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ブラックウッド邸お掃除大作戦
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空になった皿をキッチンで洗う。メアリは食器洗浄機など使わないからもちろん手洗いだ。だからこそ生まれた、ちょっとしたこの一時を堪能する。
「美味しくできて良かったね、ローストビーフ」
「柚春のおかげだよぉ。材料が無駄にならずに済んだ」
柚春が洗いウォルターが拭う。掃除も済ませ食事も終わり、一日の最後に新たな面倒を生み出すまいとしてか、彼は水切りカゴへ収まっていく皿の一枚一枚を異様なまでの丁寧さ、慎重さで拭いている。ぎこちない手つきが何だか可笑しくて柚春は思わず噴き出した。
夕暮れは深まり、夜といって差し支えない時間へと差し掛かる。柚春は一人暮らしであり門限もないから問題はない。少なくとも柚春にはない。
「柚春、暗くなってきたよぉ。そろそろ帰ったほうがいいね。送っていくからさぁ」
「うん……でも、もう少しだけ。付き合ってよ」
片づけをあらかた済ませてしまってから、紅茶を淹れる。英国流に言うならアフターディナー・ティーだ。ダージリンなどをブレンドしたものらしく香りがよい。ウォルターのカップにはブランデーも少量加えてあげた。いつか柚春もそうして大人っぽくお茶を嗜むようになりたいと思う。
ポットとカップをトレイに載せてリビングへ。ソファに並んで腰かける。
「もう少し、お話とかしてようよ。星でも見ながら」
「仕方ないなぁ。もう少しだけだよぉ」
窓の向こうの空に輝き始めた星々を眺めながら語らう。話題は取りとめなく、今日の掃除にて発生した些末なトラブルについてであったり、学校でのちょっとした出来事であったり最近ハマっている好きな香りの話であったり。もっとも話すことは何でも良いのだ。会話を弾ませるたび彼の笑顔がこぼれ落ちるのが楽しく、嬉しかった。
「今日はありがとう。掃除も、料理も。助かったよぉ」
「ううん、ワットのためならいつでも。いつだって、呼んでくれていいんだからね? できればあんなふうに散らかしちゃう前に!」
「はい。反省してます」
「ならよろしい。でも、もし僕に感謝してくれてるなら……」
カップをテーブルへ置き、彼を見上げる。瞳は少し潤んでいたかもしれない。
「少しくらい、ご褒美があってもいい、よね?」
顔を近づけていく。彼は、まぶたを伏せていた。柚春の胸は高鳴り、締め付けられるように緊張が増す。徐々に、近づいてゆく。彼の柔らかく艶めく、唇へと。
「ぐう……」
「ぐう?」
直前、彼の身体が傾き柚春へ覆いかぶさった。
「ちょ、ちょっとワット? え? えっ?」
「ぐう」
彼は寝息を立てていた。眠ってしまったらしい。今日一日、慣れない掃除やら家事で気を張り詰めていたから、思いのほか疲れてしまったのかもしれない。それに少々の心当たりもある……ブランデーの数滴が効きすぎたか。
「うーん。あれは失敗だったかな……ふわぁ」
当てられたように、柚春もあくびを漏らす。窓の外には、少しだけ端の欠けた月が白く輝いていた。
「ただいま戻りました。ウォルター様……ウォルター様?」
帰省から戻りいくらか邸内を見回れば、聡いメアリは察したことだろう。何しろ邸宅のほとんど全てはこの有能メイドが取り仕切っているのである。調度品の場所が違えばそうと気づくし、棚からいくつも食器類が無くなっていれば分からないはずもない。カーテンの陰に拾い損ねた陶器の破片を見つけたのがだめ押しともなった。
「まったくもう。あの方は」
しかし浮かべたのはかすかに微笑ましく柔らかな笑みだ。主人もいい大人なのだし、あまりうるさく叱ることもない。こうして取り繕おうとした形跡も見て取れる……まあきっと彼に恋するあの可愛らしい娘さんが手伝ったのだろうけど。などとすっかりお見通しであった。
間もなく昼時に指しかかろうとする頃合いで、さっそく彼にはブランチでもこしらえねばならないだろうか。自室に荷物を置き、いつものメイド服を身に着け使用人へと舞い戻ったメアリはリビングへ向かい、そして目を剥いたのだった。
「……ウォルター様!! 何ですかいい大人が、こんな時間まで惰眠を貪って!」
「うわぁ!? ああおかえりメアリ、田舎はどうだった……」
「稲積様も!! 年頃の娘が男性の家に、気安く泊まり込むものじゃあありません!」
「うわぁ!? メメメアリさんおかえりなさい、ごめんなさい!?」
気を入れて取り組んだ作業の疲れもあってかウォルターに寄りかかって気持ちよく寝入ってしまったらしく、柚春が飛び起きると振り子時計の針は午前11時を回り、腰へ手を当て眉をつり上げて見下ろすメアリの少し懐かしい顔があった。
「あのー。これにはその、いろいろと理由がありまして……」
聞く耳持たぬとばかり、メアリのお説教はしばし続いた。
しかしそれも彼女の愛あるお言葉だろう。真にウォルターの、それに柚春のことをも想うからこそだ。そう考えれば苦はなく、ちらりとウォルターと目を合わせれば口元に笑みも浮かんだ。きっとこれも、いつかは良き思い出となるだろう。
「聞いていらっしゃいますか、ウォルター様、稲積様!」
「は、はいいい!!」
「こうなると結構長いんだよねぇ、メアリは……」
縮こまってひたすらに耐える二人だった。
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あとがき
担当マスター:
網 透介
ファンレターはマスターページから!
網です。
ウォルター宅をお掃除するお話でした。
広いお屋敷なので家事はさぞ大変だろうと思うと、メアリさんへの賛辞の言葉が自然と増えてしまいました。すごい方だと思います。
ウォルターさんとは共同作業あり、程よく触れ合いもあり、といったところを目指しましたがいかがでしたでしょうか。
お楽しみいただけておりましたら幸いです。
今回はプライベートシナリオの申請、まことにありがとうございました。
それでは、また次回に。
網でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月25日
参加申し込みの期限
2023年11月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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