this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~鷹編~
1
2
3
4
5
つぎへ >>
雪のひとひらも零しそうな鈍色の雲が流れて行く。
雪の代わりに流れ落ちて来た北風に整えた髪を巻き上げられ、
柏村 文也
は小さく息を吐いた。
待ち人は未だ来ない。
乱れた髪を手櫛に整え、腕時計の時間を確かめる。
雲を流してゆく風の音にかき消されるほどに微かな微かな音で時を刻む秒針を見るともなしに眺めていて、
(……さて)
ふと気が付いた。
(俺は誰を待っていたのだったか)
そう思った途端、羽織ったコートの重みを肩に感じた。首に巻いたネクタイが息苦しくなった。背広に通した腕が、皮手袋に納めた手指が窮屈に思えた。
知らず眉間に寄る皺を隠して腕時計の秒針に視線を落とす。僅かの狂いもなく時間を知らせる盤面に胸苦しさを覚え、知らず息が零れて落ちる。
伏せていた瞼をもたげる。
青銅の街燈が等間隔に並ぶ、見知らぬ街だ。石畳の美しい路に沿って古い街並みが続いている。
壁に蔦が這うカフェの看板には『幸福』を示す異国の文字。
外とは違い暖かいだろうカフェにけれど入る気にはなれないのは、『よもつへぐい』の文字が脳裏を掠めたからだろうか。まさか知らぬ間に立ち尽くしていた此処が黄泉の国でもあるまいが、この島では気づけば異郷に迷い込んでいることがままある。
今更と言ってしまえば今更であるのかもしれないが、
(気分だよ、気分)
此処が夢であるのか現であるのかも判別つかなかったが、頬に触れる風はひどく冷たかった。コートの襟を立たせる。首元に忍び込む冬風をせめても防ぐ。
読みさしの本を片手にしていることに気が付いて、ふと笑みが零れた。
(そうだ)
待ち合わせであるのならば、己が本を持っていないはずがない。
和綴じの古書を見遣る。四ツ目綴に黄朽葉色の表紙、記された題名の初めの二文字はかすれて読めず、ただ一文字、最後の『記』のみが読み取れた。読みさしの頁を開いてみれば、それはどうやらいつかの誰かの日記であるらしい。
奥付を見るまでもなく、紙の具合から見て百年は昔の誰かの日記。
いつ、どこで手に入れたのかも覚えていない。もしかしたら数日前に寝子島神社の境内で催されていた古書市で手当たり次第に買い込んだ古書の中に紛れていたものだろうか。
それともただの夢の産物か。
手書きらしい墨の文字を辿る。
なんということもない日記だ。
日々の食事、庭に咲いていた名も知らぬ花、立ち寄った喫茶店の珈琲と最新のお菓子『ホットケーキ』、喜劇役者の活劇に大笑いした嬉しさ――
年若い青年が形式ばって書くような固い文字運びに見えた。文章の合間に読み取れる細やかな心遣いは大人の女性のようにも思えた。
過ぎ行く日々を思うままに綴った文字や案外巧みな花や戯画の落書きを追っていて、
『その行為を愛と呼ぶのならば、私は誰も愛せない』
不意に、乱れた文字に行き着いた。
『独りで生きて独りで死ぬのだ』
涙を落とすままに殴り書いたかと思われる文字を指先になぞる。
次の頁を捲るには、呼吸ひとつぶんの時間が必要だった。
(あなたは、)
胸を満たす冷ややかな空気を吐き出す。
(……淋しかった?)
次の頁の日付は数か月分飛んでいた。
記されていたのは、日記を記し続ける決意と、その仰々しさを茶化すように軽やかな日々の記録。
ホットケーキをまた食べたこと、庭に咲いていた花の名が『テッセン』であったということ、ニンジャ活劇が面白かったこと――
海が揺蕩うようにどこまでも続いて行きそうなその日々の記録の中、僅かな寂しさが混ざり込むことはあっても、絶望は感じられなかった。だから気づく。あの乱れた文字は、どれほど心乱れようとこの先も生きてゆくという決意だったのだと。
愛せぬ己を拒絶するようなものでは決してなかったのだと。
顔も知らぬ、百年も昔の誰かと手を繋ぐように文字をなぞる。
続く日々を綴り続けた誰かの背中を思う。
待ち人は未だ来ない。
(それでも)
待てるだけ幸運とするべきか。
曇天の空の鈍色を透かせて青が見えた。
(それとも)
待ち人が来ずとも、それはそれで構わぬとしようか。
見上げた空に青を見た途端にそう思えて、唇に笑みを刻む。そうと決まればと手元の古書に視線を落とす。
時間を知らぬ世界へと沈み込んでゆく。
1
2
3
4
5
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
竜に乗ってどこまでも! 新春☆初夢フェア2024 ~鷹編~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月02日
参加申し込みの期限
2024年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!