いざ勝負！！！！｜リアクション

いざ勝負！！！！

　学校帰り、制服姿の仙藤蒼は、シーサイドタウンの風の原公園で足を止めた。
「あれ」
　どうやら、丁度、カプギアのバトルロワイヤルが始まろうとしているらしい。かなり賑わっている。
（これは参加するしかないね）
　人集りに近づいてバトルを覗き込む。
（こういう戦い方、凄いなぁ）
　人のバトルは見ていて楽しい。と、バトルが終わるというところで、対戦していた少年と目があった。
　少年はかなり慣れているらしく、相手の同い年の少年に勝ったところだ。
「お姉さん、カプギアやってる人？」
　声をかけられたので、素直に頷く。
「ええ。もしよければ私とバトルしない？」
「へへ、いいよ！」
　丁度強化パーツを取り付けたばかりなのだ。慣らし運転には丁度よいだろう。
　彼と向かい合う。
「へぇ、中距離かぁ」
　見ると少年の装備は恐らく遠距離だろうか。
「なら俺の勝ちかも」
　彼のカプギアは後方へ大きく飛んだ。すぐさまライフルのような遠距離攻撃。
「！」
　蒼はビームサーベルを出し、一発目を叩き割った。
　2発、3発目と来るが、
（少し無茶な回避も行ける）
　体を捻りつつ踏ん張って、ジグザグに避ける。脚部の強化をしておいて正解だった。
（脚の強化パーツつけての一戦目がこれって）
　中々引きが強いのではないだろうか。
「おお」
　少年が驚いたところで、中距離キャノンを発射。さすがに真正面では避けられてしまうが、
「あ」
　蒼は思わず声を出した。
「よーし、ヒット！」
　当たってはいたが追撃の遠距離砲はなんとか堪えた。ギリギリだ。
「やるねぇ、お姉さん」
　少年が気を抜いた、というか少し隙が出来た。
（今しかない）
　蒼は彼のカプギアの間合いに入り込み、レーザーソードを振るった。
（遠距離なら近接は苦手なはず）
　このままフィニッシュだ。と、思ったのだが。
「残念」
　ニヤリと笑う少年。彼は二刀流のロングソードに持ち替えていたのだ。蒼のレーザーソードを弾くと、もう一方のロングソードで切りつけられ、
「……あぁ」
　負けてしまった。
「完敗ね。装備の付替えをしたばかりだったんだけど、残念だわ」
「いやぁ、お姉さんやり始めたばっかでしょ？　強いね〜。一年後が怖いかも」
　少年が手を差し出してきたので、握る。
「お疲れ。またね」
「ええ、次は負けないわ」

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