アソビの森で遊んじゃおう｜リアクション

アソビの森で遊んじゃおう

　一方、アソビの森はおもちゃだけではなく、ゲーム機の展示も行われている。
　レトロなゲームだけでなく最新のゲーム機も並んでおり、客にはかなり好評だ。

　そんな中、綾辻綾花は早川珪と共に寝子太郎電鉄なるゲームを遊んでいた。
　NINKYODO FNYATCH版の最新作、すごろくのようにサイコロを振って世界を駆け巡るゲーム。物件を購入して総資産が一番高い人が勝利するというもので、指定年数になるまで資産を集めていく。
　ただし、キングニャンビーという妨害キャラクターがいるため、１位になったから勝てるというわけでもない。物件を勝手にひっぱたいてふっ飛ばしたり、パンチで叩き潰したりして物件の価値を無くしてしまうので、立ち回りは慎重にならなくてはならないのだ。

「あ、寝子島」
「へえ、寝子島もちゃんと収録されてるんだ」

　寝子島の駅に止まり、物件を購入していく綾花。寝子島もしっかり収録されていることにほんのりほっこりしつつ、次の駅を目指していく。
　ゴールとなる駅にピッタリと止まらなければ賞金が貰えないので、カードを駆使しつつ、時にはお祈りしつつゴールを目指す。

　そうして誰かが駅にゴールすると、お邪魔キャラのキングニャンビーを連れて次の駅を目指すことになる。
　このキングニャンビー、なかなかに厄介なもので、勝手に物件を捨てたり勝手に高すぎる物件やカードを買って借金させたりとプレイヤーの意図しない邪魔をしてくる。
　それにイライラする人もいるが、綾花と珪はのほほんとしていた。

「可愛いですね～。こういうやんちゃな猫って寝子島にもいますよね」
「確かになぁ。でも……」

　可愛い可愛いと楽しんでも、キングニャンビーのやることは洒落にならない。
　コンピューター相手でも容赦ない勢いで物件を削り、総資産を削っていく様子にビビって２人揃って押し付け合いを始めた。

　そんな殺伐とした様子ではあるが、実際の日本地図を元にしてすごろくをしているこのゲーム。
　それぞれが止まった駅に対して色々と語っていた。

「あっ、青森です。珪さんの実家があるところですね」
「やっぱりリンゴだよなあ、特産品」

「神奈川ってこの前のデートで行った吾妻山公園の景色綺麗でしたね」
「確かにな。また行きたいよな」

「北九州は確か珪さんの行ってみたい場所でしたよね」
「そうそう。時間があればなぁ」

　色々と巡り、その土地ならではの話を繰り広げる２人。
　そのうち楽しくなってきた２人は外国の話にまで手を伸ばして、目一杯アソビの森を満喫していた。

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