わんわん！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！｜リアクション

わんわん！　雪中お年玉＆お年賀争奪戦！

☆終了１０分前！

「すでに１万円や牛肉などのお年玉が続々発見されてるけど、まだまだ１万円はあるはず！　終了まであと１０分だ！」
　実況するパンダが声を上げました。

「あった！」
　智依子が嬉しそうに１万円を手にしました。
「やったー！　すごい、ママ」
　楓も大喜びです。

「サンマさん像はもう倒れてるし、かまくらを崩しませんか。もしかして何かあるのかも？」
　綾花がそう言うと、珪も頷きました。
「ちょっともったいないけど、確かめてみたいね」
　二人はシャベルを構えます。
「すみません、かまくらから出てください。壊します」
「やれやれ、暖かかったんだけどねぇ」
「たっぷり楽しめ……看護はできたし、よかったんじゃないかな」
　ウォルターと柚春はすでに荷物をまとめており、すぐに飛び出してきました。
　ザクッ、ザクッ！
　崩れたかまくらの壁からは。
「珪さん、ポチ袋です！」
「ああ」
　手にしたポチ袋から出てきた１万円に、綾花はにっこりしたのでした。

　小さい雪だるまの最後の一つを崩すののこは、ポチ袋を開きました。
「五度目の正直！　１万円だ～！」　
「よかったね！」
「これで私の勝ちだよ！」
「そうだね」
　ののこの笑顔に、英二は自分のことのように嬉しくなりました。

　
「やった！」
　詠美はポチ袋から１万円を取り出しました。
「私も！」
　蒼もポチ袋を見つけました。
「5円じゃありませんように……あっ！」
　袋から出てきた１万円を確認して、報われた気がしたのでした。

「時間いっぱい掘りましょう！」
「そうね！」
　柚乃が言い、碧南はまだ崩れきっていない巨大雪だるまに向けて駆け出しました。
　愛も後を追います。
　しかし掘り始めてまもなく。
「終了まであと５秒！　５、４、３……」
　パンダの声に焦った柚乃がバランスを崩しました。
「キャッ！」
「きゃあっ！？」　
　近くにいた碧南のほうに倒れこみ、抱きついた柚乃。
「大丈夫ですか？！」
　とっさに愛も駆け寄り、倒れそうになった碧南を支えました。
　その近くに、茂がいました。
「いちゃつき行為を確認した！」
「えっ？」
「ええっ、違います！　これは事故で」
「問答無用だ。三人ともお仕置き対象だな」　
「へっ？」
　驚いたのは愛です。
「それって私も入ってるんですか？　私何もしてないのに！」
　抵抗むなしく、柚乃に碧南、愛までが巻き込まれてスタッフに連行されていきました。

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