this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
題名のない本を綴じる
<< もどる
1
2
3
4
5
【題名のない本を綴じる】
「ええ! ウォルターさんが日記を」
『う~ん、心外な反応』
後日のことである。さしたる用もなく、なんとはなしに電話をかけると通話口にて、ウォルターはそんなことを言った。
『ノートの使い方を考えてて、ふと思いついてねぇ』
「は~。それで日記を。ウォルターさんが」
『あのね、僕はこう見えて教師だよ? センセーだよ、日報だって毎日書くんだよ』
言われてみれば彼は務め人である、当たり前だが。業務の一環として同僚と情報共有のひとつもするだろう。しかしまあ言っちゃナンだが、彼が勤勉なのはあまりイメージが湧かない……というのは完璧教師の表の顔だけでなく、いささか無精でずぼらな私人としての彼を知っているからだろうか。そこにあたたかみがある、とも言えるが。
『毎日のあたりさわりのないことをね、つれづれ~っとね。書いてみてるよ。案外楽しくてねぇ、三日坊主にならずに済んでる。今のところは』
「なるほど……そういう使い方もよかですね」
どんな形であれ、あのノートをしっかりと活用してくれているなら、七瀬も嬉しい。ほっこりと頬がゆるむ。
『けどまあ、僕ってどうも、熱しやすくて冷めやすいからさぁ。ページが無くなったら、飽きちゃうかもしれないけどねぇ』
気分屋な彼だから、それもありうる。
しかし、大丈夫だ。
「その時はまたあのお店に行って、新しいページを綴じればいいんですよ」
『ああ、それもそうだ。うん』
中紙の交換サービスを利用すれば、思い入れあるノートをいつまでだって使っていけるのだ。それに『*note』の店主が言うには、使い終わったページを別の表紙で綴じて保管用とする客も少なくないという。それもいい。
『その時はまた、いっしょに行こうかぁ』
「はい、ぜひ!」
その後にもたあいのないやりとりをいくつか交わして、通話を切った。
胸にあたたかい心地を抱いたまま、ふらりと目的もなく外出する。今日は講義がないから一日自由だ。
だから暇をもてあましてウォルターに電話したのだが、せっかくだからどこかへ出かけようと誘ってみれば良かったか。しかし今日は平日だし、彼もあれで忙しい身だから、軽い気持ちで誘うのもいささか気が引けた。
自宅を出て、シーサイドタウンを歩く。そういえばこの道は、ウォルターとも歩いた道だ。あの模型屋では彼の新しい一面を知ることができた。向こうの行きつけの本屋には一度案内してあげたい、たぶん彼も気に入ってくれると思うから。ほかにもいろいろと、彼とともに訪れてみたい場所やら店やらがいくらでも目についた。なんだ、このあたりなんてなにもないと思っていたけれど、捨てたものじゃないじゃないか。
時おり通りがかるが入ったことはなかった公園へ、初めて足を踏み入れてみた。平日の昼間だから、いつもは賑やかに駆けまわっている子どもたちの姿はないし、それを見守るママさんたちの井戸端会議も催されておらず、七瀬ひとりだ。大通りから一本裏に入ったところの、マンションとマンションの間にぽっかりあいた空間へ作られた公園だから、あまり日当たりはよろしくない。しかし外周にそって樹々が並び、緑が繁っているのはなかなか悪くない。少々冷たいが気持ちのよい風も入ってくるし、ベンチに腰かけて見上げれば、小窓のように四角い青空がのぞく。七瀬はあたりの静けさに、ほうとひとつ息をついた。
しばしそうして落ち着いた時の流れを堪能したら、かばんからノートを取り出した。碧色と白のチェック模様。表紙をめくるたび、そこに書かれた短い言葉が七瀬を勇気づけてくれる。
続くページを開くと、そこにはまだなにも書き入れられてはいない。白紙のままだ。中紙は入れ替えられるのだし、手帳代わりやメモ書きなど気軽に使ってもいいだろうが、なんとなく使い道に迷っている。せっかく彼が選んで作ってくれたノートなのだから、もう少し有意義な使い方はないものか。そんなふうに考え出すと、なんだか気が引けてしまう。
「ううむ……」
腕組みして悩んでいたら、びょうとひとつ強い風が吹いた。思わず身をかき抱く。相応に厚着をして出てきたつもりが、さすがに冷え込んできた。
その冷たさが、七瀬の少しぼやけた頭をクリアに吹きならしてくれたのだろうか。
「ああ。そうか」
彼は言った、小難しく考える必要はないのだと。言葉が全てではない。このノートの使い道に、こう、と名前をつける必要がどこにあるだろう?
そんな着地点へ落ち着くなり、身が軽くなった。す、と立ち上がると歩き出し、公園を出て路地を抜け、大通りへ出る。風の冷たさなどもう気にならなかった。
少し大胆になった気持ちのまま、スマホを取り出して番号を押し込んだ。ややあって聞こえてきた幸せな響きに、七瀬の声もついつい弾んだ。
「ウォルターさん! 今日、会えませんか? ごはんでも食べましょう」
『いいねぇ』
ノートが一冊の本となるのは、まだまだ先のことだ。
なにを書いてもいい。なんなら書かなくたっていい、気が向いた時にでもさらりと書けばいいのだ。
さて、どうしようかな?
<< もどる
1
2
3
4
5
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『題名のない本を綴じる』、リアクションをお届けいたします。
ノートを作れるサービス、初めて知りました。
こんなのあるんですね。いいな~。私も挑戦してみたいものです。
最近は手紙にしろメモ書きにしろ、手で紙に書くという機会って減りましたよね。
手書きとキーボードでぺちぺち打つのでは、文章を書くという意味では同じはずなのですけれど、私はエンピツ持って手で書いたほうがなにかと覚えていられるので、メモ書きなどはなるべく紙に書くようにしています。パソコン作業ばかりだと漢字も忘れてしまったりして、だんだん書けなくなってしまうんですよね……。
なにかと電子化デジタル化と言われてますけれど、手書き文化は残っていってほしいな~、と執筆しながら思ったりしました。
それでは、今回もプライベートシナリオにご指名いただきまして、ありがとうございました!
また別のシナリオでお目にかかれます機会を、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
題名のない本を綴じる
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月13日
参加申し込みの期限
2023年10月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!