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2月、春に向けて
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竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~鷹編~
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青く蒼く碧い夜の海に、三日月から零れ落ちた光が道を作っている。
波打ち際まで白銀の色して煌めく幽かな光の上、月より白い蜜の色した衣が翅のように翻る。
ふわり、ゆらり、朝の光の水色したショールが月影を帯びて細い肩に踊る。夜空より深い墨の色した髪が冷たい夜風にさらりと靡く。
波の音と月の光を供に、ひとならざるナニカが海面に居る――
眠れぬ夜に砂浜を逍遥していて、ふと月の海を見晴るかしたときに目に飛び込んで来た景色に、瞬間、確かにそう思った。
見てはならぬものを見たと。
たとえば常ならば人目に触れることなき清らな神仙か。
たとえば深淵の如き夜陰の海に遊ぶ妖魔の類か。
確かなことはただひとつ、あれは決してひとではない。でなければ、何故これほどまでに目が離せない。何故、目を眩ませる光芒の如く美しい。
重さなど存在し得ぬように蜜の色した衣が宙に棚引く。ひらり、水の色したショールが夜風に羽搏く。
小鹿のような華奢な足首を彩る深海色の靴は歩くを許さぬが如き踵の高さであるのに、光の道を伝う歩はどこまでも軽い。否、もしかすると歩むに見えて歩みでないのかもしれぬ。
(そうだ)
あれほどに美しいものが、人間のように道を踏むものか。
心臓が轟いている。砂浜に満ちる波音さえ打ち消すほどに鼓膜に響く己の体内の音が、月の道に佇むものに届きはせぬかと畏れを覚えて、
(……否)
届いても構わぬと息を吐く。
月影に深く伏せた白い瞼が開きはせぬかと期待する。
どこか哀し気にも見える薄紅の滲む目元に心を奪われた。愛しい誰かを想って泣いて泣いて泣き疲れたようにも見える頬に触れてみたいとさえ願って、願った己を呪う。それはあまりに傲慢に思えた。
ひとが触れるにはあまりに繊細なものに見えた。触れればたちまち霧散してしまう脆いもの。虹のように指先にどんな気配すら残してくれぬもの。
そのくせ、こちらの心に生涯消えぬ彩を刻み付けてしまうもの――
誘われるを願ったように、知らず足が波を踏む。初めは恐る恐る、次いで追い縋るに似て波を蹴立てる。
その足はすぐに止まった。
月の光を浴びるまま、月影に伏せられていた白い瞼が揺らぐ。墨色の長い睫毛が震える。薄翅が羽搏くに似て眸を縁どる睫毛が幾度か上下する。
震える息を吐くように、瞼がもたげられる。叢雲に隠されていた月のような、木漏れ日に揺れる金木犀のような、蜜色の瞳が現れる。
視線に穿たれると信じた心臓が止まりそうなほどに打つも、その美しい眸は決してこちらをまっすぐには見なかった。
淡く伏せられたままのまなざしはきっとこちらを見とめているに違いないのに、けれど怯えるようにこちらを見ない。
怯えるのは、こちらであるはずなのに。
その証拠に、あちらに向かおうとした足は水底の砂に縫い留められて動かないのに。
墨色の睫毛の陰の落ちる金木犀の瞳が揺らぐ。
「君は、」
唇から落ちた声は、蜜色の小さな花が風に零れる音に似ていた。
――
僕
が、見えるのかい
海風にさらわれた言葉の代わり、その唇を読む。
言葉を向けられたことが嬉しくて大きく頷けば、金木犀の瞳は小さく揺らいだ。それは困惑のようにも労りのようにも見えた。
「みえないものが、みえるんだね」
花に似て柔らかな声であるのに、こちらの一切を柔らかく拒む言葉に聞こえた。
――みえないものである僕には、関わってはいけないよ
そう言っているように、思った。
反駁したくなる心を抑え込む。うつくしいひとを、困らせたくはなかった。だからそっと後退る。ずっと見つめていたい視線を引き剥がし、離れたくないと強張る踵を返す。うつくしいものから目を逸らす。背中を向ける。
波を蹴って数歩戻って、たまらず振り返る。
もういないだろうと信じたのに、取るに足らぬ己などすぐに見離すだろうと思ったのに、
「……振り向いてはいけないよ」
うつくしいひとは、まだそこに居てくれた。
気配も音もなく月光の道に佇んだまま、さようならと白い手を振ってくれた。淡く、月のように静かに微笑んでくれた。
さようなら、さようなら――優しい拒絶に柔らかく背中を押され、今度こそ背を向ける。夜の海から離れる。
また会いたいと願っても、きっともう二度と会えないだろう。
砂浜に瞼を閉ざす。
思い浮かべるのは、夜色の帳に隠された秘密の部屋。
三日月の寝台に幻影じみて細い身体を横たえ、金木犀の瞳は何を想い何を映すだろう。
窓の外に広がる星空か。
星空の下に眠るだろう愛し子か。
ことん、と深海色の靴が月を映す水面に似た床に片方落ちる頃には、その部屋に満ちるのは静かに深い寝息ばかり――
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました!
初夢フェア・鷹編、お届けに上がりました。
みなさま、どのイラストも素敵で、この素敵な絵をどう文字にしようかととても楽しく書かせていただきました。
ご参加も、ありがたいお言葉も、ありがとうございました!
みなさまをみなさまらしく描けておりますことを祈るばかりです。
少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。
このたびはありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月02日
参加申し込みの期限
2024年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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