は自動的にウォルターとなる。もう少し粘っていたかったが、あんなに優しい声を出されたら恥ずかしくって力が抜けてしまうもので。

「も、もう１回！」
「えっ」

　今のはノーカン！　と言わんばかりに声を張った柚春。
　ツイスターゲームの時間はまだまだ続く。

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