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題名のない本を綴じる
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【星の数ほど】
いっしょに本を作りませんか? だなんて、大きなことを言ったものだと思う。だって七瀬は自身に物書きの才が無いことなどよく知っていたから。活字中毒な気質は多くの物語やそれにとどまらない文節を七瀬へもたらしたし、おかげで感性の豊かさは深まったが、それをもとに七瀬オリジナルのセンテンスを出力しようという思考には至らなかった。文才は持って生まれたものが一割、九割は書いて書いて、読んで書いて見て聞いて、また書いて……その遠大なサイクルによって磨かれるものだ。
だから『本を作る』というと、これがなかなか敷居が高い。多くが抱くであろうイメージに沿うなら、本とはつまり物語や詩などを書き束ねたものだろう。例えば数ページのポエムじみた文章ならば、どうにかこうにかひねり出すこともできるかもしれないが、それを本と呼んでひとくくりにできるほど書き連ねるとなると、七瀬には少々気が遠くなる思いなのだった。
そこで、この店だ。
「サイズ、表裏の表紙、中紙……つまり実際に書きこめるページですね。それにノートを綴じるリングに、留め具。これらすべて、自由にお選びいただけます」
「へえ~……」
「製本はこちらで行いますので、ご安心ください。使い終わったノートは、中紙を交換いたしますので、またお店へお持ちくださいね」
「ほおお~」
若くして『*note』を開いたという娘さんが、ひとつひとつの行程を丁寧に説明してくれた。流れの中、事あるごとにこだわりを感じ、七瀬もウォルターも感心することしきりである。
ふむ、さて。とウォルターが店内を見回して、あの旺盛な好奇心を発揮する。
「おしゃれなお店ですねぇ。いつからやってるんです?」
「昨年の夏だったかしら。おかげさまで手作りノートのサービスがご好評をいただいて、こうしてやらせていただいてます」
「へええ。場所もいいですよねぇここ、キャットロードの真ん中で。近くにこんな文房具屋さんがあったら、通いたくなっちゃうよねぇ」
「ふふ、ありがとうございます」
「お、あれはなんですか? 向こうの棚の、あの金具みたいの」
「ああ、後ほどまたご説明しますけど、あれらはノートを綴じる留め具で……」
普通の文具店にプラスして、こだわりの付加価値が売りのお店だから、店主さんも求められれば嬉しくなってしまうらしい。ウォルターの、あれはなに? これはなに? といった質問に逐一、親切に答えてくれる。
なんだか、七瀬そっちのけ。
「……ウォルターさん」
「うん? ああ、ごめんごめん」
唇をとがらせくいと袖を引いた七瀬に、ウォルターは苦笑いを浮かべ、頭にぽんと手のひらを置いた。
「それじゃ、本。作ってみよっかぁ?」
「はい。そうですね」
伝わってくるぬくもりに、七瀬はたちまちにこやかになりうなずいた。
「記憶に残る一冊にしますので、ウォルターさん、覚悟してくださいね」
「あはは、こわいねぇ」
ひとり一冊ずつ作ることとする。たがいに作ったノートを贈り合うのだ。
オリジナルのノート作り、七瀬の意思や好みを反映できる部分は多々あり、まずはサイズを決めるところから。
「ふむふむ。めいっぱい書けるB5サイズか。持ち運びやすいB6か。それとも、文庫本サイズのA6……?」
「タテヨコどっちでも綴じられるのか。ううむ、いきなり迷うねぇ」
講義の板書や日常的に使うものなら、大学ノートサイズのB5がいいだろうか。しかしほかならぬ彼へと贈るものだから、日用品というよりは印象的な一品としたい。サイズのサンプルを手にああでもない、こうでもないと迷っていたら、
「よし、僕はB5の横綴じにしようかなぁ」
ウォルターはさっそく決めたらしい。
「どうしてそのサイズなんです?」
「おたがいが使うノートを選ぶんだよね。君、活字が好きでしょ? 横にずらずらずら~っと、たくさん書けたほうが気持ちがいいかなって」
彼のことだから適当なインスピレーションに従ったものかと思いきや、きちんと理屈あってのことらしい。自分のことを考えて選んでもらえるのはなんだか、七瀬にとっていささかむずがゆく、それ以上に胸をたかぶらせてくれた。
「それじゃ、僕は……文庫本サイズの縦にします。どうですか、ウォルターさん」
「うん、いいんじゃないかなぁ。ちなみに、理由は?」
「持ち運びやすくていいかと思って」
いつも持ち歩いてほしいから、とまでは、思っても伝えなかった。気に入ってもらえれば、きっとそうしてくれるだろう。
続いて表紙と裏表紙を選ぶ。棚にはいくつも、数え切れないほどの選択肢が掲げられていて、どれを選んでもいいらしい。個性の発揮のしどころだ。
「ウォルターさんは、どんな色が好きですか? これなんかは……?」
「お、鮮やかでいい青だねぇ。目が覚めるようだよ。あ、あっちの山吹色もいいね、優しい色合いで。このちょっと高級感ある革張り風は、君に似合いそうじゃない?」
「そうでしょうか? うちには少し大人っぽいような」
「君だってもう大人でしょうよ。あはは」
不意にどきりとさせられて、七瀬の頬はにわかに紅潮し目を白黒とさせる。
そんなやりとりを交わしつつ、たっぷりと時間を使い選ぶ。そのひと時をこそ、楽しんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月13日
参加申し込みの期限
2023年10月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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