いざ勝負！！！！｜リアクション

いざ勝負！！！！

　数十分前、獅百合と志桜里も調理に取りかかった。
獅百合は、むうっと唸った。
「なーんで時間かかるほう選ぶのさ。あーでもバルちゃんに任せられないし、しょうがないかぁ」
「言ってないで始めますよ！　相撲部屋もかくやの量を裁かなくてはいけません。食べ盛りだらけの胃は満たせません」
　志桜里は冷蔵庫へ走り、解凍された鶏肉と豚のブロック肉を取り出した。
「シロ、お願いします」
　志桜里に言われるまま、豚肉のロースをがんがんに切り落としていく。
「残さず、切り落として下さいね。すべて調理します」
「パワーならお任せ！　って、オーブンとフライパン同時使い？」
「全部使いの方が早く済みますからね！」
　少し不安に思ったが、最終的にこんがり焼いてあり、ソースをかけて美味しければ問題ないだろう。
　獅百合はバターを落としたフライパンを並べて火にかけたら、志桜里が鶏を叩く傍らで同じくラップを巻いた拳で豚肉を叩いては塩こしょう振っかけてまずはオーブンに叩き込む。
「とりあえず、１５分！」
続いて残りをフライパンへ投入っ。思った以上にじゅうっと音がしたので、火を少し弱めた。仲間で火を通すには、じっくり焼くことも大事だ。
一方志桜里は油を一斗缶で流し込んだ大鍋を火にかけた。ボウルにハーブ塩を振った衣を用意、あとは鶏ももを片っ端からラップを巻いた拳で叩いては入れ、叩いては入れ。
じゅーじゅーと油の弾ける音が景気よくなり始める。
揚げ時間は縮められない以上、この調理パートは揚げるまでの時間が命。ミートハンマーなんて持ってる暇はない。
「効率良く、効率良くよ！」
一通り大鍋に流し込んだら掬いにバットと網、その隣に大皿と周到に待ち構える。
肉達がくっつかないように箸でいい感じに油をかき回す。
　気付くと、昴がこちらを見ていた。
「豪快なのに、滅茶苦茶美味しそうだな」
「作り方が頭に入ってますからね」
「むう……ビビ、豪快な調理なら任せてくれていいぞ？」
「大人しく野菜切っといてな」
「……はい」
　圧、強めである。
「よーし、次キャベツ」
志百合は焼けるまでの間にソースとキャベツ千切りを作ることにした。
バターソースに醤油とおろしにんにくを大カップにざぁっとあけて一気に混ぜ合わせる。
フライパンのお肉をひっくり返して、フライ返しで肉をフライパンに押し付ける。
そしてキャベツを……電動スライサーに丸ごと入れてスライス。水を張ったボウルで受けてさっと洗ったら大皿に豪快に山を作る。
焦げ目つきで焼き上がる頃合いのフライパン産を山肌へ添わせ、後のオーブン産を外周に花びらめいてたっぷり盛り付けたらソースをだばーっとかけて完成だ。

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