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ブラックウッド邸お掃除大作戦
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どうにか用具類一式の発掘に成功し、まずはリビングルームの強敵たちを一掃することから取り掛かることにする。まるで戦場へ赴くかのごとき言い様だがこれが言い得て妙であり、細々としたゴミ類に混じって割れ飛んだガラスや陶器は踏み割ったり触れて二次被害の発生する可能性もある、まさしく流れ弾のごとし。強敵なのだった。
「手を切らないよう気を付けてねぇ。まあ僕が言うのも何だけどさぁ」
「大丈夫、気を付ける。ワットも気を付けてね、わっ?」
柚春の足元にさっそく、嫌な音がした。陰に潜んだ割れカップを踏んでしまったらしい。よろめいた柚春の腰をはっしとウォルターの腕がつかまえる。
「あ、ありがと……びっくりしたぁ」
「う~ん、無理しなくてもいいんだよぉ? メアリが戻るのを待ってからでも」
「でもこの惨状をメアリさんが見たら、悲しんじゃうよ」
不意の接触に少し熱くなった頬をあおいで冷ましながら、慎重にトングで破片を拾い上げ、新聞紙に包んだ上で二重にしたゴミ袋へ投入した。せっかくの二人きりだ、いくばくかの触れ合いも欲しくなるがしかし、それには周囲の状況がいささか剣呑に過ぎる。物事は順序を踏んで行うべきだ。深呼吸を深く、一つする。
「メアリさんの手をわずらわせないように、頑張ろう! おーっ」
「でもさぁ、いつもメアリは仕事が生きがいだから、なんて言って手伝わせてくれな」
「が・ん・ば・ろ・う?」
「……おー」
無駄に気合を奮い立たせるわけではない。ウォルターの暮らしの快適を確保するのはもちろんのことだが、年明け早々メアリに大掃除のやり直しなどさせたくはないという思いも確かだ。柚春としても彼女には大層世話になっているし、彼女が戻るまでできる限りの負担を軽減しておきたかった。
大きな破片、ことに鋭利で危険なものから優先して拾い集めてゆく。
「こっちにも。あ、こっちにも」
「ずいぶん割ったねぇ。ワット」
「いや、うん。申し訳ない」
恐縮するウォルターも何だか新鮮で、柚春はくすりと笑い背伸びしてその頭を撫でてやった。慣れていないのか、くすぐったそうに耳をひくひくとさせているのが面白い。
小一時間ほどかけて邸内の主だったスペースの危険物を拾い集めると、ゴミ袋が一つ一杯となった。割れたのはウォルターの私物ばかりで、メアリのお気に入りのカップやソーサーが無事であったのは不幸中の幸いか。
「ふむ。向こうの部屋はどうしようかぁ」
廊下に立ち、屋敷の奥を眺めて主人が言う。物置やあまり使われていない部屋があるが、どういうわけかそちらにもまんべんなく雑多な物々が散らかっていた。柚春はそれらを眺めて一つ思案し、くるりとウォルターを振り返る。メイド服の裾がひらりと舞った。
「使用頻度の低い場所は後回し! 全部を隅々まで綺麗にしようって思ったら、キリがないからね。僕たちは全体をある程度……まあメアリさんが眉をひそめないくらいにはしておいて、仕上げはおまかせする感じでいこうよ」
「でも、せっかく掃除するんだしさぁ。完璧にやりたいじゃない」
そこが素人の陥りやすい罠、ウォルターの家事下手のある種一つの要因でもあろう。掃除にしても料理にしても、初めから理想を高く抱き過ぎるが故、結局どこかで現実を知り躓いてしまうのだ。まずは身の丈を知るのが成長の第一歩である。
といったあたりを柚春が語って聞かせると、ウォルターは不満そうながらに了承した。どちらが教師だろうか、と彼のそんな一面を柚春は可愛らしく思い、やはり含み笑いをした。
リビングをざっくりと片付けたところで、キッチンの掃除へ移る。ここは難関だ。危険物のオンパレードにしてメアリの聖域であり、取り扱いもより慎重を期さねばなるまい。
「わ、こんなところに包丁! 無造作すぎる……」
「ああ。料理をしようと思ったんだけどねぇ」
だけどねぇ、の後に言葉は続かなかった。結果は言わずもがなである。しかし食材を無駄にした形跡はなく、散らかしや料理の完成度はともかく完食はしたらしい。
「ジャケット・ポテトを作ってみたんだよ。初めて」
「あ、イギリスの家庭料理だよね。メアリさんに教わったの?」
「うん。ほら、前にさぁ、白沢先生主催の
補習
を受けたじゃない? あれから少し、料理もしなきゃとは思っててねぇ」
確かにあの授業は稀少な機会だったのだろう。メアリに乞い、時おりだが料理の練習もするようになったのだとか。
「あまりキッチンには入れてもらえないんだけど、たまにね。メアリがさぁ、言うんだよ。いつまでも私が料理を作ってあげられるわけじゃありませんから、なんて」
「……うん」
メアリは今年60になる。(あまり言いたくはないが)中年に差し掛かりつつあるウォルターとも一回り以上離れていて、リタイヤするのは彼女が先であるのは明白だ。そうなった時、まだ手のかかる主人のその後が心残りとなっては忍びない。使用人ではあれどウォルターを息子のようにも感ずるところもあるだろうから、何かと気にかけているのだろう。
「いいんじゃない? ワットが料理できるようになれば、メアリさんも安心だよね」
「そうだねぇ。頑張らないとねぇ」
「そのためには、まずはあれこれ壊さないようにならないとね……あ、こういうのはどう?」
ふと思いつきだ。柚春にしても、あまり意識しての言葉ではなかった。
「僕がずーっとワットのそばで、料理も洗濯もお掃除もしてあげる。っていうのは……あー」
何だかプロポーズの言葉のようになってしまった。いや柚春にはむしろ望むところなのだが、面と向かってはさすがに少し気恥ずかしい。
顔を赤くした柚春へ、彼はにやりと口角を上げてぐいと鼻先を近づける。胸が一つ大きく跳ねた。
「ふぅん。メアリの代わりに、稲積が使用人になってくれるのかい。それは何とも、大助かりだねぇ?」
「え? あ、違うってば、そういう意味じゃなくて……!」
そういえばメイド服姿なのだった。まぁウォルターも、柚春の意図を汲んだ上でのからかいなのだろうが。あるいは照れ隠しかもしれない。
その後もそんなこそばゆいやりとりを繰り返しながらに、キッチンの片付けは思いのほか順調に進んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月25日
参加申し込みの期限
2023年11月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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