わんわん！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！｜リアクション

わんわん！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！

☆あったかーい温泉で

　争奪戦終了後、犬尻尾をはずした参加者たちは水着のまま裏猫温泉に入りました。
「ママ、あったかいね！」
「そうね……」　
　混浴の温泉に入りたがる楓をどうしたものかと迷っていた智依子に、子供用の水着が差し出されて。
（……どうしてこんなものがあるのかしら？）
　無事入れた楓は満足そうですが、また猫鳴館に謎が生まれてしまったのでした。
（まあ、どうでもいいわ）
　楓の笑顔を見ながら温まり、幸せを感じる智依子でした。

「温泉はいいわね、まったりできるわ……」
「うん」
　蒼は思いがけぬ温泉に驚きつつ、詠美と共に温まっていました。
「お姉ちゃんこの温泉のこと知ってるかな？　帰ったら聞いてみよう」

「お汁粉おいしかったですね」
「ああ」
　幸いにもいちゃつきを発見されることなく無事お汁粉で暖まった綾花と珪は、水着で温泉に入っていました。
「珪さんのおかげで助かりました」
「いや、僕はたいしたことはしてないよ。よく頑張ったね」
　１万円も無事ゲットできたので、引っ越し代も安心です。

「おしるこおいしかった～！　次は温泉だ！」　
　ののこは飛び込まんばかりの勢いで温泉へ向かいます。
「野々さん、滑らないように気をつけて」
　人心地がついた英二は、今さらながら水着がちょっと恥ずかしくなっていましたが。
（混浴といっても、プールと同じだから。そういうのじゃないんだ、うん）
　そう自分に言い聞かせながら、少しのぼせ加減に壁のほうを向いて温まるのでした。

「こんなところに温泉があるんですねえ」
　驚く琉歌と、表情を変えない莉鳥。
「一万円、山分けしましょうね、先輩」
「そうね」
　上機嫌で温泉に浸かる琉歌は、ふと気づいたように言いました。
「そういえば先輩、今日は学校に何の用事だったんですか？」
「……忘れ物を取りに。明日受験だから」
「えっ！　先輩明日受験なのにこんなことしてたんですか？」
「……誰のせいだと思ってるのよ」

「怪我人が出なくてよかったね。オイルを塗ったからしもやけの被害も少ないはずだし」
　柚春は余ったお団子をもらい、ウォルターと一緒に食べていました。
　アイスも勧められましたが、そっちは辞退しました。
「ああ。危険な状態にならなかったから風紀委員の出番もなかったねぇ」　
「……あれ？　そういえばラストで転びそうになってた子たち、どこへ行ったんだろ？」
　柚春は首をかしげましたが。
「まあいいか。みんな今頃温泉で温まってるよね」　
　
「牛肉……嬉しいけど、どうしようかなあ」
　想花は考えながら温泉に浸かっていました。
　とりあえず名前を書いて冷蔵庫に入れましたが。
「一人で食べるのもなんだし、みんなに分けなきゃかなあ……１万円なら悩まなくて済んだのに」　
　結構使い道が悩ましいところです。
「そういえば、海原先輩たちに連れてかれたあの人たちどうなったんだろう……エッチなお仕置きがどうとか言ってたけど」
　怪しい胸騒ぎが広がりそうで、それをかき消すように想花はつぶやきます。
「どうせ僕にはいちゃつく相手もいないから関係ないんだけどね」

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